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子宮頸がんを予防するワクチン接種の公費負担及び検診受診率向上対策の充実を求める意見書(平成22年6月定例会)

 

子宮頸がんを予防するワクチン接種の公費負担及び検診受診率向上対策の充実を求める意見書

 

 上記の議案を別紙のとおり会議規則第14条第1項の規定により提出します。

 

平成22年6月15日

 

提出者

 浅野俊細田重佐々木雄三

 成相安福田正森山健一

 田原正洲浜繁原成充

 五百川純寿多久和忠上代義郎

 岡本昭三島島田三郎

 石倉俊藤山絲原徳康

 石橋富二福間賢小沢秀多

 大屋俊中村芳田中八洲男

 井田徳和田章一園山繁

 尾村利門脇誠白石恵子

 藤間恵加藤角智子

 中島謙池田須山隆

 珍部芳裕

 

 

(別紙)

子宮頸がんを予防するワクチン接種の公費負担及び検診受診率向上対策の充実を求める意見書

 

 女性のがんである子宮頸がんによって、日本では毎年約15000人が発症し、約3500人が亡くなっていると推定されています。特に近年、罹患者は20代から30代の女性が増加傾向にあり、この年齢のがんによる死因の上位に位置するようになっています。島根県でもH19年度の20代罹患者は16人、30代は31人で10年前と比べ、2〜3倍増加しています。

 子宮頸がんの発症原因はヒトパピローマウイルス(HPV)による感染であり、このウイルスに対するワクチンが開発されたことにより、近年、世界的に「子宮頸がんは予防できるがん」という認識が定着してきており、我が国でもこのワクチンが2009年10月にようやく承認され、12月から接種可能になったところです。ワクチン接種による子宮頸がん発生の抑制効果は70%以上あり、また、細胞診とHPV検査の併用による子宮がん検診を実施することで、子宮頸がんの死亡率を大幅に減らすことができます。

 すでに諸外国では、国のワクチン政策にHPVワクチンを組み入れることが推奨され、9歳〜14歳の女子に対して優先的接種を推進しています。さらに現在20数カ国の公費負担制度があり、発症の抑制に大きな効果を挙げております。

 一方、我が国では、現時点ではHPVワクチンは任意接種であり、十分な免疫をつけるために必要な接種3回分の費用は合計約5万円と高額で、ワクチン接種の普及に対する大きな足かせとなっています。島根県邑南町など一部自治体で公費負担による接種の例がありますが、まだ全国的な広がりにはなっていません。

 また、我が国における子宮頸がん検診の受診率は、平成20年度の地域保健健康増進事業報告によると19.4%であり、受診率が70%を超える欧米諸国と比較して著しく低くなっていますし、島根県においてはさらに低く、13.8%にとどまっています。

 エビデンスのある予防接種は、国民のいのちと健康を守るため国として推進していくべきであり、接種率と検診率の向上により発症率を抑えることができれば医療経費削減にも寄与することになります。

 国においては、次の事項について早急に実施するよう強く求め、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

 記

 

国による全国一律の公費負担、あるいは公的医療保険制度の適用により、ワクチン接種にかかる費用負担の軽減措置を講じ、HPVワクチン接種の普及を図ること。特に、全額公費負担による10歳代前半の女児への接種を早期に実現すること。
細胞診とHPV検診を併用した子宮頸がん検診の普及と受診率向上のため、国として公費による検診の実施を進めるとともに、積極的な広報活動による意識啓発に努めること。

 

 平成22年月

 

 島根県議会

 

(提出先)

 衆議院議長

 参議院議長

 内閣総理大臣

 財務大臣

 厚生労働大臣

 国家戦略担当大臣

 

 【平成22年6月15日原案可決】

 

 

 


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