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2016(H28)年 <  2017(H29)年 年報    > 2018(H30)年
目次I.概要II-1.発生状況の解析と評価II-2.定点把握疾患発生状況III.検査情報
全数把握週報(インフルエンザ・小児科・眼科・基幹定点)月報(STD・基幹定点)精度評価
印刷用ページ 1.2017(平成29)年感染症発生状況の解析と評価 |発生状況結核表1.全国表2.月別表3.保健所別表4.過去
2)県内の結核の発生状況
(1)保健所別の発生状況
 患者発生報告数で見ると、浜田保健所への届出が39名(33%)と最も多かった。浜田保健所管内では、2017年に集団発生事例として3名の患者(初発患者除く)と11名の無症状病原体保有者の届出が有ったことや、ほかにも接触者検診からの無症状病原体保有者の報告が多い事例もあったことが報告数を押し上げていた。肺結核の届出は松江保健所(15件)が最も多かった。
 2012年以降の報告数のトレンドは減少傾向にある。
 病型別では、肺結核が全体のおよそ半数(44%)を占めるが、その他の結核(16%)や、無症状病原体保有者(36%)も多い。
 松江雲南出雲県央浜田 益田隠岐総計(%)
肺結核15695114252(44.4)
肺結核及びその他の結核211----4(3.4)
その他の結核314155-19(16.2)
無症状病原体保有者11-6-232-42(35.9)
総計31820639112117(100)
(%)(26.5)(6.8)(17.1)(5.1)(33.3)(9.4)(1.7)(100) 

松江雲南出雲大田浜田 益田隠岐島根県
2012(H24)年5836553139148241
2013(H25)年437292018175139
2014(H26)年71736514156154
2015(H27)年345461014148131
2016(H28)年37528623135117
2017(H29)年31820639112117

(罹患率)
 罹患率は、人口10万人当り1年間に何人の新規結核患者が届け出られているかを示しており、地域間で結核発生の状況を比較する際に用いられる。
 上段は患者、無症状病原体保有者両方を含めた総届出数によるもので、集団発生のため届出数の多かった浜田圏域の罹患率が高くなっている。 下段の結核患者に限定した罹患率(地域間の比較にはこちらの方が用いられる)は、全県では2016(平成28)年の12.6からさらに改善し、「島根県結核対策推進計画」 の2015(平成27)年までの目標値である15.0を連続して下回った。圏域別ではやや差があるように見えるが、実数では人口の多い松江、出雲圏域および集団発生のあった 浜田を除いて10未満にとどまっており、圏域間の偏りは大きくないと考えられる。
病型松江雲南出雲県央浜田 益田隠岐2017年2016年
罹患率(総数 注112.714.511.611.448.518.39.917.117.0
罹患率(患者 注28.214.58.111.419.915.09.911.012.6
(2017年10月1日現在の推計人口により算出:人口10万対)
注1:届出総数/推計人口*100000
注2:(届出総数−無症状病原体保有者)/推計人口×10万
※届出された患者の住所を基準にしています。
(2)性別・年齢区分別の発生状況
 70歳以上が過半数を占めている。2017年は1〜4歳代に患者報告があるが、これは接触者検診による届出である。20歳代〜60歳代においても一定数の報告がある。
 乳児1〜9歳10歳代20歳代30歳代 40歳代50歳代60歳代70歳代80歳代90歳〜 総計
男性-212478512146 61
女性-31574359181 56
-5271111111021327 117
 
割合(%):2012-0.81.612.211.811.411.49.811.423.7 5.7100.0
割合(%):20130.7-1.45.02.96.58.611.523.729.5 10.1100.0
割合(%):20141.3-1.37.815.011.111.19.213.122.2 7.8100.0
割合(%):2015-0.80.86.95.38.48.413.012.230.5 13.7100.0
割合(%):2016-0.9-6.811.16.08.512.013.723.9 17.1100.0
割合(%):2017-4.31.76.09.49.49.48.517.927.4 6.0100.0
年齢階級別罹患率(人口10万対)
 年齢階級別の罹患率を見ると、70歳代以上が高くなっており、高齢者の結核対策が重要であることを示している。一方で60歳代以下も潜在性結核感染症が多いとはいえ、一定数の報告がある。
 〜9歳10歳代20歳代30歳代40歳代 50歳代60歳代70歳代80歳代90歳〜総計
男性7.13.17.811.216.120.09.332.358.3139.0 18.5
女性11.33.321.020.59.57.59.320.143.26.8 15.8
全体9.13.214.115.812.913.79.325.648.736.8 17.1
 
2012年3.56.054.935.835.230.822.032.592.492.7 34.8
2013年1.73.013.15.111.213.614.638.864.288.4 19.9
2014年3.53.122.730.220.719.712.823.752.572.3 22.0
2015年1.81.617.39.513.213.015.419.461.5103.2 18.9
2016年1.8-15.718.18.312.312.520.342.8109.4 17.0
2017年9.13.214.115.812.913.79.325.648.736.8 17.1
(2017年10月1日現在の推計人口により算出:人口10万対)
(3)年齢区分別病型分類
 無症状病原体保有者を除いた結核患者の75%を70歳代が占めている。60歳代以下では無症状病原体保有者(潜在性結核感染症)の割合が高くなっている。
区分病型〜9歳10歳代20歳代30歳代 40歳代50歳代60歳代70歳代80歳代90歳〜 総計
実数肺結核-11233315 19552
肺結核及びその他の結核---1----3- 4
その他の結核1--1-12392 19
無症状病原体保有者416787531- 42
割合
(%)
肺結核-50.014.318.227.327.330.0 71.459.471.444.4
肺結核及びその他の結核---9.1----9.4- 3.4
その他の結核20.0--9.1-9.120.014.328.1 28.616.2
無症状病原体保有者80.050.085.763.672.763.650.014.33.1 -35.9

(4)自覚症状
 肺結核では、自覚症状あり83.7%(主な症状:咳50%、痰40%、発熱37%等)、自覚症状なし17.3%であった。
 肺結核及びその他の結核では、自覚症状あり100%(主な症状:咳50%、痰50.0%、発熱100%等)であった。
 その他の結核では、自覚症状あり90%(主な症状:発熱47%、呼吸困難21%等)であった。
 総数発熱胸痛 呼吸困難なし症状なし(%)
肺結核52262119159(17.3)
肺結核及びその他の結核4224-1--
その他の結核19439142(10.5)
総数実数11732263221053 
(%)(100)(27.4)(22.2)(27.4)(1.7)(8.5)(45.3)
*症状無し及び症状有りの割合については、患者数で割ったもの。
*症状(重複あり)の割合については、咳等自覚症状の数を症状有りの数で割ったもの。
(5)その他
 結核研究所のホームページに2017年の島根県の結核管理図が掲載されており、患者発見の遅れや治療期間、治療成績などの記載があります。
 詳しくは、結核研究所の管理図のページの、島根県の2017年管理図をご覧下さい。
 なお、統計の違いがあるため、結核登録者情報調査による結核新登録者数については、感染症発生動向調査による患者数と異なります。
島根県感染症情報センター