1 隠岐の珍味に挑戦!
隠岐ではアメフラシのことを「べこ」と呼びます。体がぷっくりしていて、角のある姿が牛に似ているからだそう。
アメフラシを食べるのは、島根県・鹿児島県・千葉県・鳥取県のほんの一部だけ。アメフラシは海藻由来の毒を体内に溜めていることもありますが、食べる際には内臓を除去するので問題ありません。
下茹でするなどして下処理したものを調理します。細かく刻んで醤油などで1時間ほど炊いて食べます。サザエやアワビなどに似た歯ごたえで、じゅわりと旨味が染み込み、海藻の風味も残って絶品です。
アメフラシ 雨降
Aplysia kurodai
貝の仲間。貝殻は退化していて、背中のひらひらした外套膜の内部に小さく板状に残る。水深1~3m ほどの浅い海にすみ、海藻を食べて育つ。刺激を与えると紫色の液体を出す。
2 隠岐の伝統的漁法
かなぎ漁
隠岐で古くから続く、主にサザエ、アワビや海藻類を捕獲する漁法です。かんこ船と呼ばれる小型の漁船の上から、木箱の底にガラスを張った「箱めがね」という道具を使います。
箱めがねで海底をのぞきながら、5メートルほどもあるヤスやカマを使い、海底の岩に張り付くアワビやワカメなどをとる熟練の技です。