島根原発3号機の必要性について
【提案No.A2018-00072】6月4日受付
3号機の必要性について、知事は5月25日の記者会見において「中国電力からは、供給力の確保とCO2削減のためには3号機は必要だという説明を受けております。」と述べられていますが、この中国電力の説明は自己矛盾であり説明に値しない。
「供給力の確保」については、中国電力管内における電力消費量は2007年をピークに減少の一途を辿っている。余剰電力は率にして平成29年度28.4%、平成30年度以降についても約20%を確保している。ましてや、今年の11月に本体工事を開始する「三隅発電所2号機」(100万KW)が加われば、供給力は十分に確保できる。
3号機を稼働させる必要は全くない。また、「CO2削減」するためには3号機が必要としているが、前述のとおり「三隅石炭火力発電所2号機」(100万KW)はCO2を多く排出する石炭火力発電所である。本気でCO2の削減をするのであれば本発電所は即刻中止すべきである。本件に対する島根県の考え方をお聞きしたい。
【回答】7月20日回答
エネルギーは、国民の生活や経済活動に大きく影響するものであり、安定的な電力供給が図られるよう国の政策として進められています。
国のエネルギー基本計画では、再生可能エネルギー、火力、原子力など多様なエネルギー源をバランスよく組み合わせて、より最適な電源構成を目指し電力の安定供給を図ることとしており、2030年度の電源構成比率〔再生可能エネルギー22~24%程度、原子力22~20%程度、化石燃料(天然ガス、石炭、石油)56%程度〕の実現を目指しています。
石炭火力発電所については、温室効果ガスの排出量が多いという課題もありますが、高効率化などにより環境負荷の低減を見据えつつ活用していくとされています。
また、原子力発電所については、全国の電力の安定供給のためには、安全性を大前提に一定程度必要とされおり、政府は「原子力規制委員会が科学的、技術的に審査し、新規制基準に適合すると認めた原発のみ、その判断を尊重し、地元の理解を得ながら再稼働を進める。」という方針です。
島根原子力発電所3号機への県の対応としては、住民の方々も参加する安全対策協議会、原子力の専門家で構成する顧問会議、県議会や関係自治体などの意見をお聴きした上で、まずは、中国電力から原子力規制委員会への新規制基準適合性審査の申請を了解するかどうかについて判断する考えです。
(防災部原子力安全対策課、地域振興部地域政策課)
【提案No.A2018-00127】8月15日受付
1.世界のわずか数%の排出量しかない日本ですが、その中の更に数%が変動することはどれだけ地球環境に貢献するのですか。どういった効果を期待していますか。
2.福島原発は災害により、事故が起こりました。日本の原発はどんな災害にも対応できますか。今後、東日本大震災等を超える災害は起こる可能性はあると思います。地球上で起きた、あらゆる災害を想定されていますか。
【回答】12月18日回答
<1について>
前回の回答のとおり、政府は2030年の電源構成比率の実現を目指しています。
温室効果ガスの削減を含め、エネルギー政策は、国全体の問題であり、政府が国民や関係自治体に対して十分に説明し理解を得るよう取り組んでいく必要があると考えています。
なお、県としては平成27年9月に策定した「再生可能エネルギー及び省エネルギーの推進に関する基本計画」に基づき、再生可能エネルギーの導入促進などに引き続き取り組んでまいります。
(防災部原子力安全対策課、地域振興部地域政策課)
<2について>
福島第一原発事故の後、原子力規制委員会は、事故の教訓を反映させ、海外の知見も参考にしつつ、原子力発電所に関する新たな規制基準を策定しました。
この「新規制基準」では、災害を引き起こすおそれのある自然現象について、地震や津波などの想定を大幅に引き上げ、火山、竜巻、森林火災などの基準を新設しました。
また、これらの自然現象それぞれについて、国内外の最新の科学的・技術的知見を踏まえ、原子力発電所に最も影響を及ぼすものを想定した上で、安全機能が損なわれないことを求めています。
さらに、原子力規制委員会は、国内外で行われる研究開発等によって、原子力発電所の安全性に係る新たな科学的・技術的知見が得られた場合には、随時、基準に反映することとしています。
反映後の規制基準は従前の規制基準を満たした原子力発電所にも適用されることになっているため、稼働している原子力発電所であっても、反映後の規制基準を満たすために必要な設備の改造等を行わなければ、継続して稼働することができません。
一方、原子力規制委員会は、原子力の安全については、リスクは決してゼロにはならないという認識のもと、残されたリスクを低減させる活動に原子力規制委員会と電力会社との双方が不断の努力を続けていくことが重要であるとしています。
新規制基準に適合しても、どのような異常事態にも耐えられるような、100%の安全であるとかリスクがゼロであるとかということを保証するものではないというのが、原子力規制委員会の考えです。
そのため、万が一の事故が発生した場合の防災対策も必要になります。都道府県や市町村は、国が示す計画や指針等に基づき避難計画等を策定し、原子力防災訓練を実施して防災対策の実効性の向上に努めています。
(防災部原子力安全対策課)
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