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農水商工委員長報告


農水商工委員長報平成17年2月定例会

 
農水商工委員長報告をいたします。

農水商工委員会に付託されました議案の審査経過並びに結果について、ご報告いたします。
今定例会において農水商工委員会に付託されました議案は、知事提出の予算案9件、条例案7件及び一般事件案4件であります。
これらの議案について、執行部に説明を求め、慎重に審査いたしました結果、予算案2件を除いては、全会一致をもって、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
全会一致とならなかった予算案第1号「平成17年度一般会計予算」について、委員から、県職員の給与が既に削減されているにも関わらず、諸手当への波及などさらなる減額措置が盛り込まれていることから反対であるとの意見があり、挙手による採決を行ったところ、賛成多数により原案どおり可決すべきとの審査結果でありました。
同じく、全会一致とならなかった予算案第88号「平成16年度一般会計補正予算」について、委員から、島根県観光開発公社の解散に伴う経費が計上されているが、同公社の解散は拙速と考えるので反対であるとの意見があり、挙手による採決を行ったところ、賛成多数により原案どおり可決すべきとの審査結果でありました。

次に請願の審査について申し上げます。
新規の請願第53号「地域経済の活性化を求める請願」及び第54号「雇用対策と地域活性化を重視した政府予算編成を求める請願」については、国の平成17年度予算において雇用創出、失業者支援、中小企業の基盤強化等の対策を強化するよう政府及び関係機関に意見書の提出を求めるものであります。要望の趣旨は適当であるものの、国の当初予算への反映は時機を逸していることから、意見書提出は行わず、「趣旨採択」といたしました。

同じく、新規の請願第55号「ILO第175号条約及びILO第111号条約の早期批准を求める請願」については、ILO第175号条約、第111号条約ともに、批准に向けては国内法との整合性など検討すべき課題が多いことから「継続審査」といたしました。

 

次に、継続審査中の請願第11号「森林整備に関する予算枠の確保について」は、「水と緑の森づくり税」の導入や、地球温暖化防止を目的とする京都議定書発効など、総合的な観点から森林整備の必要性が高まっており、今後の事業の進捗を促す意味から「採択」といたしました。
 

同じく継続審査中の請願第18号「青年の雇用問題について」は、企業立地助成金を受け取っている企業に対し、正規雇用者を計画的に採用するよう県から働きかけるよう求めるものでありますが、平成17年度予算において企業立地助成金の中に常用的雇用者を対象とする雇用助成制度の創設が予定され、正規雇用の拡大が期待できることから、「趣旨採択」といたしました。
なお、その他の継続審査中の請願2件については、いずれも状況に変化が見られないことから、引き続き「継続審査」といたしました。

続いて、付託された議案の審査過程における質疑、意見、要望及び執行部の説明について、報告いたします。
まず、農林水産部所管事項についてであります。
平成17年度当初予算全般について、委員から、事業の選択と集中が図られたことは、厳しい財政状況の下で、ある程度やむを得ないが、選択・集中の対象とならなかった分野や作目に対する心配りを忘れないようにして欲しいとの要望がありました。
 

次に、平成17年度当初予算に計上された「森林整備地域活動支援交付金」事業について、委員から、この事業には本来、環境面も含めて、山全体を活かしていこうという大きな目的があり、たとえば一級河川流域など大きな観点で取り組むべきもので、市町村が主体となり、森林組合などと連携して進めることが基本であったはずだが、各森林組合の事情に左右されるなど、計画的に進んでいない実態がある。もっと地域が一体となって事業が着実に進むよう、市町村ごとの目標設定と検証など徹底した取り組みが必要であるとの意見がありました。
関連して、他の委員からは、二酸化炭素の吸収源となる森林の整備は、今後、県が取り組むべき重要な課題だが、「林業」の枠を超え、環境、新産業など大きな面から森林の価値をとらえ直すとともに、水産業、農業と山の関わりなど幅広い視点から施策を考えるべきである。さらには、15年後、20年後のマンパワー不足も見すえ、施策の根本的な見直しが必要であるとの意見がありました。
これに対し、執行部からは、林業、環境面も含めて森林をいかに守り育てていくかは大きな課題であると認識している。いま、産業としての林業は厳しい面があるが、来年度の事業推進に当たっては、県、市町村、森林組合がともに汗をかき、いろんな課題を克服すべく取り組んでいきたい。また、農林水産業に共通する担い手の育成は、最重要課題であり、部を挙げて取り組む覚悟であるとの回答がありました。

 

次に、公共工事の入札方法についてであります。
委員から、宮城県のように1千万円以上の公共工事に一般競争入札制度を適用するなど、一般競争入札の範囲を拡大すべきであるとの意見がありました。
これに対し、執行部からは、一般競争入札の対象を8億円以上から2億円以上に引き下げたことによる変化を見極める必要がある。また、来年度より1億円以上2億円未満の公共工事について、簡易型の一般競争入札を導入する予定であるとの回答がありました。
 

次に、しまねブランド推進室所管事項についてであります。
県産農林水産物にかかる生産、流通、消費段階の各種情報収集とその伝達システムの強化、情報の有効活用による県産農林水産物の認知度向上と販売促進等を目的とする、平成17年度新規事業「しまね農林水産物マーケティング推進事業」に関して、委員から、これまで農産物の販売に関しては常に農協が介在し、農家は実質的に販売先の選択権が与えられずにきたが、そういう古い生産体制から脱却し、販売先に関する情報が直接生産組合等に行くような仕組みを心掛けて欲しいとの意見がありました。
これに対し、執行部からは、生産者の利益を第一に考えることは大事なことであり、JAグループの貴重な蓄積や人材など、さまざまな力を発揮してもらいつつ、関係者が一体となって取り組みたいとの回答がありました。
 

次に、商工労働部所管事項についてであります。
新規の観光キャンペーン事業名に外来語が使用されている点について、委員から、他の分野でも従来から言われてきたことであるが、言葉が非常に分かりづらいので、県民に意味が理解されやすい日本語に変えるべきであるとの意見がありました。
これに対して、執行部からは本事業はJRのキャンペーン事業との協賛により実施する関係で事業名を統一する必要があり、当該キャンペーンの名称をそのまま使用させていただいたとの回答がありました。
また、企業誘致にかかる各種助成制度の充実に合わせ、ここ数年、県が特に力を入れてきた企業誘致活動が徐々に実を結び、本年度においては、過去最大の企業立地件数を数えるなど、県内の雇用増大に結びついている点について、これを評価する声とともに、厳しい雇用環境が続く中で、さらなる努力を望む意見がありました。
 

最後に、農林水産部、商工労働部に共通する事項として、公の施設の指定管理者の指定について申し上げます。
委員から、このたび、指定管理者制度を取り入れた各県立施設については、今後、適正な管理運営が行われているか否かをチェックしていく必要があるので、財務状況、運営状況等を適宜議会に報告して欲しいとの意見がありました。
執行部からは、指定管理施設の状況報告等については全庁的な対応が必要だが、適宜報告するようにしたいとの回答がありました。
 

以上、農水商工委員会における審査の概要等を申し述べ、委員長報告といたします。


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