1.2020(令和2)年感染症発生状況の解析と評価
1)全数把握疾患の発生状況:表1〜3
(1)指定感染症
2020(R2)年2月1日から新型コロナウイルス感染症が指定感染症に指定された。2020年は、全国でおよそ23万件あまりの感染者が確認され、島根県では214件の報告があった。
(2)一類感染症
全国でも報告がなかった。
(3)二類感染症
二類感染症は全国でも報告があったのは結核のみであり、全国で17,108件、島根県で98件の報告があった。結核の報告数は全数把握対象疾患のうち最多である。
(4)三類感染症
全国では、コレラ1件、細菌性赤痢87件、腸管出血性大腸菌感染症3,064件、腸チフス21件及びパラチフス7件の報告があった。島根県では、腸管出血性大腸菌感染症12件の報告があった。
島根県では、2020年に12件の腸管出血性大腸菌感染症の報告があった。高校の寮での集団感染事例のあった2015年(83件)以降は報告件数が減少し、5年連続して10件前後で推移しており、 発生状況としては落ち着いている。血清型別ではO157が多く、なかでもO157VT2が多かった。
島根県では、2020年に12件の腸管出血性大腸菌感染症の報告があった。高校の寮での集団感染事例のあった2015年(83件)以降は報告件数が減少し、5年連続して10件前後で推移しており、 発生状況としては落ち着いている。血清型別ではO157が多く、なかでもO157VT2が多かった。
血清型 | 毒素型 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
O111:H8 | VT1VT2 | 1 | 1(1) | 2(1) | ||||||||||
O121:H19 | VT2 | 1 | 1 | |||||||||||
O157:H7 | VT2 | 2 | 1(1) | 3(1) | 1 | 1 | 8(2) | |||||||
VT1VT2 | 1(1) | 1(1) | ||||||||||||
合計 | 2 | 1 | 1(1) | 3(1) | 2(1) | 1 | 2(1) | 12(4) |
( )内は、無症状病原体保有者の再掲です。
(5)四類感染症
四類感染症は、全国ではレジオネラ症(2,031件)、つつが虫病(511件)、E型肝炎(450件)、日本紅斑熱(420件)、A型肝炎(119件)の報告数が多かった。
ダニ媒介感染症には地域差が見られ、SFTSは九州、中国・四国地方に多く、日本紅斑熱は西日本全域、つつが虫病は東北地方も含んで発生している。
島根県での4類感染症の発生状況は、日本紅斑熱29件、レジオネラ症11件、つつが虫病3件、SFTS2件、E型肝炎1件、日本脳炎1件、レプトスピラ症1件の報告があった。 ダニ媒介感染症はSFTSとつつが虫病がやや少なかったが、日本紅斑熱は過去最も多い報告数であった。
ダニ媒介感染症には地域差が見られ、SFTSは九州、中国・四国地方に多く、日本紅斑熱は西日本全域、つつが虫病は東北地方も含んで発生している。
島根県での4類感染症の発生状況は、日本紅斑熱29件、レジオネラ症11件、つつが虫病3件、SFTS2件、E型肝炎1件、日本脳炎1件、レプトスピラ症1件の報告があった。 ダニ媒介感染症はSFTSとつつが虫病がやや少なかったが、日本紅斑熱は過去最も多い報告数であった。
(6)五類感染症
全国では梅毒の報告数が5,784件あり、報告数の増加が続いている。一方で性的接触による感染が多い後天性免疫不全症候群(1,075件)、アメーバ赤痢(610件)は減少している。
2018年から全数報告に変更された百日咳は2,932件の報告があり、梅毒に次いで多い報告であった。
島根県での5類感染症の発生状況では、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症が34件で最も多く、梅毒は18件で過去10年では最多の報告だった。 その外、侵襲性肺炎球菌感染症20件、破傷風5件、溶連菌感染症2件、アメーバ赤痢2件、水痘2件、百日咳1件、後天性免疫不全症候群1件、 急性脳炎1件侵襲性インフルエンザ菌感染症1件、クロイツフェルト・ヤコブ病1件の感染症が報告された。
2018年から全数報告に変更された百日咳は2,932件の報告があり、梅毒に次いで多い報告であった。
島根県での5類感染症の発生状況では、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症が34件で最も多く、梅毒は18件で過去10年では最多の報告だった。 その外、侵襲性肺炎球菌感染症20件、破傷風5件、溶連菌感染症2件、アメーバ赤痢2件、水痘2件、百日咳1件、後天性免疫不全症候群1件、 急性脳炎1件侵襲性インフルエンザ菌感染症1件、クロイツフェルト・ヤコブ病1件の感染症が報告された。
(7)動物の感染症
島根県では報告がなかったが、全国では細菌性赤痢のサルが6件、エキノコッカス症の犬が3件報告された。