感染症 年報
島根県感染症情報(月報) 2004年10月(10/4〜10/31)
1.県内感染症情報
1)全数報告感染症(1〜5類感染症)
日本紅斑熱が1件(出雲圏域)、破傷風が1件(浜田圏域)報告されています。
2)インフルエンザおよび小児科定点報告 ( )内は月の定点当たり報告数
報告患者数の月間合計は、8月722件、6月1283件、10月650件、と減少しています(昨年の10月の報告件数は537件)。
○感染性胃腸炎:(11)。松江圏域(23)、大田圏域(19)で減少し本年で最小となりました。鳥取県では島根県の2倍強報告されています。
○手足口病:(5.4)。出雲圏域(12)、浜田圏域(8)で流行し始め、松江圏域でも下旬に急増しました。中国地区でも最多となっており、全国では宮崎県をはじめいくつかの県で流行し始めています。
○水痘:(3)。大田圏域(19)、浜田圏域(4)、雲南圏域で流行し始め、中国地区で最多となっています。
○A群溶連菌咽頭炎:(2)。浜田圏域では減少しましたが、雲南圏域(8)、出雲圏域(4)で多くなっています。
○流行性耳下腺炎:(1.3)。益田圏域(5)で小流行が続いています。
3)眼科定点報告
本年は目立った流行はみられていません。今月は流行性角結膜炎が3例報告されました。
4)性感染症報告
性器クラミジアが20〜30歳代を中心に17件、淋菌感染症が30代を中心に7件報告されています。
5)基幹病院報告
○細菌性髄膜炎:初旬に出雲圏域で乳児例1件が報告されました。本年の累計は8になりました。
○無菌性髄膜炎:松江圏域と出雲圏域でいずれも小児例が各2件ありました。
○マイコプラズマ肺炎:今月の報告はありませんでした。
○メチシリン耐性黄色ブ球菌感染症:30件。2002年12月以来の40件未満の報告となりました。西部からの報告が大きく減少しています。
○ペニシリン耐性肺炎球菌感染症:8件。7月以降報告数が少なくなっています。
2.病原体検出情報(10月までの検出結果)
細菌性胃腸炎からは病原性大腸菌とカンピロバクターが多く分離されました。夏期に流行したヘルパンギーナからはコクサッキーA4が主に分離されました。7月から流行している無菌性髄膜炎からはエコー18が主に分離されました。手足口症が9月から流行し、コクサッキーA16が分離されています。
2004年8月 から 2004年10月まで の診断名別病原体検出数:島根県(保環研 感染症疫学科)
ウイルス名 | アデノ | 腸管アデノ | コクサッキーA | コクサッキーB | エコー | アストロ | NV | カンピロバクター | 大腸菌 | 合計 |
型 | 2 | 3 | 5 | 2 | 4 | 9 | 16 | 3 | 18 | 25 | EPEC |
感染性胃腸炎 | 1 | | | 1 | | | | | | | 3 | 1 | 1 | | 3 | 3 | 13 |
咽頭結膜熱 | | 2 | | | | | | | | | | 1 | | | | | 3 |
手足口病 | | | | | | 1 | | 7 | | | | | | | | | 8 |
ヘルパンギーナ | | | | | 2 | 4 | 1 | | | | | | | | | | 7 |
無菌性髄膜炎 | | | | | | | | | | | 20 | | | | | | 20 |
発しん症 | | | | | | | 1 | | | | 1 | | | | | | 2 |
熱性疾患 | | | | | | | | | 2 | 1 | 1 | | | | | | 4 |
咽頭炎 | | | 1 | | | 1 | | | | | 7 | 1 | | | | | 10 |