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知事提案理由説明

 

平成18年2月23知事施政方針及び知事提出議案提案理由の説明

 

〇知事(澄田信義第407回島根県議会の開会に当たり、諸議案の説明等に先立ちまして一言申し上げます。

 今月7日、秋篠宮妃紀子様の御懐妊という大変うれしいニュースがありました。県民を代表して心からお喜び申し上げ、出産の御無事をお祈りしたいと思います。

 昨年12月からの大雪により、全国各地で大きな被害が発生しました。本県でも飯南町で除雪中の高齢者お2人が亡くなられたのを初め、重軽傷者や住宅被害、さらには農作物や農業用施設などの被害が県内各地にわたっています。お亡くなりになられた方の御冥福をお祈りするとともに、御遺族の皆様並びに被災された県民の方々に心からお見舞いを申し上げます。県としては、これまで幹線道路の除雪を中心に対策を行ってきましたが、今後は農業用施設の復旧等について市町村とも協力しながらできる限りの対策を講じていきたいと考えています。

 いよいよ本年は、5期目県政の締めくくりの年となります。県政運営の基本的な考え方を述べるに当たり、県政を取り巻く諸情勢について申し述べます。

 昨年実施された国勢調査によれば、我が国の人口増加率は、この5年間で0.7%と戦後最低の伸びとなりました。また、昨年12月に厚生労働省が発表した人口動態統計によれば、平成17年は、統計が始まって以来初めて日本全体で出生数が死亡数より少ない、いわゆる自然減に転じました。人口減少が予想以上のスピードで進み、我が国全体が人口減少・少子高齢社会に足を踏み入れるという、いまだかつて経験したことのない時代を迎えることになります。

 本県の人口も、この5年間でマイナス2.5%、約2万人が減少するなど、人口減少、少子高齢化が全国に先んじて進行しています。しかしながら、私は、本県がこうした状況のもと、経験を積み重ねてきた優位性を生かして、島根から日本の未来を考えるという視点に立って全国のモデルとなるような新たな社会システムづくりに取り組んでいきたいと考えています。

 先月召集された通常国会冒頭において、小泉総理大臣は、改革の続行を掲げ、歳出・歳入を一体とした財政構造改革の方向を揺るぎないものとする旨表明されました。また、竹中総務大臣設置の地方分権21世紀ビジョン懇談会が本年6月の骨太の方針をにらんで、自治体の破綻・再建法制の導入や地方交付税の抜本的な見直しの議論を開始するなど、地方財政を取り巻く情勢は一段と厳しさを増していくことが懸念されます。

 国と地方を通じた巨額の公債残高などを考慮すれば、引き続き財政構造改革を進め、危機的な状況にある財政を立て直す必要がありますが、改革の名のもとに地方にのみ負担を強いることは許されません。昨年11月の政府・与党合意により全体像が決定した三位一体の改革は、3兆円というかつてない規模の税源移譲の実現という点では評価できるものの、その対象となった国庫補助負担金改革の大半が地方の自由度の向上に何ら寄与しない国庫負担率の引き下げで占められるなど、新の地方分権改革の名に値するとは言いがたいものとなりました。

 こうした流れの中で、本年7月には本県で全国知事会議が開催されます。今回の会議は、第2期改革を含む今後の地方分権改革のあり方について、知事会が第1期改革の検証や骨太の方針の決定等を踏まえて、どのようなスタンスで取り組んでいくかが最大の焦点となります。私は、第2期改革は、地方の自由度を高め真に地方の自主・自立につながるような量より質の改革でなければならないと考えています。そして本県のように財政基盤が脆弱で税源移譲後も地方税の伸びが期待できない地方団体にあっても、地方分権の理念に沿って必要な住民サービスを支障なく提供できるような改革でなければなりません。

 また、これからの日本を考えると、さまざまな歴史文化や豊かな自然環境等を有する地方と、人口集積が進み利便性の高い都市がそれぞれの特性を生かしながら共生し、持続的に発展できる社会を実現することこそが国として進むべき道であると確信しています。そのためにも、地方団体間の財政力格差を是正する地方交付税制度がその機能を十分に発揮することが極めて重要であり、島根の会議ではこの点を強く主張していきたいと考えています。

