平成22年度末における本県の国民健康保険の保険者は、表１のとおり市町村21、国保組合１の計22である。昭和49年度以降増減はなかったが、平成16年度から17年度にかけての市町村合併により保険者数は半分以下となった。

　平成22年度平均で見ると、世帯数は103,887世帯、被保険者数は174,663人である。世帯数が平成４年度以降増加しているのに対し、被保険者数は昭和59年度以降減少していたが、平成９年度以降増加に転じ、平成18年度より再び減少傾向にある。平成20年度は平成20年4月に後期高齢者医療制度が創設され、75歳以上の者等が後期高齢者医療制度に移行するなど、対象者が従来と大きく異なっているので単純比較は出来ないが、平成22年度の１世帯当たりの被保険者数は1.68人となり、前年度の1.70人から減少した。

　平成22年度末における被保険者数は、表２のとおり市町村169,052人、国保組合2,271人、合計171,323人である。そのうち退職被保険者等が16,704人である。

　退職者医療制度の適用状況は表３のとおりである。退職世帯及び被保険者数ともに平成16年度以降増加し、国保世帯全体に占める割合も増加していたが、平成20年4月から退職被保険者等が65歳未満の者に限られることとなり、対象者が大幅減となった。

　表４で年齢階級別被保険者の状況をみると、60歳以上の被保険者が多い。特に本県ではその傾向が顕著であり、平成22年度国民健康保険実態調査によると、平成22年９月末の本県国保加入者の約57％が60歳以上であり、全国平均の約46％を大きく上回っている。

　被保険者の増減状況を異動事由別に見たものが表５である。平成22年度中に新たに国保に加入した者の総数は29,071人である。異動事由別で最も多いのは、被用者保険の資格喪失によるもので、全体の７割以上を占めている。

　一方、国保の資格を喪失した者の総数は32,482人である。異動事由別では、被用者保険への加入が最も多く、ついで後期高齢者医療制度への移行が多くなっている。

　平成９年度以降被保険者数が増加していたが18年度以降は減少傾向にあり、平成22年度は平成21年度から3,411人減少した。

　表６は保険給付の状況を年度別に示したものである。

　一般被保険者及び退職被保険者等分の療養諸費は62,213,447千円、前年度比約1.3％の増加となった。高額療養費は5,761,277千円で前年度比約6％の増加、その他の保険給付は293,889千円で前年度比約15.7％の増加となっている。

　表７は被保険者別に総医療費（療養諸費及び医療諸費）の推移を示したものである。

　一人当たり医療費について一般被保険者を基準にして比較すると、退職被保険者等は約0.96倍となっている。

　被保険者100人当たり受診件数（以下「受診率」という。）の年度別推移は、表８のとおりである。

　一般被保険者数及び退職被保険者数等分を見ると、入院・歯科は微増、入院外は微減となった。また、全国平均と比べると、歯科以外の入院並びに入院外の受診率は全国平均を大幅に上回っている。

　１件当たりの診療日数の年度別推移は表９のとおりである。

　一般被保険者及び退職被保険者等分を見ると、入院・歯科は微減、入院外は微増となった。全国平均と比べると、入院外及び歯科では、平均を下回っているが、入院は全国平均を上回っている。

　１日当たりの診療（医療）費の年度別推移は表10のとおりである。

　一般被保険者及び退職被保険者等分を見ると、入院・入院外・歯科すべて増加している。また、全国平均と比べると、入院は全国平均を下回っているが、入院外・歯科は上回っている。

　１件当たり診療（医療）費の年度別推移は表11のとおりである。

　一般被保険者及び退職被保険者等分を見ると、入院・入院外は増加しているが、歯科は減少している。また、全国平均との比較では入院・入院外・歯科すべて上回っている。

　１人当たり診療（医療）費の年度別推移は表12のとおりである。

　一般被保険者及び退職被保険者等分を見ると、入院・入院外・歯科すべてで上回っている。また、全国平均との比較では歯科は下回っているが、入院及び入院外はいずれも大きく上回っている。

　高額療養（医療）費の年度別推移は表13のとおりである。一般・退職を合わせた高額療養費は5,761,277千円、件数は80,676件で、21年度に比べてそれぞれ約6％、4％の増となった。

