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議員定数等調査特別委員長報告平成18年2月定例会

 

 議員定数等調査特別委員長報告をいたします。
本委員会は、「島根県議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区において選挙すべき議員の数に関する審査及び調査並びにこれらに関連する請願及び陳情の審査」を付託事件として、昨年9月定例会において設置されました。
来年4月に予定される次の一般選挙に向けて、県民への周知期間等を勘案すれば、今定例会までには結論を得る必要があると考え、本委員会では、これまで8回にわたり付託事件について精力的に調査を行ってきたところであり、以下その結果及び経過について報告いたします。

最初に、調査の結果について申し上げます。
議員の定数については、前回の一般選挙からそれまでの41人から2人を削減し、現行の39人としているところですが、今回、その39人からさらに2人を削減し、37人とすることを決定いたしました。
なお、この議員定数は、地方自治法第90条第2項第1号に定める上限、いわゆる法定上限数の40人と比較した場合、3人、7.5%の削減となります。
次に、選挙区については、公職選挙法、以下「法」と略させていただきますが、第15条第1項及び第2項の規定に基づき、「市町村合併後の郡市の区域による。ただし、飯石郡は雲南市に合区する」との結論に至りました。これにより、選挙区は、現行の22選挙区から14選挙区となります。
また、各選挙区において選挙すべき議員の数については、法第15条第8項本文の規定により、昨年12月に官報告示された平成17年国勢調査結果の人口に比例して配分することとし、松江市10人、浜田市3人、出雲市7人、益田市3人、大田市2人、安来市2人、江津市1人、雲南市・飯石郡3人、八束郡1人、仁多郡1人、簸川郡1人、邑智郡1人、鹿足郡1人、隠岐郡1人とすることを決定しました。

続きまして、調査の経過について申し上げます。
先ず、議員の定数についてであります。
議員の定数については、厳しい環境の中で行財政改革に取り組んでいる本県の状況、市町村合併により市町村議会議員等が減少した実態、全国都道府県議会議員の削減状況、さらには中山間地域と都市部、また出雲・石見・隠岐地域のバランスなど様々な観点を踏まえ、地方分権時代における県議会及び県議会議員の役割はいかにあるべきか、そして議員の定数はどうあるべきかを活発に議論し、審議を進めたところであります。
この結果、行財政改革に対する県議会の姿勢を示すためには、議員定数のさらなる削減が必要であるとの認識で一致しました。
しかしながら、具体の削減幅については、「現行の39人から2人を削減すべきである」とする意見と、「4人を削減すべきである」とする意見に分かれ、採決した結果、議員の定数は、現行の39人から2人を削減し、37人とすることを賛成多数で決定いたしました。
多数意見は、「県議会及び県議会議員は、県民や地域の多様な民意を県政や国政に反映させるなどの重要な役割を有しており、地方分権が進展する中で、その責任はより重くなってきている。このため、県議会の機能低下につながる議員定数の大幅な削減には慎重な対応が必要である」との基本的考え方に立ち、具体の定数については、「平成15年4月の一般選挙以降、県の行財政をめぐる環境はさらに厳しくなっており、行財政改革に対する県議会の姿勢を示すためには、前回の2人、4.88%の削減実績を下回らない取り組みが必要であること、全国都道府県議会議員の法定上限数に対する削減率が7.41%であること、などの点を勘案すれば、2人を削減し、37人とすることが適当である」というものでありました。
これに対して、少数意見は、「市町村合併により市町村議会議員は半減しており、また、職員の定員削減などの行財政改革が進められている本県の状況等を考えれば、行財政改革に対する県議会の姿勢をより強く県民にアピールするためには、4人を削減し、35人とすべきである」というものでありました。