私は、5期目の県政を担うに当たり、本県の目指すべき将来像を「自立的に発展できる快適で活力のある島根」として掲げ、豊かな地域資源とこれまでに整備した各種基盤や諸施策の成果を最大限生かすよう全力を挙げて取り組んできました。その際に、私が県政運営の基本姿勢として最も重視したのは、自立、協働、スピードの3点であります。地域の現状を的確に把握し、みずから判断し、みずから責任をとる、そうした島根の自立に向けた気概と覚悟を持って、県民、NPO、企業などさまざまな主体の意見や発想を県政に生かす柔軟な姿勢が必要です。そしてあらゆることにスピード感を持って取り組んでいくことが大切であると考えています。今後とも現場主義に徹し、自立、協働、スピードを旨として県政のかじ取りに邁進します。

さて、自立的で持続可能な県政運営を実現するためには、行政のむだを排し、効率的で効果的な行政活動を可能にする行財政システムの構築が不可欠です。中期財政改革基本方針に基づく財政改革の仕上げとなる平成18年度の当初予算においては、歳入歳出両面での見直しにより、目標としていた100億円程度の収支改善をおおむね達成できる見込みが立ちました。この結果、平成17年度までの取り組みと合わせ、基本方針に掲げた300億円程度の収支不足の圧縮を実現する見通しがついたところです。引き続き執行段階における経費節減などに徹底して取り組み、確実な目標達成に努めます。

また、行政の一層のスリム化・効率化を図る観点から、1,000人の定員削減や地方機関を含む組織の見直しなど、行政内部の徹底した改革を引き続き強力に進めていかなければなりません。このたび平成17年度から向こう5年間の行政改革の取り組みについて、県行政に関する集中改革プランを策定し、国の指針で示された4.6%以上の純減を大きく上回る8.5%の定員削減を掲げました。今後は、このプランの目標達成に向け着実に取り組んでいきます。

このような行財政全般にわたる県政改革により、財政規模や職員定員は全体として縮小していかざるを得ませんが、そうした中にあっても緊急かつ重要な行政課題に対しては迅速に対応する必要があります。こうした観点に立って、平成18年度においては四つの対策に取り組みます。

一つ目は、地域が持続的に発展していくための原動力となり、地域経済の活性化や就業機会の増加をもたらす産業・雇用対策です。

最近の我が国経済の動向は、大都市地域を中心に好調な企業業績が所得・雇用面や個人消費にもプラスの影響を与え、景気は緩やかな回復基調が続いています。一方、本県経済の動向は、公共投資や住宅投資の減少傾向に加え、個人消費が弱目の動きを続けているものの、生産活動はこのところ堅調に推移し、雇用情勢も改善の兆しが見られるなど一部に持ち直しの動きがある状況となっています。原油の高騰という不安定要因はあるものの、景気回復の波に乗り本県経済が浮揚するよう、また民需主体の産業構造へと着実に転換が図られるようスピード感を持って産業振興施策を展開していく必要があります。

こうした状況の中、産・学・官の連携のもとに新技術の開発を進めてきた新産業創出プロジェクトにおいて、プラズマ技術を活用した金属の表面処理技術を実用化する日立金属表面改質センターの立地や、免疫力を高める効果があると言われているβ-グルカンの製造・販売を行うアルプロン製薬の設立など新しい芽が出てきています。今後ともこうした芽を大きく育て、国内外で認められる島根発の新技術・新製品として大きな成果を生み出すよう全力で取り組みます。

都会地の景気回復の波及効果を本県にもたらす意味においても観光の振興は重要なテーマです。平成18年度においては、4月から5月にかけて鳥取県やJR各社と共同で、山陰の魅力を全国に情報発信するJRデスティネーションキャンペーンに取り組み、集中的に観光開発や宣伝・販売を進め、誘客を図っていきます。

農業の振興については、担い手の育成が急務です。平成19年度から新たな経営安定対策が実施されることに伴い、既存の集落営農組織ができるだけ多くこの対策の対象となるよう経営規模の拡大や法人化に向けた取り組みを加速します。加えて集落営農への組織化が難しい地域においては、JAが営農を受託する新たな仕組みづくりを支援するなど、関係機関や団体が一体となって取り組んでいきます。

