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地方分権・行政改革調査特別委員長報告
地方分権・行政改革調査特別委員長報告(最終報告)平成17年2月定例会
地方分権・行政改革調査特別委員会は、平成15年6月定例会において設置されて以降21回にわたり付託された地方分権・行政改革に関する調査を精力的に進めてきました。
平成15年11月定例会以降、4回にわたる中間報告を行ない、さらに平成17年2月定例会で最終報告を行いましたが、その要旨は別紙に掲げるとおりです。
本委員会の調査は、これで終了することとなりますが、調査を終えるにあたって一言申し上げます。
これまで、県においては、中期財政改革基本方針、新行政システム推進計画、市町村への権限移譲計画などの策定を通じ、行財政改革、地方分権を推進してこられました。
地方分権や今定例会で報告があった新たな定員削減計画など行政改革の推進は、将来を担う世代がその時代にふさわしい島根を築いていくための環境整備であります。
本委員会においては、こうしたことが議会に課せられた責務であると考え、これまで様々な提言を行ってきたところです。
知事をはじめ全職員が、ともに痛みを分かち合っている県民の思いと熱い期待、そして我々の思い、提言を十分に踏まえ、地方分権、行政改革の推進に努められるよう強く要望いたしまして、本委員会の最終報告といたします。
(別紙)
1地方分権
加えて、地方分権の進展、地方自治体の財政状況の悪化など、県と市町村を取り巻く情勢は大きく変化している。
こうした状況の中にあって、合併後の新たな地域、市町村の枠組みで、まちづくりを精力的に進めることが求められており、県は、市町村を包含する広域的自治体として、県域の政策形成・実施や、市町村間の調整などの役割が求められており、適切な役割分担が必要となっている。
このように、今後、市町村とどのような関係を構築していくかが課題となっており、この点に関しては、議会においても、更に議論を深めていく必要があると考える。(H17・2)
一方、第28次地方制度調査会においても、道州制を前提としての「市町村合併」や中央政府と道州政府による統治権限の適切な分配のあり方などについて議論が進められており、来年度中に結論が示されることとなっている。
市町村合併、地方分権の進展など、都道府県を取り巻く情勢が大きく変化するなかで、今後、本県としても、道州制等の都道府県の広域化については、地方制度調査会の動向に注視しながら議論を深めていくべきと考える。(H17・2)
(H15・11)
国においては、現在、地方行政への国の関与と国への依存を減らし、地方自治体を自立させるためのいわゆる「三位一体の改革」についてその道筋が示されたところであるが、県においては、地方の実情に即した真の分権型社会システム実現のための改革がなされるよう、今後とも強く国に求めていくことが必要である。
県議会としては、分権型社会実現のため、必要に応じ積極的に諸官庁への働きかけを行っていく。(H15・11)
2行政改革
県政運営に対する県民の信頼、理解を得るためには、まず、県として、将来の進むべき道、自立へのビジョンを県民に明確に示されることが必要。(H16・2)
なお、「内なる改革」を否定するものではないが、政策判断やその手順をより優先すべきとの少数意見があった。(H16・2)
県においても、外部委託による組織のスリム化や諸手当の縮減など、県民とともにその痛みを分かち合う取り組みが必要。(H15・11)
また、財政状況が一層の厳しさを増す中にあって、約1,100億円の一般財源が人件費に充当されていることの重みや、良質で効率的な行政サービスの提供者であるとの自覚を高めることも求められている。
職員各位におかれては、納税者である県民の期待に応えるべく日々研鑽に努めつつ、総力を結集し様々な行政課題の解決に取り組まれることを望む。(H17・2)
1地方分権や今定例会で報告があった新たな定員削減計画など行政改革の推進は、将来を担う世代がその時代にふさわしい島根を築いていくための環境整備である。
本委員会においては、こうしたことが議会に課せられた責務であると考え、これまで様々な提言を行ってきたところである。(H17・2)
2.人件費
本委員会においては、「島根県職員の給与制度等」に関する包括外部監査結果について説明を受けたが、その際、包括外部監査人から、議会においても調査が必要であるとの意見が示されたところである。
県においては、こうした指摘も踏まえ、人事評価制度の確立を進めているところであるが、監査結果に対する執行部の対応については、今後、議会として監視すべき事項であると考える。(H17・2)
今後とも、県民の目線に立って、見直しを継続して行われることを求める。
特に、特定の勤務公署において本来業務を行った場合に支給される月額手当については、その額の妥当性、業務の限定あるいは日額化について、引き続き検討されることを要望する。(H16・2)
長時間の時間外勤務は、職員の健康保持に影響を与えるのみならず、家庭生活の充実や地域社会活動への参画を阻害するものである。
管理職員は業務執行体制を不断に見直し、職員の勤務状況を常に把握し、適切に時間外勤務命令を発するとともに、組織をあげて縮減に取り組まれることを求める。(H15・11)
