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総務委員長報告

 

総務委員長報平成17年9月定例会

 

 総務委員長報告をいたします。

 

今定例会で総務委員会に付託された議案は、知事提出議案9件及び請願1件であります。これら議案等について、審査の結果並びに経過をご報告します。

 

まず、知事提出の議案9件について、審査結果を申し上げます。
「平成17年度島根県一般会計補正予算(第2号)」に係る第154号議案など予算案4件、「日本道路公団の民営化に伴う関係条例の整備に関する条例」に係る第170号議案など条例案5件について、それぞれ、執行部に説明を求め、慎重に審査いたしました結果、いずれの議案についても全会一致をもって「原案のとおり可決」すべきものと決定いたしました。

次に、議案の審査過程の状況について申し上げます。
付託された各議案につきまして、報告すべき質疑は特にございませんでしたが、第154号議案「一般会計補正予算」のうち、総務部関係分の中の「竹島領土権確立対策事業費」に関連して、委員から、「啓発の一環として、啓発用バッヂの作製を検討してはどうか」との意見があり、執行部から、具体的啓発活動を検討する県民会議(竹島・北方領土返還要求運動島根県民会議)に諮りたいとの考えが示されました。
次に、請願の審査結果について申し上げます。
まず、新規に付託された第66号「ゆきとどいた教育をすすめるための請願」9項目のうち、当委員会所管の項目8「私立高校に係る教育条件の向上と父母負担の公私間格差是正のための補助の拡充」についてであります。
この請願は、提出者並びに趣旨が、当委員会において継続審査中の請願第24号及び第47号と同一でありますが、厳しい財政状況の中にあって私学助成に係る支援の具体策については、今後とも検討が必要であることから、第24号、第47号とともに新規の第66号は「継続審査」との結果でありました。
また、継続審査中であった第53号「地域経済の活性化等を求める請願」のうち、公務員賃金の見直しについて十分な労使協議を行うよう、国への意見書提出を求めた項目の2につきましては、人事院勧告で示された国家公務員給与の構造改革が、既に閣議決定済みであることから、「不採択」との結果に至りました。
その他の継続審査中の請願につきましては、いずれも結論に至るだけの状況変化が認められず、さらに「継続して審査を行う」ことといたしました。
以上が、当委員会が付託を受けた議案並びに請願に係る審査の結果と概要であります。
続きまして、執行部からの報告事項のうち、主なもの4項目について申し上げます。
初めに、隠岐島への交通に関する2つの報告についてであります。
地域振興部から、「新隠岐空港の開港」と「隠岐汽船株式会社の経営状況」について報告がありました。
新隠岐空港につきましては、来年7月6日に開港を迎えることとなっておりますが、滑走路を2,000メートルに延長し、電波による航行援助施設の新設を行うなどにより、開港後の就航率を従来より5%高い98%に設定し、夏の2ヶ月間は150席クラスのジェット機就航も予定されております。
委員からは、ジェット機就航に係る県の財政負担の有無について質問があり、執行部から、搭乗率の設定を含め不採算部分の補填を行うかどうかは、これから航空会社と詰めていく予定であること。機材整備については、約1億円を予定していること、など説明がありました。
隠岐汽船の経営状況については、観光ブームの終焉や大型公共事業の終了などにより利用者数が減少する一方、運行船舶に係る燃料費の増加等の要因から、経常収支は平成14年度以降赤字に転じ、今後も厳しい経営状況が見込まれるとのことであります。
隠岐航路は、同島の住民生活にとっても、産業・観光の振興の面でも不可欠な航路であり、執行部として、その維持確保について検討していきたいとの報告がありました。
これについて、委員から、運航ダイヤや投入する船舶数も含め総合的な見直しが必要ではないか。航路維持に係る運営費補助を行うのか。また、航路運航を県が政策的に進めてきた経緯を踏まえれば、経営悪化の責を隠岐汽船のみに負わすことは適当ではない、などの質問・意見が出され、執行部から、会社自らの経営合理化や情報開示が前提としつつ、船舶数のあり方等根本的な部分での議論や飛行機との組み合わせによる新たな観光ルートの開発など増収へ向けた具体策の検討など、県、関係町村、関係機関とともに進めていきたいこと。また、運航経費補助については、それも視野に入れて検討しなければならないとの認識が示されたところです。
次に、同じく地域振興部の報告事項「地上デジタル放送」についてです。
本県におきましては、本年6月、NHK・民放共同のデジタル放送親局の工事に着手されました。来年10月には放送が開始され、松江市及びその周辺から順次県内に拡大される運びとなっており、現行のアナログ放送は6年後の平成23年7月に終了となります。
中継局の整備には多額の費用を要しますが、デジタル化により、高画質・高音質、多チャンネル、データ放送、双方向サービスなどが可能となり、行政分野においても、データ放送による地域情報・行政情報の提供や携帯端末向け放送を使った防災情報の伝達などへの利活用について検討の必要性があるとの報告でありました。
委員からは、現行アナログ放送においても県内に難視聴地域があり、そうした条件不利地域への対応を優先すべきではないか。都市偏重にならないよう配慮を求めたいとの意見・要望があり、これに対し執行部から、中継局の整備は電波の特性上、親局を起点に順次進めざるを得ないものの、「地上デジタル推進全国会議」が本年12月に公表予定の中継局整備計画を注視するとともに、県内におけるケーブルテレビの整備状況など地域の実情を踏まえた中継局整備を放送事業者に求めていきたいとの答弁がありました。
次に、警察本部報告事項の「警察署再編の効果検証」について申し上げます。
効率的な警察官配置と機能強化による県下全体の治安レベル向上を目的に、本年4月、雲南、出雲、大田の3署を中心とした警察署の再編がスタートしたところですが、以降8月までの5ヶ月間における再編効果の検証結果3点について報告を受けました。
1点目は、パトロール体制の強化についてです。
県下全体では、パトカーの警ら時間の増加、通報から現場到着までの時間短縮等の効果が得られた一方で、再編署の中には現場到着時間が延びたところもあり、今後の改善課題の一つであること。
2点目は、留置管理体制の整備による駐在所活動の強化についてです。
警察署の留置管理体制を強化し、交番や駐在所勤務員の留置看守転用時間を抑制したことにより、再編署においても警らや事件事故対応など所外活動時間が増加したこと。
3点目は、捜査体制の強化についてです。
西部機動捜査隊の増強、大規模署への捜査統括官の配置、統合署への捜査員の集中配置など捜査体制を強化した結果、県下全体でも再編署においても、刑法犯の認知件数の減少、検挙件数の増加、検挙率の向上が見られていること。
以上のように、再編からの5ヶ月間においては一定の効果が見られるものの、再編地域住民から「警察署がなくなったことへの不安」や「過疎地域に配慮した業務展開を求める」との声もあり、今後、現場における職務執行方法にさらなる工夫をこらし、県下全域で良好な治安の確保に努めたいと総括されております。
なお、再編にあたり住民サービスの維持を図るうえで議論となった、広域交番における運転免許更新手続きや夜間常駐体制に関し、再編後どういう状況にあるかとの委員の質問には、これまでのところ問題は生じていないとの答弁でありました。
 