雇用対策については、公共投資の縮減などが続く中で、地域の資源を活用して独自の雇用創出に取り組む市町村等に対し総合的な支援を行うこととしています。

また、全国的な人口減少や団塊世代の大量退職などを背景とした大都市圏の求人拡大により、今後地方の人材確保が一層困難になることも懸念されます。そのため、県による独自の無料職業紹介や人材紹介企業と提携した県内では得がたい人材のあっせんなど、産業界が求める人材の確保に努めます。

 二つ目は、県民が安心して暮らしていくための安全・安心対策です。

 全国的に健康不安が広がっているアスベスト問題については、国において新たな石綿健康被害救済制度の創設や既存施設のアスベスト除去に対する支援など対策の強化が図られています。県としても、こうした国の動きに迅速かつ的確に対応するとともに、県民の多様な不安を解消するため総合相談窓口を開設し、フリーダイヤルを設置するなど機能の強化に努めます。

 また、最近幼い子供や高齢者をねらった悪質な事件が全国各地で多数発生しています。子供・高齢者を犯罪被害から守るための対策が急務であり、特に登下校時などにおける子供の安全確保については、学校や関係自治体と連携して設置する子ども安全センターを核として取り組みの強化を図ります。

 昨年急増した交通死亡事故についても、関係機関等と協力して高齢者対策を初め事故の抑止に取り組みます。

 三つ目は、新しい時代を切り開く人づくりや、中山間地域や離島の医師を確保するための人材育成・確保対策です。

 昨今、家庭学習の不足などによる本県の児童生徒の学力低下が指摘されています。このため、小中学生の全県的学力調査や教員の授業力向上などの具体的な対策に小・中・高一体となって取り組みます。また、本年度から開始した小中学校におけるふるさと教育は、特に地域の教育力を生かし、本県のすばらしい自然、歴史、文化や産業等を素材にした心の教育として成果を上げつつあります。この取り組みを引き続き積極的に推進し、ふるさとへの愛着を深め心豊かでたくましい、あすの島根を担う人材の育成を図っていきます。

 近年ますます深刻化している医師不足については、昨年末本県の働きかけにより、全国知事会として国に対して抜本的な対策を講ずるよう強く要請しました。医師の地域偏在を初め、医師不足は全国的な課題となっており、国においても全国知事会の要望等を踏まえ、さらなる対策の検討が進められています。

 本県としても、独自に医師確保緊急対策事業を創設し、医師確保チームによる本県出身医師等への積極的な働きかけや、島根大学との連携による医師の養成・確保のための新たな仕組みづくりに取り組むこととしています。これらの取り組みにより、1人でも多くの医師が県内で働いてもらえるよう全力を尽くします。

 四つ目は、本県のすぐれた自然景観や文化財を有効に活用し、本県の魅力向上を図る自然環境等の保全・活用対策です。

 宍道湖・中海のラムサール条約登録を受け、平成18年度はその基本理念である賢明な利用の実現に向けたスタートの年となります。豊かな自然環境を保全しつつ、その資源を有効に利活用するという条約の精神が広く県民に理解されるよう広報活動に一層努めるとともに、鳥取県、関係市町、NPO等とも連携した両湖の一斉清掃などの取り組みも積極的に推進していきます。

 石見銀山遺跡の世界遺産登録については、このほど国から提出された推薦書がユネスコで正式に受理されました。これにより、石見銀山遺跡はいよいよ国際舞台で審議されることとなります。ことしの秋には、ユネスコからの依頼を受けたイコモス(国際記念物遺跡会議)により、評価審査の一環として現地調査が行われる予定です。このイコモスの評価審査は、登録に向け重要なかぎを握ると言われており、対応に万全を期します。今後は増加が予想される来訪者の受入対策を初め、遺跡の価値や魅力の情報発信などの諸課題に対して、地元大田市と一緒になって取り組んでいきます。

 こうした宍道湖・中海のラムサール条約登録や石見銀山の世界遺産登録などを大きな契機として、私がかねてから提唱している全県フィールドミュージアム構想をより一層推進していきます。