次に、選挙区について申し上げます。
選挙区については、平成16年9月定例会における地方分権・行政改革調査特別委員長報告を踏まえ、市町村合併後の郡市の区域とすることを基本としながら、飯石郡の強制合区、また、同報告で今後の検討課題とされた、衆議院議員の小選挙区により分断されることとなった出雲市及び雲南市に係る分区、さらには八束郡の松江市への任意合区の3点について調査を行いました。

 

先ず、飯石郡の強制合区についてであります。
平成17年国勢調査結果によれば、飯石郡の人口が本県の人口を議員定数37人で除した数、いわゆる議員1人当たりの人口の半数に達しない結果となり、これに伴い、飯石郡は、法第15条第2項の規定により、隣接する他の郡市の区域と合わせて選挙区を設けなければならないこととなりました。
飯石郡が隣接する郡市は雲南市など4つになることから、地元の飯南町長を参考人として招請し、合区先について意見を聴取しましたが、その内容は、「国及び県における関係機関の多くが飯石郡と雲南市を同じ所管区域としていること、飯石郡と雲南市は、広域連合や一部事務組合を組織し、広域行政に取り組んでいることなどを理由として、雲南市への合区を要望する」というものでありました。
本委員会では、この飯南町長の意見を踏まえ、法第15条第2項及び第7項の規定に基づき、飯石郡を雲南市に合区することを全会一致で決定いたしました。

次に、八束郡の松江市への任意合区についてであります。
「八束郡は松江市の経済圏域内にあること、また、人口が基本となるにしても、面積がわずか42平方キロメートルの八束郡を単独の選挙区とするよりも、松江市と合わせて選挙区を設けることが合理的である」との意見が出されましたが、それに対して、「これまで本県では法第15条第1項の郡市の区域を選挙区とする原則を尊重し、同条第3項の規定により任意合区した事例はなく、また、市町村合併において東出雲町が単独町制を選択されたこと等も考慮すれば、八束郡を松江市に合区することは適当でない」との意見が出されました。
このため、採決した結果、賛成多数により、八束郡の松江市への合区は行わないことを決定しました。
 
続きまして、衆議院議員の小選挙区により分断されることとなった出雲市及び雲南市に係る分区の取扱いについてであります。
出雲市及び雲南市については、「法第15条第1項の郡市の区域を選挙区とする原則を尊重し、市を分断する選挙区は設けるべきではない」との理由から、同条第5項の規定に基づく分区は行わないことを全会一致で決定しました。
なお、出雲市及び雲南市を分断することとなった衆議院議員の小選挙区の区割りに関しては、「両市が衆議院議員の小選挙区により分断されることとなったのは、市町村合併に懸命に取り組んだ結果であり、選挙権を行使する市民の立場、さらには、市民の民意を県政や国政に反映させるという重要な役割を有している県議会議員の立場を考えれば、合併後の新市の行政区画を踏まえた見直しが早急に行われる必要がある」、また、「全国都道府県議会議長会を通じて見直しを国に働きかける必要があるのではないか」との意見が多くの委員から出されたところであります。

次に、各選挙区において選挙すべき議員の数、いわゆる各選挙区定数についてであります。
各選挙区定数については、法第15条第8項本文の規定により、議員定数37人を各選挙区の平成17年国勢調査結果人口に比例して配分することとし、冒頭に申し上げました14選挙区の各定数を賛成多数で決定したところです。
なお、議員の定数に関し、「4人を削減し、35人とすべきである」と主張された委員からは、「定数を削減する以上、増員する選挙区を設けるべきではない」との少数意見が出されました。

以上、議員定数等調査特別委員会における調査の結果と経過について申し述べましたが、終わりに、県民はもとより、議員にとっては身分に関わる極めて重大な事柄である、この議員定数等の問題に関し、地方分権時代における県議会及び県議会議員としての役割をいかに果たすべきかという大所高所から活発な議論を行い、厳しい決断をしていただいた特別委員の皆様にお礼を申し上げるとともに、議員各位及び県民の皆様の格段の御理解を賜りますようお願い申し上げまして委員長報告とさせていただきます。

 

 


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