　平成22年度における本年の現年度分保険料（税）調定額（介護納付金分を含む）を見ると、一般被保険者分が13,439,709千円、退職被保険者等分が1,744,392千円であり、一般と退職を合わせた調定額は15,184,101千円であった。

　現年度分保険料（税）１人当たり調定額等の年度別推移は表14−１及び14−２のとおりである。

　平成22年度の１世帯当たり調定額は146,160円、１人当たり調定額は86,934円でとなり、前年度と比較すると１世帯当たり調定額で4.3％の増加、１人当たり調定額で0.5％の増加となった。

　平成22年度における本年の現年度分保険料（税）収納額を見ると、一般被保険者分が12,620,451千円、退職被保険者等分が1,703,901千円であった。

　収納率は、全被保険者で94.34％であった。市郡別で見ると（表15）、市部が93.88％、町村部が95.86％であった。なお、国保組合は22年度も100％である。平成４年度以降収納率は低下傾向にあったが、18・19年度は連続して上昇していた。しかし、20年度は後期高齢者医療制度の創設などにより、納税意識が高い高齢者が国保から抜けたこと等により大幅に低下した。21年度は前年度から0.02ポイント減、22年度は0.04ポイント増となった。平成22年度分で比較すると、本県の収納率は全国平均88.61％を5.73ポイント上回っている。また、平成17年度の全国２位を例外として平成８年度以降ほぼ全国１位をキープしており、平成22年度も全国１位であった。

　医療給付分及び介護分（介護納付金に関するもの）を合わせた収支状況については、収入合計は75,776百万円、支出合計は74,520百万円であり、それらの収支差引合計額は1,257百万円となっている。（表16）

　収入合計から基金繰入額、繰越金等を除いた単年度収入は73,623百万円、支出合計から基金積立金等を除いた単年度支出は74,290百万円となり、単年度収支差は667百万円の赤字となり、前年度より500百万円赤字幅が減少した。

　市町村国保の保険者別に比較したものが表17である。

　被保険者の状況としては、前期高齢者の占める割合が39.07％と全国平均（31.30％）と比べて高くなっている。

　保険料（税）の一人当たり調定額を比較すると、全国平均81,021円に対し本県は78,028円と低くなっている。県内で比較すると一番高い出雲市（88,191円）と一番低い飯南町（58,744円）で約1.5倍の格差となっている。

　一人当たり診療費を比較すると、全国平均299,333円に対し本県は358,893円と高くなっている。県内で比較すると一番高い川本町（438,147円）と一番低い知夫村（309,115円）で約1.4倍の格差となっている。

表1:保険者数、世帯数、被保険者数（Excel32.0KB、PDF58.5KB）

表2:被保険者数の内訳（年度末）（Excel27.5KB、PDF55.7KB）

表3:退職者医療制度適用状況（年度末、市町村）（Excel28.5KB、PDF53.0KB）

表4:年齢階級別被保険者数（市町村）（Excel27.0KB、PDF59.2KB）

表5:被保険者の異動状況（Excel31.0KB、PDF79.0KB）

表6:保険給付状況（Excel27.5KB、PDF63.6KB）

表7:被保険者別総医療費の状況（Excel28.5KB、PDF59.9KB）

表8:被保険者100人当たり受診件数（受診率）（一般被保険者及び退職者被保険者等分）（Excel28.0KB、PDF46.4KB）

表9:1件当たり診療日数（一般被保険者及び退職者被保険者等分）（Excel27.5KB、PDF46.4KB）

表10:1日当たり診療費（一般被保険者及び退職者被保険者等分）（Excel28.0KB、PDF45.8KB）

表11:1件当たり診療費（一般被保険者及び退職者被保険者等分）（Excel27.5KB、PDF45.9KB）

表12:1人当たり診療費（一般被保険者及び退職者被保険者等分）（Excel27.5KB、PDF46.2KB）

表13:高額療養（医療）費の状況（Excel27.0KB、PDF43.6KB）

表14:現年度分保険料（税）の状況（島根県・全国）（Excel29.0KB、PDF54.7KB）

表15:現年度分保険料（税）の収納率（Excel27.5KB、PDF56.9KB）

表16:年度別決算による収支の状況（市町村）（Excel26.5KB、PDF39.0KB）

表17:市町村国保の保険者別主な状況（全被保険者分）（Excel30.0KB、PDF95.0KB）