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文教厚生委員長報告

 

文教厚生委員長報平成21年6月定例会(7月9日)

 

 文教厚生委員長報告をいたします。

 文教厚生委員会に付託されました議案の審査結果等について報告いたします。

 今期定例会において文教厚生委員会に付託されました議案は、予算案1件、条例案12件及び一般事件案1件であります。

 これらの議案について、執行部に説明を求め、慎重に審査いたしました結果、いずれの議案も全会一致をもって、原案どおり可決・承認すべきとの審査結果でありました。

 

 議案の審査過程において委員から出された質疑や意見等のうち、特に補正予算に関するものについて申し上げます。

 

 まず、国の経済対策による「保育所の緊急整備」についてであります。

 執行部から、保育所の待機児童を解消するため、補正予算で積み増した「安心こども基金」を活用し、21年度、22年度において保育所の緊急整備を支援していく、との説明がありました。

 委員から、若い夫婦で保育所に子どもを預けて働きたいという多くの声に応えるため、早急に施設整備の必要がある。基金で実施する施設整備を優先して行うため、基金の使途を弾力的に運用することはできないか、との質問がありました。

 これに対し、執行部からは、保育所整備の要望が高く、国ではハード整備とソフト事業との流用を認めることとなった。事業主体である市町村の21年度整備計画によると、335人の定員増となる見込みであり、今後は市町村の計画を精査し、喫緊のニーズに対応した施設整備に取り組んでいきたい、との回答がありました。

 

 次に、「子ども読書活動の推進」についてであります。

 執行部から、小中学校における読書活動の推進を図るため、意識啓発事業の実施や学校図書館の環境整備を支援していく、との説明がありました。

 委員から、小中学校図書館の図書整備に関して、図書購入の状況と県立図書館による支援策について質問がありました。

 これに対し、執行部から、小中学校図書館の図書購入は、地方財政措置が講じられている市町村の対応が基本と考えており、「学校図書館図書標準」を達成しているのは、小学校で約20%、中学校で約25%である。達成率の低い小中学校を支援するため、県立図書館に貸出用の図書パッケージを配備して団体貸出を強化しているところである。また、市町村における学校図書館充実の認識は高まりつつあり、予算を大幅に増額したところもある。今後とも市町村に「図書標準」の達成を要請してまいりたい、との回答がありました。

 

 次に、請願の審査について申し上げます。

 新規に付託されました請願2件及び継続審査中の13件について、執行部から状況説明を受け慎重に審査しました結果を申し上げます。

 新規の請願第39号は、「公費による細菌性髄膜炎ワクチン接種を国に要請することなどを求めるもの」であります。

 請願項目1の「ヒブワクチンの公費による定期接種を国に要請すること」については、国において任意接種であるワクチンの安全性確認の情報収集など、定期接種に向けた動きがあることから、「趣旨採択」とし、意見書等による国への要請は行わないこととすべきであること。

 請願項目2の「七価(ななか)ワクチンの早期承認等を国に要請すること」については、承認申請されているワクチンの審査状況を見守る必要があり、「継続審査」とすべきであること。

 請願項目3の「自治体での公費助成」については、公費助成の実施は各市町村の考え方によること、また、県独自の助成制度は、国における安全性等の確認結果をもとに判断する必要があり、「継続審査」とすべきであること。

 請願項目4の「乳幼児世帯への周知徹底」については、県内の小児科医などで既に周知がなされており、「趣旨採択」とすべきであること。

 新規の請願第39号については、以上のような審査結果でありました。

 

 同じく、新規の請願第40号は、「現行保育制度の堅持・拡充と子育て支援予算の大幅増額を求める意見書を国へ提出するよう求めるもの」であります。

 「現行保育制度の堅持・拡充」については、「保育制度改革に関する意見書」を3月12日、国に提出し、先月の重点要望においても同じ趣旨の要望を行っております。また、「子育て支援予算の大幅増額」についても、子育て家庭の経済的負担の軽減策などを重点要望の項目としていることから、本請願は「趣旨採択」とし、意見書の提出は行わないこととすべきとの審査結果でありました。

 

 次に、継続審査中の請願13件は、いずれも結論に至る状況にないことから、引き続き「継続審査」とすべきとの審査結果でありました。

 

 次に、報告事項など所管事項調査に関連したものについて申し上げます。

 執行部から、国の経済対策として3100億円の予算措置がなされ、県では、この予算を活用して、救急医療の確保、医師等の確保など地域医療の課題解決を図るため「地域医療再生計画」を秋までに策定していく、との説明がありました。

 委員から、この計画の中で、医師の初期臨床研修制度の見直しはなされるのか、経営状況が厳しい公立病院の統廃合等を検討していくのか、また、ドクターヘリを取り込んでいくのか、との質問がありました。

 これに対し、執行部から、この計画は現行の制度を前提に、地域で必要な医療確保の方策を独自に計画化するものであること。

公立病院については、ネットワーク化等により医療圏域ごとに十分な連携を図っていく考え方であり、再編や統廃合の想定はしていないこと。

また、ドクターヘリについては、現場救急、患者の転院搬送、医師等スタッフ搬送の3つの活用策を中心に検討するとともに、その対応に必要な基盤整備を計画に盛り込むことも考えていきたい、との回答がありました。

 

 執行部から、来年春の新規学卒者に対する求人状況について報告があり、特に高校生に対しては、県内企業1000社の採用計画が前年同期に比べて36%にとどまっており、企業への要請活動を展開していきたい、との説明がありました。

 委員から、高校生の就職にあたっては、採用した企業が実施する研修を支援することで求人が増えるのではないか。特に県内の中小企業に向けて、「技能者」に養成するための研修経費を助成する方策を検討してほしい、との意見がありました。

 

 最後に、文教厚生委員会では、調査テーマを「島根県の地域医療について」とし、喫緊の課題である医師・看護職員の確保、離島・中山間地域の医療提供体制など、地域医療の現状把握や地域が一体となって医療を支える機運の醸成等について、調査を行っていくこととしました。

 

 以上、文教厚生委員会における審査の概要等を申し述べ、委員長報告といたします。

 

 


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