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総務委員長報告

 

総務委員長報告平成十五年二月定例会


総務委員長報告をいたします。

総務委員会に付託されました議案の審査経過並びに結果について御報告いたします。
今定例会において本委員会に付託されました議案は、先に報告いたしました平成十四年度補正予算案に関するものを含む、予算案九件、知事提出条例案二十二件、議員提出条例案二件、一般事件案三件であります。
これらの議案について、執行部に説明を求め、慎重に審査いたしました結果、知事提出条例案一件及び平成十五年度当初予算案の教育委員会所管分を除いては、全会一致をもって原案のとおり可決または承認すべきものと決定をいたしました。
全会一致とならなかった議案のひとつは、知事提出第三十五号議案「職員の給料の特例に関する条例案」でございました。
この議案に反対する立場の委員からは、「財政悪化の責任が明確にされないままであり、また、職員の理解と合意を得る手だてが十分ではない」という意見が出され、これに対して、賛成する立場の委員からは、「民間の厳しい状況を考えるなら、職員の意識改革を図る上からも給料の削減は当然の措置である」という意見が出されるなど、両方の立場からの議論が交わされました。
このように、委員の間で賛否が分かれたため、最終的に採決を行ったところ、賛成者が多数であり、第三十五号議案につきましては、可決すべきものとの審査結果となりました。
また、第一号議案「平成十五年度島根県一般会計予算案」の教育委員会所管分につきましては、委員から異議が出されましたが、採決の結果、賛成多数により可決すべきものとの審査結果となりました。
 
次に、請願の審査についてであります。
継続審査中でありました請願のうち、請願第三号「大田・邇摩への養護学校分教室設置について」は障害のある児童・生徒への配慮の必要性から、趣旨採択することとし、第十号及び第十二号については採択、不採択とも決することができず、審査未了との結論となりました。

次に、議案の審査の過程並びに所管事項の調査の中での主な質疑、委員からの意見、要望事項につきまして御報告申し上げます。

まず、歴史民俗博物館及び古代文化研究センターの建設を要望する二件の陳情の審査についてであります。
陳情の内容は、厳しい財政状況により計画の見直しなどの意見があるが、地域振興や古代文化研究の拠点として大きな役割を果たすと期待される両施設を、計画どおり建設してほしいとの要望でございます。
この陳情につきましては、採択すべきとの委員からは「全県フィールドミュージアム化構想を推進していくためには、両施設はぜひとも必要であり、若干の規模縮小は検討するとしても、建設は推進していくべきである」という意見がありました。これに対して、「建設の必要性は認めるものの、危機的財政状況にある中では、計画の延期や規模の大幅な縮小も検討すべきではないか」、また、「この陳情には十分時間をかけて、もっと慎重に議論する必要がある」などの意見が出されるなど、活発な議論が行われました。
また、執行部からは、基本的な機能は維持するという前提のもとに、財政状況を考慮しどこまで縮減が可能なのか検討し、六月補正予算で方針を出していきたいとの参考意見がありました。
このように、この陳情に対する取り扱いについて、委員の間で意見が分かれましたが、縮減の努力を行うなどして基本的には計画を推進すべきであるという意見が大勢を占め、採決の結果、賛成多数により趣旨採択といたしました。

次に、離島振興計画についてでございます。
離島振興法の改正に基づく平成十五年度から十年間の新たな離島振興計画案が執行部から示され、「自立する交流の島・隠岐」を基本理念とし、「交通網の整備」、「観光を中心とした地場産業の振興」、「地域コミュニティの充実」及び「明日を担う人づくり」の四点を基本方針とするなど、従来の本土との格差是正という目的に対して、地域の自立的発展をめざすという新たな観点に立った振興計画であるとの説明がありました。
これに対して、委員からは、この振興計画を実のあるものとするために、隠岐に居住している住民の立場に配慮するとともに、通年観光が実現できるような交通網の整備を行うようにとの要望が出されました。

最後に、教育関係についてでございます。
教育関係につきましては、多くの委員から、不登校の児童・生徒の対策、完全週五日制への対応、高校卒業時の就職問題、特に就職の決まらない生徒への対応、また、競技力向上についてなど、多岐にわたって質問や意見が出され、執行部との間で長時間にわたり熱心な議論がなされました。
現在、教育基本法の見直しや教育特区など教育改革の大きな時代のうねりの中で、教育のあり方、教員のあり方などが厳しく問われているところですが、教育長をはじめ教職員の皆様におかれましては、こうした教育問題に寄せる委員の思いをくみ取っていただき、学校・社会教育の充実、学習環境の整備、体育・スポーツや文化の振興のための諸施策を通じて、島根の未来を支える子どもたちが健やかに育つことができるよう努力していただくことを強く要望するものであります。

以上、総務委員会における審査の概要等を申し述べ、委員長報告といたします。

 

 

 


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