最後に、総務部報告事項のいわゆる「プルサーマル実施計画」に係る事前了解願いについてであります。
中国電力からの事前了解願いに対し、県では県民各層の有識者などで構成する検討組織が設置され、事前了解の可否が判断されることになりますが、周辺住民にとって重大、重要な案件であることから、当委員会としましても、知事の了解願いへの判断に係る委員会意見をまとめ上げるうえで、エネルギー政策や安全性の確保など、申し入れ内容に関連する認識を幅広く深めるため、実地調査も念頭に置きつつ今後の調査活動を行うこととしたところです。
以上が、今定例会における総務委員会での審査の概要等でございますが、この際、執行部の報告を通じ、総括的にもう1点付言しておきたいと思います。
議会決算特別委員会や監査委員の指摘も踏まえ、目下執行部では、土地開発基金財産の処分をはじめ遊休財産を中心に県有財産の売却を鋭意検討されているところです。
しかしながら、事柄の性格上、結果として、これらの財産の取得や用地の造成を行った当時の目的が達成できないと言う事例も少なからず報告をされます。
めまぐるしく社会情勢が変動するここ数年にあって、それぞれの時代・時点において最善の判断がなされたものと受けとめています。しかし、そうした判断に至る過程で、十分な情報の収集、整理等に基づく将来予測がなされたのかどうか、また、判断が拙速ではなかったかどうか。委員の多くから、このような思いに立ったうえでの意見、質疑が重ねられたところであります。
これらの中には、議会に判断を求められる案件と、またそうではない案件もありますが、当委員会といたしましては、今後とも執行部と冷静な質疑を重ね、議論を深め、共通認識に立ったうえで、前向きに課題の解決に努力したいと考えております。
以上申し添え、総務委員長報告といたします。

 

 

 

 


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