改訂の背景に中期財政改革基本方針による事業費削減率、地方財政計画や国の削減計画などがあることから、1000人の削減は避けて通れないものと考える。
なお、新たな計画では平成21年から平成24年の退職者が819人であり、更に500人削減してもその間の採用者は368人見込まれる状況である。
今後も、組織のスリム化、外部委託の推進など目標達成に向けた取り組みを行い、地方財政計画などを踏まえた職員定数の適正化に努めるよう要望する。(H17・2)
財政的自立を維持するために組織機構・人員の簡素化・効率化を徹底すること、施策の選択と集中や今後広域自治体として果たすべき機能を組織機構として分かりやすく構築するなどが理念とされ、実施時期は平成18年4月とすることを今後検討するとされていた。
組織・人員の簡素化・効率化については当然のことであるが、分かりやすい組織機構構築の前提となる広域自治体の機能に関連しては、現在、第28次地方制度調査会において、「最近の社会経済情勢の変化に対応した地方行財政制度の構造改革」に関する審議の中で議論がなされている。
こうしたことから、本庁組織については引き続き検討を要する事項であると考える。当面は、部局横断的な取り組みを強化することで産業振興・社会基盤など県政の重要課題に対応されるよう要望する。(H17・2)
内容は、今後の事業費の動向をふまえ効率的で柔軟な事業執行を行う観点から、農林水産部地方機関の公共事業実施部門と土木部地方機関とを統合し、新たな事務所を7圏域単位に設置するとのことであった。
地方機関の公共事業実施部門に関しては、行財政改革調査特別委員会が、地方機関における基盤整備関係事業の一体的な執行を含め事務事業の執行方法や執行体制に関し議論、検討を行うよう求めたことを踏まえれば、今回の見直しの方向については適当なものと考える。(H17・2)
なお、この地方機関の再編について「さらなる検討を進められるよう望む」との少数意見があった。(H16・2)
1試験研究機関に関しても、行財政改革調査特別委員会において、そのあり方が議論され「外部機関も参画した評価体制を確立し結果を公表すること」、「生産につながらない研究の見直しや研究機関の統廃合を含めて検討を進めること」を求めていたところである。
本定例会において、執行部から、県立試験研究機関連携推進会議が「研究課題を取捨選択のうえ重点課題への体制集中化を行う」、「組織機構の統合・施設の休廃止により効率化を図る」、「研究課題の重点化・組織機構等の効率化に伴い所要の人員を削減する」との検討結果をまとめたとの報告を受けた。
この中には、一部着手済みのものも含まれており、この点は一定の評価をするが、行財政改革調査特別委員会の指摘から最終結果の取りまとめに至るまでに2年8ヶ月を要したことに関しては、スピード不足の感を持たざるを得ない。
試験研究機関に寄せる県民の期待に応えるためにも、検討結果に示された「民間の経営感覚やスピード感」を持ちながら見直しを進めるよう求める。(H17・2)
5.外郭団体
1)総論
1外郭団体や県行政を取り巻く状況が大きく変化する中で、外郭団体には、自立的・効率的な運営が、また、県には、多様化・高度化する県民ニーズに応えていくため、住民団体、民間事業者、外郭団体を含む各種団体との新たな関係の構築が望まれている。
県は、これまで増大する行政需要に対応するため、機動性を持つ外郭団体に補完的役割を担わせてきたが、今、県に求められていることは、県自らが機動性を持った行政運営を行うことや外郭団体との協働に向けた環境づくりである。
行財政改革の取り組みに当たっては、「官から民への移行」が重要な視点の一つであり、この点に関しては、県民をはじめ多くの者が期待するところである。
県においては、このような認識のもと外郭団体に関する徹底的な見直しを行い、事業のスリム化や統廃合等による経営基盤の強化を図るとともに、県民が隔靴掻痒の感を持つことがないよう迅速な対応を求める。(H16・12)
2平成15年度の外郭団体見直し状況を調査したが、改革は道半ばとの感を持たざるを得ない。(H16・2)
2)見直しのあり方
1県出資割合50%以上の団体数を概ね3割程度削減するという見直しの目標達成のためには、本県の厳しい状況について、県、県以外の出資者及び団体が共通認識を持ち、見直しに向けて速やかに取り組む必要がある。(H16・12)
2取り組みの方向性に沿って自立に向けた見直しをする団体については、今後取りうる具体的見直し手法を明らかにしていくこと。(H16・12)
3必要性を検証し縮減を図ることとされている県の人的・財政的関与についても、団体数の削減と同時に、可能な限り具体的な目標数値を掲げ、県民に分かりやすい形で進めることが必要。(H16・12)
4経営評価をみると、県の関与度が著しく高い団体(例:北東アジア地域学術交流財団)、他団体と比較して県の関与度が高く、かつ、団体の自己評価結果で課題が多いとして団体(例:ふるさと定住財団、しまね女性センター、島根ふれあい環境財団21)、県への財政依存度が著しく低く自立性が高いと考えられるにも関わらず、依然として県が人的関与を行っていたり県の出資割合が高い団体(例:島根県環境保健公社、島根難病研究所)がある。
今後、団体のあり方、県関与のあり方の見直し等に際しては、このような点をどう解決していくのかといった視点も持ちながら検討を加え、条例で期待している団体の自主的な運営の確保を図る必要がある。(H16・12)
