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「新たな食料・農業・農村基本計画」に関する意見書(平成16年9月定例会)

 

 「新たな食料・農業・農村基本計画」に関する意見書

上記の議案を別紙のとおり、会議規則第14条の規定により提出します。

平成16年10月6日

提出者
上代義絲原徳康
石橋良尾村利成
和田章一井田徳義
田中八洲小沢秀多
原成内田敬
田原正倉井毅
浅野俊雄

(別紙)
「新たな食料・農業・農村基本計画」に関する意見書
 

 政府が、平成17年3月を目途に策定を行おうとしている「新たな食料・農業・農村基本計画」について、先般、その中間論点整理が行われた。

 その中で、「担い手政策の在り方」に関し、「立ち後れている我が国農業構造の改革を加速化させるため、農業経営の改善を促す諸施策につき、対象を特定の担い手に明確に絞った上、集中的・重点的に実施していくことを基本として、改革を行うべき」とされているように、農地の利用集積の促進等、規模拡大・コスト削減による生産性の向上と国際競争力の強化を図ることは時代の要請と考える。
一方、「農業環境・資源保全政策の確立」の視点からは、わが国農業全体について環境保全を重視したものに転換していくことが不可欠とされているが、水源のかん養・国土や環境の保全・文化の伝承など、わが国農業の有する多面的機能を果たしてきているのは、認定農業者のみならず、中山間地域における多くの兼業農家、小規模農家、あるいは法人格を持たない集落営農などであって、中山間地域の農村の維持・振興は、わが国の国民生活の向上や社会の発展を図るうえにおいて欠くことはできない。
そこで、いわゆるプロ農業者を産業政策としての担い手に位置付けるのはともかく、地域政策としての担い手についても、プロ農業者に絞ることは、中山間地域の農業・農村の活性化が図れず、地域の衰退、ひいてはわが国の国土、農業の崩壊につながりかねないと危惧される。
ついては、「新たな食料・農業・農村基本計画」の策定にあたっては、産業政策と地域振興政策のバランスを十分議論のうえ、次の事項が実施されるよう、強く要望する。

「担い手政策の在り方」については、農業の有する多面的機能を果たしてきている中山間地域の農業・農村の実態に目を向けた検討を行うこと。
「農業環境・資源保全政策の確立」等にあたっては、経営規模の大小にかかわらず、農地を耕し、農業の有する多面的機能を維持することにより中山間地域を支えている農業者の位置づけを明確にし、必要な支援措置を講じること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成16年10

島根県議会


(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
農林水産大臣

 

 


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