 続いて、そのほかの重要施策について説明いたします。

 市町村合併の進展等を背景として、県の広域化や道州制についての議論が活発に行われるようになりました。私は、道州制については、我が国の国家構造そのもののあり方にかかわる大きな問題であるだけに、地方分権の確立という視点を見失うことなく、あらゆる角度から根本的な議論を尽くした上で、全国一斉に導入すべきであると考えています。一方で、将来の道州制を含めた県の広域化も視野に入れつつ、隣県等との信頼関係を深め、住民意識の一体感を醸成する取り組みを連携・共同して行っていくことも大切です。とりわけ、県境を挟んで多くの共通する課題を抱えている鳥取県とは、今こそ信頼と共助のもと緊密な連携が必要であると考えています。

 去る1月31日に開催した両県知事会議では、山陰両県の魅力向上と活性化に向けて、片山知事と腹蔵なく話し合いを行い、観光や歴史・文化などの分野における共同の取り組みについて合意を得ることができました。また、議事に先立ち平成16年末の知事会談を踏まえ協議を進めてきた中海の水質改善等に関する確認書と中海及び境水道における漁業に関する協定書の締結を行い、この圏域での両県の連携協力に着実な一歩を踏み出すことができました。今後とも鳥取県はもとより、広島県や山口県などとも連携を強化し、高速道路の整備や観光及び産業の振興などさまざまな分野で広域的な取り組みを進めていきたいと考えています。

 障害者福祉については、本年4月から障害者自立支援法に基づく新たな制度が始まります。制度の円滑な実施に万全を期すとともに、本県が独自に実施する特別支援事業の一層の充実を図り、障害者の自立支援を強力に推進します。

 なお、関係者から強い要望があった発達障害者支援センターについては、自閉症などの発達障害のある方や、その家族に対する総合的な支援を行う拠点として、県の東部と西部に各1カ所設置し、この4月から専門的な相談を開始します。

あすの島根を担う人材を育成し、魅力ある文化を後世に伝えるためには、教育・文化の振興が重要です。

大学改革については、公立大学法人島根県立大学の設立を平成19年4月に実現できるよう鋭意準備を進めています。先月には、理事長予定者や外部有識者などによる法人設立準備委員会を設置しました。今後この委員会において組織や運営方法など具体的検討を行います。

本年4月、県立益田翔陽高校が複数の専門学科を有する県内初の複合型専門高校として開校します。これまでの益田産業高校と益田工業高校の輝かしい伝統を受け継ぎ、勤労の精神と確かな知識と技術を身につけた地域社会と産業の発展に貢献できる人材を育成します。

県立古代出雲歴史博物館については、開館日を平成19年3月10日とすることに決定しました。開館記念として「神宝にみる日本の神々と祭り」をテーマとした特別展を開催します。この特別展は、日本各地の著名な神社に伝来する神宝類の数々を一堂に展示するという県立施設としてはこれまでに類例のないものであり、神々のふるさとしまねでの開催にふさわしい展示にしたいと考えています。

それでは、次に平成18年度当初予算案について説明いたします。

平成18年度当初予算の編成に当たっては、職員定員の削減等による人件費総額の抑制や、公共事業費を初めとする各種事業費の削減、事務事業の抜本的見直しなど歳出全般にわたる見直しを徹底し、財政改革を強力に推進しました。

一方、児童生徒の学力向上や医師確保など、社会情勢の変化等に伴い緊急な対応を要する課題については、厳しい財政状況の中にあっても重点的に取り組みました。

こうした中で、中期財政改革基本方針で定めた歳出削減や財源確保の取り組みに加え、昨年末の地方財政対策による地方交付税等の確保が見込まれることなどから、収支改善目標はおおむね達成される見通しです。これにより最終的な財源不足額は107億円となり、減債基金の取り崩しにより対応しました。この結果、平成18年度の一般会計の予算規模は5,232億円余となり、前年度当初予算額と比較しますと5.5%の減となっています。

以上、平成18年度当初予算案の大要について申し上げましたが、計上いたしました事業の主なもの並びに諸議案につきましては、後ほど総務部長に説明させることにいたします。

