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総務委員長報告

総務委員長報平成28年5月定例会

 

 総務委員長報告をいたします。

 総務委員会に付託されました議案の審査結果等について報告いたします。

 

 今定例会において当委員会に付託された議案は、「平成28年度島根県一般会計補正予算(第1号)」の予算案1件、「議会の議員その他非常勤の職員の公務災害補償等に関する条例の一部を改正する条例」など条例案2件、「契約の締結について」など一般事件案3件であります。

 これらの議案について執行部に説明を求め、慎重に審査いたしました結果、いずれの議案も全会一致をもって、原案どおり可決すべきとの審査結果でありました。

 

 次に、請願の審査結果について報告いたします。

 まず、新規の請願第10号「「地方財政の充実・強化を求める」請願」についてであります。
この請願は、公共サービスの質の確保と地方自治体の安定的な行政運営を実現するため、本年度及び来年度の政府予算、地方財政対策の実行並びに検討に当たっては、国と地方自治体の十分な協議の上、地方自治体の実態に見合った歳入・歳出を的確に見積もり、その財源の十分な確保が図られるよう「地方財政の充実・強化」を求める意見書の提出を要請した内容であり、全会一致をもって「採択」とし、意見書を提出すべきとの審査結果でありました。

 なお、この請願にかかる意見書については、後ほど高橋副委員長から提案理由を説明いたしますので、ご賛同いただきますようお願いいたします。

 

 継続審査中の請願第7号「私学助成政策の抜本的拡充を求める請願」については、現状に大きな変化がないことから、「継続審査」とすべきとの審査結果でありました。

 

 次に、報告事項など、所管事項調査における委員からの質疑、意見等のうち主なものについて申し上げます。

 

 地域振興部から報告のありました「JR三江線を巡る状況について」であります。
委員からは、費用対効果や赤字補てんの議論に終始するのではなく、存続するために幅広い議論をしていくべきであるとの意見や、住民のための三江線であり、「小さな拠点づくり」との整合性や、地域をどう守っていくのかについて県としての思いを打ち出すべきであるとの意見、三江線単体での収支のみで議論が進められてしまうと全国の過疎地域に問題が波及してしまうので、大きな視点での議論ができるよう県に配慮していただきたいとの意見がありました。

 

 これに対し、執行部からは、検討会議では単に収支のみに着目して議論しているのではなく、期成同盟会において正しい判断をしていただけるよう沿線市町のニーズや将来的な人口見通しなどをおさえながら、鉄道として存続させていくためにはどういった手法があるのかなどのほか、新交通プランの可能性については、その特性やメリット・デメリット、運営コストなど幅広に論点を整理するよう努めている。また、「小さな拠点づくり」に関する委員の指摘をしっかり受け止めながら進めていく考えであるが、交通手段の確保を含め、トータルで地域をどのように支えるのかといった「小さな拠点づくり」についての議論は、検討会議とは別に、地域での議論が巻き起こっていくよう取り組んでいく、との回答がありました。

 

 最後に、島根原子力発電所の低レベル放射性廃棄物のモルタル充填に用いる流量計問題及び1号機の廃止措置計画、2号機の特重施設、第3系統バッテリーの設置に係る事前了解願いに関する当委員会の調査結果について報告をいたします。

 

 まず、低レベル放射性廃棄物のモルタル充填に用いる流量計問題については、5月31日に島根原子力発電所において実地調査を行い、再発防止対策等の実施状況について確認しました。

 

 6月13日に開催しました当委員会では、原子力規制庁島根原子力規制事務所及び中国電力株式会社を参考人として招請し、保安検査の実施状況、並びに再発防止対策の実施状況を聴取いたしました。

 

 島根原子力規制事務所からは、保安検査において、中国電力が策定した調査報告書に記載された再発防止対策について、アクションプランに基づき着実に実施されていること、外部第三者の指摘を踏まえた再発防止対策以外の自主的な対策・取り組みに着手していることを確認しており、今後も保安検査等により実施された対策が適切に管理されているか、統合型保全システム(EAM)の改良が着実に実施されるかなどを確認していくとの報告がありました。

 

 委員からは、点検が担当者任せで2重3重のチェック機能が働かなかったことが問題という意見や、教育のレベルアップが必要ではないかという意見、規制機関として検査のやり方を点検されたかといった意見もありました。

 