5県の関与を縮減し自立を目指す団体についても、効率性のみを優先した運営を行うことなく、できる限り、中山間地域や離島地域の状況にも配慮されるよう望む。(H16・12)
3)県と外郭団体の関係
【人的関与のあり方】
1団体の代表者、県からの職員派遣、県OBの在職など県の人的関与については、さらなる見直しを求める。(H16・12、H16・2)
【財政的関与のあり方】
1補助・負担金や委託料など県の財政的関与については、本県の財政状況を考慮した場合、引き続き縮減や効率的な執行が必要。(H16・12)
2団体に対する平成16年度予算での補助、委託事業費については、対前年比約7億円を削減しており、一定の評価をする。(H16・2)
3県の財政的関与には、運用財産の事業費充当についても県の支援費相当額として含めるとともに、団体において適切な執行が行われるよう指導監督に努めること。(H16・12)
4運用財産の減少等に伴い、財源の確保を課題とする団体に対しては、長期的視点を持った運用財産の活用や新たな財源確保策等について、適切な助言等が必要。(H16・12)
4)条例に基づく経営評価
1団体毎に、人的関与や財政的関与の度合いが適切かどうかといった視点を踏まえるなど、県の経営評価手法の改善が必要。(H16・12)
2経営評価に併せて、県が取るべき措置も明らかにすることが望ましい。(H16・12)
3今後も、自己評価、県評価の手法等経営評価制度の充実・改善を図りながら継続して実施し、県民にとって分かりやすいものとして、また、団体・県として有益な制度として定着させるよう、一層の努力を期待する。(H16・12)
5)情報公開の促進
1財政状況等を積極的に情報公開していない団体があるので、条例に基づく経営評価結果を公表することなど、該当団体に対する適切な指導を行うこと。(H16・12)
6)指導監督及び監督体制の強化
1県として経営評価を通じて整理した課題を踏まえ、今後の指導監督を徹底すること。(H16・12)
2「島根県外郭団体指導監督指針」により、適切に指導監督権限を行使すること。(H16・2)
7)個別団体
1行財政改革調査特別委員会で個別意見を付した7団体のうち、一部の団体については、具体的な見直しの内容が固まっていない状況にある。当該委員会の指摘の趣旨を踏まえた見直しを早急に行うよう、該当団体に対する県の指導監督を求める。(H16・12)
3市町村合併に伴う県議会議員の選挙区及び選挙区定数のあり方
平成16年9月定例会において、次のとおり報告した。
1.検討結果
市町村合併による郡市の区域の変更を生じる場合における県議会議員の選挙区に関しては統一した取扱いを行うことが必要であり、郡市の区域の変更を生じるすべての市町村合併を対象とした包括的な条例を制定することが適当。
県議会議員の選挙区も合併後の新しい市町村の枠組みと一致させることが県民の理解を得られやすいものと考える。
この場合、現議員の任期満了による場合の次の一般選挙は平成19年4月に予定されており、郡市の区域の変更を生じる最初の市町村合併が行われる平成16年10月1日から、その一般選挙により選挙された議員の任期が満了する平成23年4月までの約6年7ヵ月の長期間にわたり、市町村合併による新たな枠組みとは異なる選挙区によることとなり、また、合併後の市町村が複数の選挙区により分断される結果となる。
以上のように、次の一般選挙を合併特例法を適用して現行の選挙区で行おうとすれば、郡市の区域の変更により現行の選挙区に影響を与えるすべての市町村合併において、深刻な問題を生じさせることとなる。
「合併後の松江市と八束郡東出雲町」、「合併後の江津市と邑智郡」等がそれぞれ1つの選挙区を構成し、合併後の市町村の枠組みとは異なる大きな選挙区となる。
補欠選挙で選挙された議員の任期が前任者の残任期間であることから、県民にも理解されやすいものと考える。
2.結論
以上の点を総合的に勘案した結果
1次の一般選挙は公職選挙法の原則により行うこととし、
2現議員の任期中は、合併特例法を適用し、現行の選挙区どおりとすることが適当であり、
3合併特例法の適用に関しては、郡市の区域の変更を生じるすべての市町村合併を対象とする包括的な条例を制定することが適当であるとの結論に至った。
4現議員の任期満了による場合で、平成19年4月に予定される次の一般選挙については、平成17年国勢調査の結果を踏まえた議員の総定数や各選挙区において選挙すべき議員の数をはじめとして、同一市町村を分断する衆議院議員小選挙区選出議員の選挙区や八束郡東出雲町の任意合区の問題も含めた選挙区のあり方について、十分な検討を行い、その結果に基づき必要な見直しを行った上で実施する必要があると認識している。
今回の本委員会の結論は、県民の理解と信頼を得るため、その目線に立って判断した結果である。
4地方分権及び行政改革に対する議会の関与
1地方分権、行政改革に関しては、市町村との新たな関係の構築や県組織のあり方など引き続き議会が関与すべき課題が残されている。
このため、議会においても、これらの課題解決に取り組むべく、来年度以降も特別委員会を設置するなどし、調査を継続すべきものと考える。(H17・2)
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