最後に2点報告いたします。

昨日、2月22日に条例制定後初めての竹島の日を迎え、県議会、竹島・北方領土返還要求運動島根県民会議とともに、竹島の日の集いなどを開催しました。竹島の日制定の意義を改めて確認し、これからの取り組みについて決意を新たにしたところです。今後、竹島問題研究会における研究成果を生かしながら啓発活動を広範に展開するなど、竹島問題に対する国民の関心が一層高まるよう積極的に取り組んでいきます。

また、高速道路の整備については、2月7日に開催された国土開発幹線自動車道建設会議において、山陰自動車道宍道-出雲間が本県の要望どおり引き続き西日本高速道路株式会社により実施されることとなりました。今後とも沿線市町など関係団体とともに宍道-斐川間については平成18年度中の、斐川-出雲間については平成20年代初頭の開通となるよう全力で取り組みます。

ことし1年は、県政改革の勝負の年であります。断じて行えば鬼神もこれを避くと申します。強い決意で思い切って実行していけば、どんなものにも妨げられることはないというこの言葉を私は胸に刻み、ことしの県政運営に全力を尽くしたいと思います。たとえ本県を取り巻く状況がいかに厳しくとも、本県の将来像をしっかりと見据え、全身全霊をささげていく所存ですので、県民並びに議員各位の御理解と御協力を心よりお願い申し上げます。

 

〇総務部長(【濱】田省司提案いたしました諸議案について御説明申し上げます。

今回提案いたしました案件は、予算案16件、条例案32件、一般事件案5件の計53件であります。

第1号議案は、平成18年度一般会計予算案であります。本県では、県財政の構造的な収支不足を平成18年度までに300億円程度圧縮し、財政再建団体への転落を回避するため、平成16年10月に中期財政改革基本方針を策定し、平成17年度当初予算編成では200億円程度の収支改善を達成しました。

中期財政改革の仕上げの年度である平成18年度当初予算編成においては、基本方針に掲げる収支改善目標を達成するために、さらに100億円程度の収支改善に取り組むこととし、公共事業費は、補助・単独事業費を合わせて平成16年度対比でマイナス30%、一般施策経費は平成16年度対比でマイナス50%など、厳しいマイナスシーリングを設定するとともに、歳出全般にわたる聖域なき見直しと施策の選択と集中をこれまで以上に徹底いたしました。その一方で、産業振興や少子化対策など地域の自立や活性化に資する重点プロジェクト事業、児童生徒の学力向上や医師確保など、社会情勢の変化などに伴い緊急な対応を要する課題については予算の重点配分を行いました。

これらの結果、100億円程度の収支改善目標が達成される見通しとなり、最終的な財源不足額は107億円まで縮小するとともに、平成18年度の一般会計の予算規模は5,232億6,000万円余、前年度当初予算額と比較して5.5%の減となりました。

次に歳出予算の主な事業について、総合計画の体系に沿って新規事業を中心に御説明申し上げます。

第1に「活力と働きの場を生み出す産業が力強く展開する島根の国造り」につきましては、UIターン促進策を強化する島根暮らしUIターン支援事業3,800万円余、ITの活用による地域課題解決のための先導的・モデル的取り組みを支援するITを活用した地域産業の創出・高度化支援事業3,000万円、平成19年度から実施される国の新たな農業経営安定対策の対象となる経営体の育成を支援するしまね型経営体育成事業1億2,000万円余、森林組合間の連携や企業的な経営展開を支援する森林ビジネスコラボレーション推進事業1,100万円、プラズマ利用技術開発プロジェクトに係る有限責任事業組合(LLP)への出資金100万円、燃料価格の高騰及びエチゼンクラゲの大量発生に伴う漁業経営への影響を緩和するための長期運転資金漁業経営緊急支援資金貸付金3億1,400万円余、地域からの提案に基づき雇用創造を図るしまね地域提案型雇用創造促進事業3,000万円、人材紹介企業と連携し産業人材の確保を図る島根産業人材確保推進事業2,300万円余、浜田及び益田高等技術校の再編整備に係る訓練科の検討などを行う高等技術校再編整備事業1,100万円余、厳しい雇用情勢に対応するため、ふるさと雇用創出基金を活用した短期雇用対策を実施する離職者緊急雇用対策事業5億7,300万円余、公共事業の削減に伴い建設産業に対する支援策を拡充する建設産業経営革新促進事業8,000万円余などを計上いたしております。