 これに対し、島根原子力規制事務所からは、再発防止対策の実施が終わったからよいというものではなく、その後も常に状況を見続けていくことが必要といった説明や、検査についてもステップアップしながら進めていこうとしているとの説明がありました。

 

 また、中国電力からは、再発防止対策の進捗状況の説明があり、委員からは、安全文化醸成活動の取組状況についての質問がありました。

 これに対し、中国電力からは、安全文化の向上には終わりはなく、取り組みを継続し向上につなげることが大切であると認識しているとの説明がありました。

 

 この問題に対し、執行部からは、中国電力の対応状況を継続して確認していること。また、中国電力が行う再発防止対策や有効性評価の実施状況、原子力規制委員会による検査状況、要請事項への対応状況についても引き続き確認し、その結果については、議会へ報告するとの説明がありました。

 

 次に、4月28日に中国電力から島根県及び松江市に対して安全協定第6条の規定に基づき提出があった、1号機の廃止措置計画認可申請及び2号機の特重施設等設置変更許可申請に係る事前了解願いについては、5月31日に島根原子力発電所1号機内の使用済燃料を保管している燃料プールでの保管状況や燃料輸送の流れ、2号機の特定重大事故等対処施設の予定地などについて確認しました。

 

 さらに、6月13日に開催しました委員会において、参考人として招請した中国電力からそれぞれの計画の概要について説明を受け、委員からは、使用済燃料が搬出されるまでは燃料プールに保管することになるが、本当に安全が確保されるのかとの質問や、安全対策に関する教育・訓練など人的な対策が必要ではないかという意見、廃止措置は30年間に及ぶためポイントポイントで県民に分かりやすく説明、情報発信することが必要ではないかとの意見がありました。

 

 これに対し、中国電力からは、燃料プールで異常があればすぐに検出でき、燃料プールに注水する体制が整っていること、仮にプールの水が抜けても使用済燃料が破損する温度に達しないこと、教育訓練はしっかり進めていくこと、廃止措置の各段階で県民への説明をしっかり行っていくとの説明がありました。

 

 また、委員外議員からは、中国電力は原発の安全神話とは決別すべきとの意見や、再処理を進めれば余剰プルトニウムが蓄積し、高レベル放射性廃棄物の処分先が決まらないなどの問題を抱える核燃料サイクルからは撤退し、国策としての原発はやめるべきであるとの意見がありました。

 

 これらの議論の後、このたびの中国電力の事前了解願いに対し、執行部からは、中国電力が1号機の廃止措置計画に係る認可申請及び2号機の特重施設等に係る設置変更許可申請を行うことについては、了解する。安全協定に基づく最終的な了解については、原子力規制委員会から審査結果について説明を受け、それに対し県議会、県の安全対策協議会、原子力安全顧問、松江市や周辺自治体などの意見を聴いて、総合的に判断する。また、今回の申請了解に当たって、中国電力に対しては、廃止措置の段階に応じた安全対策についての検討や関係自治体への丁寧な情報提供、使用済燃料、低レベル放射性廃棄物(L1,L2,L3)の確実な処分のための具体的な検討を行うこと、その過程の中で、地域振興への配慮を求めること等について要請を行うとともに、原子力規制委員会、経済産業省及び内閣府に対しては、住民の安全確保の観点から厳格な審査を求めることなどについて要請をするとの説明がありました。

 

 これらの説明に対し、委員からは、中国電力に対し万全な安全対策を求めるとともに、住民に不安を与えないよう適切な情報提供を行うこと、また、原子力規制委員会に対しては厳格な審査を求めていくべきであるなどの要望がありました。

 

 これらの調査結果及び執行部の考え方を踏まえ、廃止措置計画等に関する総務委員会としての判断を協議しましたので、その結果を申し上げます。

 今回知事から提案のあった事前了解願いの取り扱いについては、中国電力が原子力規制委員会に対して1号機の廃止措置計画及び2号機の特重施設等の設置に係る申請を行うことを、全会一致をもって了承することといたしました。その上で、県から中国電力、原子力規制委員会など国の関係機関に対して必要な事項を要請することについても、了承することといたしました。

 なお、低レベル放射性廃棄物のモルタル充填に用いる流量計問題については、当委員会として、今後も原子力規制委員会と中国電力の適切な対応を求めたいとの結論に達しました。

 

 以上、総務委員会における審査の概要及び調査の結果を申し述べ、委員長報告といたします。

 


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