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核実験の禁止及び核兵器の廃絶に関する決議(平成10年6月定例会)

 

6月定例会の本会議において、次の決議、意見書を可決し、内閣総理大臣をはじめ関係機関へ要望しました。

核実験の禁止及び核兵器の廃絶に関する決議

 核兵器の廃絶は、人類共通の悲願であり、世界各国で核兵器廃絶への願いが高まっている中で、インド並びにパキスタン両国が核実験を実施したことは、これまでの核兵器の廃絶に向けた国際的な努力を崩壊させ、人類の生存を脅かすものであり、唯一の被爆国である我が国として断じて容認できない行為である。

 ここに、島根県議会として、核兵器の廃絶と世界の恒久平和を願い、両国の核実験に厳重に抗議し、全ての国に対して核実験と核兵器開発の即時中止を強く求めるとともに、政府においては、核兵器のない世界の実現に向け、最大の努力払われたい。

新たな農業基本法の制定に向けての意見書

 今や、人口・食料・環境・エネルギー問題が世界的規模で懸念されている中、我が国においては、農業・農村の重要性が認識されながらも、食料の約6割を海外に依存している状況にある。

 中山間地域が9割を占める本県では、経済の国際化とともに過疎化・高齢化が進行し、農業生産力の低下や耕作放棄地の増加など、農業のみならず地域社会の維持に対する危機感が深まっている。

 政府においては、「食料・農業・農村基本問題調査会」を設置し、今後の農政の方向付けを検討されているところであるが、21世紀に向けて、食料の安全保障、農村地域の活性化などを含む食料・農業・農村政策を明確化し、農村に住む人々が自信と誇りを持って農業や生活を営むことができるよう、次の事項を盛り込んだ新たな基本法の早期制定を要望する。

 

 記

国内農業生産を基本とした食料の安定確保のため、食料自給力の向上を図るとともに、主要農畜産物の生産目標を明確にすること。
意欲ある農業者に対する経営安定対策を拡充するとともに、新規参入や農業生産法人への支援強化など、農業の担い手確保・育成対策を総合的に推進すること。
国土の均衡ある発展や地域間格差の是正を図るうえからも、遅れている農山村地域の生産・生活基盤の整備を加速化すること。
中山間地域における定住の促進と食料供給機能及び国土・環境保全機能を維持するため、生産振興とは異なった観点から、我が国独自の所得補償制度を創設すること。
食料・農業・農村の果たす役割の重要性について、学校教育や社会教育などあらゆる教育の場を通じて、国民の理解と認識を深めるよう世論の一層の喚起に努めること。


原子力防災及び原子力発電所立地地域振興に係る特別措置法の制定を求める意見書

 本県は、原子力発電所立地を受け入れる中で、安全性の確保を大前提に、住民の理解と協力を得ながら、我が国のエネルギーの安定供給と経済発展に大きく貢献してきたところである。

 しかし、動力炉・核燃料開発事業団における一連の事故等は、原子力発電所の立地地域(周辺地域を含む。以下同じ)の住民に大きな不安を与え、かつ原子力発電の安全性に対する国民の信頼を著しく損なう結果となっている。

 このような状況下ではあるが、原子力発電は、国の長期のエネルギー政策において極めて重要な位置を占めており、その立地は、国家的重要課題である。今後、国がこれを進めるに当たっては、国民の信頼を回復する諸施策を早急に確立していく必要があると考える。

 よって、国において次の事項に取り組むことを強く要望する。
1.原子力防災に係る特別措置法の制定を早期に実現すること。
地方自治体では、原子力防災について、災害対策基本法に基づき、地域防災計画を作成し、万一の事態に備えた最大限の努力をしているところであるが、原子力災害の特殊性に鑑みて、国の責任において抜本的な対応を行うべきである。
よって、国の一元的な安全規制と同様に、防災対策についても国の責任として明確に位置付け、原子力防災専門家等の組織化や緊急時の具体的な防災対策の確立等を骨子とした「原子力防災に係る特別措置法」を早期に制定されるとともに、防災関係諸施設の充実を図るなど原子力防災対策の充実強化を求める。
2.原子力発電所立地地域の振興に係る特別措置法を制定すること。
現在、原子力発電所立地地域の振興は、主として電源三法交付金と電源開発調整審議会電源立地部会における広域的地域振興計画の支援の制度の中で行われている。
立地地域の総合的かつ恒久的な振興を図るためには、若者が定住できる働きの場づくり、産業の振興、交通網などの基盤整備を図ることが必要である。
よって、次の措置を盛り込んだ特別措置法を制定されたい。
(1)立地地域の振興の実効性を確保するため、別枠予算の確保と地方財政上の特別措置を図ること。
(2)電源三法交付金制度については、その使途等に関し、地方公共団体が自主的、弾力的に活用できるよう制度の改善を図るとともに、1-原子力発電施設等周辺地域交付金の増額、2-電源地域振興促進事業費補助金等による企業立地誘導策の充実強化、3-電力移出県等交付金の交付限度額の増額、4-原子力発電施設等立地地域長期発展対策交付金交付対象市町村の周辺市町村への拡大及び交付限度額の増額をすること。



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