第2に「それぞれの地域で安全・安心な生活ができる島根の国造り」につきましては、吹きつけアスベストなどの含有が判明した県有施設について計画的に処理工事を実施する県有施設アスベスト対策事業1億6,400万円余、離島・中山間地域及び産科・小児科などの特定診療科における深刻な医師不足に対応する医師確保緊急対策事業7,300万円余、周産期医療提供体制を充実強化するお産あんしんネットワーク事業7,300万円余、自閉症等発達障害者とその家族に対して総合的な支援を行う発達障害者支援体制整備事業5,000万円余、障害者の就労支援をきめ細かく行う障害者就労支援センター事業1,600万円余、豪雨災害時における住民の迅速な避難を図る豪雨災害緊急対応事業1億6,700万円余、警察署再編による著しい狭隘化及び建物の老朽化のため、大田警察署と雲南警察署を整備する警察署再編事業5,100万円余、本県に必要なタミフル備蓄量を確保する抗インフルエンザウイルス薬備蓄購入費1億1,800万円余などを計上いたしております。

第3に「豊かな環境のもとに快適な生活ができる島根の国造り」につきましては、県民の利便性向上を図るため、ATMやインターネットバンキングによる県税、施設使用料などの納付ができるシステムを構築する電子決済システム整備事業6,200万円余及び県税電子申告システム整備事業6,600万円余、自然・歴史・文化などの地域資源を積極的に情報発信する全県フィールドミュージアム推進事業1,500万円、宍道湖・中海の貴重な自然環境を保全・活用し、圏域の振興を図るラムサール条約湿地の賢明利用推進事業6,000万円、産業廃棄物最終処分場クリーンパークいずも第2期工事に対して助成する公共関与最終処分場確保対策事業1億9,500万円余、風土記の丘資料館の老朽化に伴いリニューアル改修などを行う古代文化の郷"出雲"整備事業2億2,200万円余、平成19年7月に予定される世界遺産登録に対応した石見銀山遺跡来訪者受入・情報発信事業5,900万円余、平成19年3月にオープンする古代出雲歴史博物館事業15億4,000万円余などを計上いたしております。

第4に「新しい時代を切り拓く人材を育む島根の国造り」につきましては、大田高校屋内運動場などの整備を行う高等学校校舎等整備事業5億300万円余、平成19年4月の県立3大学の統合・法人化に向けた大学改革推進事業1億2,800万円、多様な学習ニーズに対応した新たなタイプの高校を設置する定時制・通信制課程高等学校東部独立校(仮称)整備事業2億4,800万円余、益田産業高校と益田工業高校を統合して設置する益田翔陽高校整備事業7億2,500万円余、県内児童生徒の学力の実態を把握し、小・中・高校が一体となって取り組む学力向上対策事業9,100万円、平成19年に本県で開催される第31回全国高等学校総合文化祭島根大会準備費7,300万円余などを計上いたしております。

第5に「産業・交流・連携を支える島根の国造り」につきましては、公共事業費のうち、補助公共事業費533億5,300万円余、県単独公共事業費293億3,800万円余など総額で1,111億7,300万円余、対前年度当初比13.3%の減となっております。また、本年7月の新隠岐空港開港・ジェット機就航に向けて利用促進対策を実施する新隠岐空港路線開設事業6,800万円などを計上いたしております。

そのほか、本年7月に松江市で開催される全国知事会議開催事業720万円、竹島の日を定める条例の趣旨を踏まえ、問題解決に向けた国民世論の喚起を促す竹島領土権確立対策事業1,100万円余などを計上いたしております。

これら歳出予算の財源といたしましては、県税596億400万円余、地方交付税1,795億6,500万円、国庫支出金805億4,500万円余、県債712億4,100万円など計上するとともに、不足する財源については減債基金繰入金106億6,600万円余により措置することといたしております。

