チクングニア熱
●患者発生地域
チクングニア熱は、アフリカ、南アジア、東南アジアで報告があります。日本国内での流行はありませんが、海外からの輸入症例が報告されています。
2019年6月以降、ミャンマーが推定感染地域とされる症例が複数報告されていることから、検疫所ホームページ(FORTH)で注意喚起が行われています。
・
ミャンマーからの輸入例として報告されたチクングニア熱の増加に関する情報(外部リンク:厚生労働省検疫所FORTH)
●病原体
トガウイルス科アルファウイルス属チクングニアウイルス。RNAウイルスで、蚊によって媒介されるウイルスです。
●感染経路
病原体を保有する蚊に刺されることで感染します。媒介蚊はヤブカ属の蚊で、主としてネッタイシマカやヒトスジシマカです。
デング熱を媒介する蚊と同じで、空き缶、植木鉢の水受け、古タイヤなどに溜まった水でも発生するため都市部でもみられ、日中でも活動することもあり、マラリアを媒介する蚊(ハマダラカ)と異なり注意が必要です。
●予防方法
日中に蚊に刺されない工夫が重要です。具体的には、長袖・長ズボンの着用、昆虫忌避剤の使用などです。
長期の滞在の場合は、蚊帳を使用すると効果的です。
●症状
大多数はチクングニア熱と呼ばれる急性熱性疾患の症状です。発熱と関節痛、発疹(8割程度)、関節痛は関節の炎症や腫脹を伴う場合もあります。関節痛は急性症状が軽快した後も、数週間から数か月にわたって続く場合があります。「チクングニア」とは関節痛の痛みに身体を曲げて苦しむ患者の姿に由来している、といわれています。
●治療
●感染症法に基づく取扱い
4類感染症に指定されており、症状や所見及び病原体・血清学的に診断した医師は、直ちに最寄りの保健所に届出をすることが義務づけられています。
(更新日:2019年9月5日診療ガイドラインのリンク修正、海外の発生状況を更新)