建設環境委員長報告平成２０年９月定例会

　建設環境委員長報告をいたします。

　建設環境委員会に付託されました議案の審査結果等について報告いたします。

　今定例会において建設環境委員会に付託されました議案は、予算案８件、条例案１件及び一般事件案２件であります。

　これらの議案について、執行部に説明を求め、慎重に審査いたしました結果、条例案第１２１号議案、一般事件案第１２２号議案及び第１２６号議案については、賛成多数により、その他は全会一致をもって、原案どおり可決すべきとの審査結果でありました。

　全会一致とならなかった議案のうち条例案第１２１号議案「島根県営住宅条例の一部を改正する条例」についてであります。

　本条例案は、公営住宅法施行令の一部を改正する政令の施行に伴い県営住宅の家賃の負担が増加する者に対する激変緩和措置を講ずること、また、県営住宅等の管理方法を見直すこと等について、所要の改正を行うものであります。

　委員からは、公営住宅を福祉政策のひとつとして位置づけるなら、プライバシーの保護も含めて自治体が直接管理運営すべきであるとの意見がありました。

　執行部からは、今回、県営住宅の管理方法を見直し管理代行制度を導入することは、公的賃貸住宅の一元管理により県民サービスの向上が図られること、公営住宅の特性に適した管理方法であり、きめ細かな対応が可能となることなどの説明がありました。

　また、一般事件案第１２２号議案「県が行う建設事業に対する市町村の負担について」であります。

　本議案は、県の行う平成２０年度建設事業に要する経費の一部負担を関係市町村に求めようとするものであります。

　委員からは、砂防事業など災害関係については、県の責任ですべきものであること、街路事業１種など広域的なもの、不特定多数が利益を享受するものについて特定市町村に負担を求めるべきではないとの意見がありました。

　執行部からは、関係市町村に事業費の一部負担を求めることは、地方財政法等の規定に基づいて行われているものであり、議案の提出にあたっては、既に該当市町村から同意を得ていること。また、今回、市町村からは、制度改正等について意見・要望の提出がなかったとの説明がありました。

　次に、知事出席の所管事項調査について申し上げます。

　本委員会は、知事に出席を求め、道路行政を巡る諸問題、建設業を取り巻く状況について所管事項調査を行いました。

　知事からは、道路は島根の活力ある地域づくりに大きな役割を担っており、遅れている本県の道路整備が、新たに作成される中期計画のもとで確実に進むことを期待し、それに向けて活動を行っていく。また、建設業については、産業としてだけでなく、除雪や災害復旧など地域の安全・安心にかかわる役割を担っており、そういう点に配慮し、公共事業の事業量確保や新分野への進出などの支援に取り組んでいく考えが示されました。

　知事と委員との間では、道路特定財源の一般財源化、道路財源の配分、民間投資の刺激策、公共事業縮減に伴う地域間格差、工事発注の平準化などについて、互いに率直で忌憚のない意見交換を行いました。

　今後も、議会と執行部が一体となり、地方の道路整備の必要性を訴え、道路財源の確保に取り組んでまいります。

　最後に、本委員会では、昨年から「環境問題解決に向けた協働の推進」をテーマとして調査活動を実施してまいりました。その結果を、「地球環境問題解決のための協働の推進について」と題した提言書にまとめ、本日、知事に提出することにしております。

　詳細は、お手元にお配りしております提言書をご覧いただきたいと思いますが、その要点を述べさせていただきます。

　地球温暖化対策が洞爺湖サミットの主要議題になるなど、地球環境問題はますます重要な課題となってきております。私どもは、我が島根において地球環境問題を解決する鍵は協働であると仮定し、現地調査、参考人からの聞き取り、アンケート調査などを行ってまいりました。

　地球環境問題の解決のためには、「協働」を進めることが欠かせないという認識のもと、一つには地球温暖化対策と同時にエネルギー対策・食糧確保対策にも取り組むこと、二つには各地域における将来像を設定し、それに向けて何をすべきか話し合い、一人一人の意識改革と共に問題意識を共有する取り組みを進めることが重要であります。

　県当局にはこれらを実現するため、今後、県下各地で設置される予定の市町村地球温暖化対策協議会への支援や、組織・事業の見直し、職員の協働への参加などを求め、今後の施策展開において留意いただくことを望むものであります。

　最後に、提言作成にあたって貴重な御意見・御指導をいただいた皆様に感謝申し上げます。

　以上、建設環境委員会における審査及び調査の概要を申し述べまして、委員長報告といたします。