次に、第2号議案から第11号議案までの各議案は、公債管理特別会計ほか9件の平成18年度特別会計予算案、第12号議案から第16号議案までの各議案は、病院事業会計ほか4件の平成18年度企業会計予算案であり、それぞれの業務運営及び建設事業に要する経費を計上いたしております。

次に、第17号議案から第48号議案までの各議案は、条例案であります。

第17号議案は、市町村からの要請に基づき権限移譲を行うもの、第18号議案は、個人情報保護条例の対象機関に公安委員会及び警察本部長が加わることに対応した事務処理規定を整備するもの、第19号議案は、県立大学大学院における学位論文審査手数料の額を定めるもの、第20号議案は、職員の私傷病による休暇の期間及び休職者に対する給与について所要の改正を行うもの、第21号議案は、職員の退職手当について在職期間中の公務への貢献度の反映、支給率の改定などを行うため所要の改正を行うものであります。

第22号議案は、組織改正などに伴い規定を整理するもの、第23号議案は、職員を派遣することができる公益法人などに財団法人島根県環境管理センターを追加するもの、第24号議案は、経営評価の対象法人から財団法人島根県育英会及び財団法人島根県並河萬里写真財団を削除するもの、第25号議案は、障害者自立支援法等の施行に伴い規定を整理するものであります。

第26号議案は、介護保険法の改正などに伴い手数料の額を改定するもの、第27号議案は、構造改革特別区域における狩猟税の税率の特例などについて規定を設けるもの、第28号議案は、住民基本台帳ネットワークシステムを使用した本人確認情報の利用または提供に係る事務について規定を整備するもの、第29号議案は、用品調達等特別会計を廃止するもの、第30号議案は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴い関係条例の改正を行うものであります。

第31号議案は、警察官の定数を改めるもの、第32号議案は、医学生地域医療奨学金などの返還を免除する規定を整備するもの、第33号議案は、女性相談センターの設置場所を松江市とし、大田市に西部分室を設置するもの、第34号議案は、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の改正に伴い所要の改正を行うもの、第35号議案は、障害者自立支援法の施行に伴い障害者介護給付費等不服審査会を設置するもの、第36号議案は、動物愛護の精神の高揚及び動物よる人に対する侵害の防止を図るため必要な事項を定めるものであります。

第37号議案は、県立高校及び市町村立学校の教育職員などの定数を改めるもの、第38号議案は、生涯学習の振興のための施策の推進体制等の整備に関する法律の改正に伴い規定を整理するもの、第39号議案は、現在しまねの味開発指導センターにおいて徴収している食品に関する分析等に係る手数料を引き続き農業技術センターにおいて徴収するため所要の改正を行うもの、第40号議案は、花ふれあい公園に年間パスポート制度を導入するもの、第41号議案は、家畜伝染病予防法の改正に伴い規定を整理するものであります。

第42号議案は、産業技術センターなどにおける使用料及び手数料について、県外者からは県内者の2倍の金額を徴収しようとするもの、第43号議案は、特定非営利活動促進法に基づく手続などをオンラインで実施する場合に必要な事項について所要の改正を行うもの、第44号議案は、西部県民センター県央事務所の施設などの維持管理を男女共同参画センターの指定管理者に行わせるため所要の改正を行うものであります。

第45号議案は、採石業者が講ずべき採取跡の措置などについて必要な事項を定めるもの、第46号議案は、隠岐空港を使用する場合の航空機の離着陸時における重量制限の改正を行うもの、第47号議案は、隠岐郡に所在する県営住宅への管理代行制度の導入などのため所要の改正を行うもの、第48号議案は、志津見発電所及び江津高野山風力発電所を設置するものであります。

次に、一般事件案についてであります。

第49号議案は、包括外部監査契約の締結に関するもの、第50号議案は、全国自治宝くじ事務協議会への堺市の加入及びこれに伴う協議会規約の一部変更に関するものであります。

第51号議案は、ベリーズ船籍貨物船重油流出事故災害に係る和解について、第52号議案は、宍道湖流域下水道の維持管理に要する費用の市町負担について、第53号議案は、契約の締結について、それぞれ議決を得ようとするものであります。

以上、提案いたしました予算案及び諸議案について御説明申し上げました。何とぞよろしくお願い申し上げます。

 


お問い合わせ先

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