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農林水産業への十分な配慮なくして環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に参加することに反対する意見書(平成22年11月定例会)

 

農林水産業への十分な配慮なくして環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に参加することに反対する意見書

 

 上記の議案を別紙のとおり会議規則第14条第1項の規定により提出します。

 

 平成22年12月8日

 

提出者

 浅野俊細田重佐々木雄三

 福田正森山健田原正居

 洲浜繁原成五百川純寿

 多久和忠上代義岡本昭二

 島田三藤山絲原徳康

 福間賢小沢秀大屋俊弘

 中村芳田中八洲井田徳義

 園山尾村利藤間恵一

 加藤中島謙池田一

 

 

(別紙)

農林水産業への十分な配慮なくして環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に参加することに反対する意見書

 

 我が国の農林水産業は、国民に安全・安心な食料を供給するのみでなく、洪水の防止や水源涵養等の多面的機能を有しているが、農林水産業を取り巻く情勢は、担い手の減少、高齢化の進行、耕作放棄地の増加、価格の低迷など非常に厳しい状況にある。

 こうした中、政府は11月9日に環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)について、「関係国との協議を開始する」と明記された「包括的経済連携に関する基本方針」を閣議決定された。

 さらに14日には、APEC首脳会議において、「アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)」構想を推進し、APECの将来像を一体感の強い「共同体」と位置づける首脳宣言「横浜ビジョン」が採択された。

 環太平洋戦略的経済連携協定は、原則全ての関税撤廃を目指す協定で、非関税障壁の撤廃や人的な交流の緩和など幅広い分野での自由化を図ろうとする交渉であり、農業生産条件の不利な中山間地を多く抱える島根県においては、農業・農村に極めて深刻な影響を与え、その関連産業や地域経済も厳しい状況に置かれるなど、地方のさらなる疲弊に繋がることが強く懸念される。

 今回の政府の対応は、国民への十分な説明や農林水産業者をはじめとする幅広い国民からの意見聴取、国会での審議等がなされることなく、また、日本農業の強化策を検討する「食と農林漁業の再生推進本部」が設置されたものの、農林水産業関係者はもとより、消費者等も含めた幅広い国民的議論もないまま、唐突に推進された。

 環太平洋戦略的経済連携協定への参加は、国内の農林水産業・農山漁村に甚大な影響を与えるのみならず、国の食料安全保障のあり方にも関わる極めて重要な事柄であり、政府においては、農林水産業への十分な配慮と関係者の理解がないままに、環太平洋戦略的経済連携協定の締結・参加をすることのないよう強く要請する。

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

平成22年12

 

 島根県議会

 

 衆議院議長

参議院議長

内閣総理大臣

外務大臣

農林水産大臣

経済産業大臣

内閣官房長官

国家戦略担当大臣

 

 【平成22年12月17日原案可決】

 

 

 


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