トップ > 医療・福祉 > 薬事・衛生・感染症 > 感染症 > 感染症情報トップ > 疾患別
感染症情報トップ
対象疾患一覧
疾患別
カレンダー
感染症 週報
グラフ一覧

日本脳炎(Japanese encephalitis)
対象疾患一覧県報告数と届出基準全国報告数この疾患に関する情報
日本脳炎
日本脳炎とは
日本脳炎報告の推移  日本脳炎は、日本脳炎ウイルスにより発生する疾病で、蚊を介して感染します。
 九州・沖縄・中国・四国地方などの西日本に多く、1960年代中頃までは、全国と同様に島根県でも流行していましたが、予防接種により患者数は激減しています。
 島根県では、まれに年間1件の報告がある事があり、平成28(2016)年には2件(出雲圏域・益田圏域各1件)、令和元(2019)年には1件(益田圏域)の報告がありました。全国でも年間2から10件程度の発生が続いています。
 一方、毎年実施される島根県の感染症流行予測調査では 今シーズン(2023年)すでにブタで日本脳炎ウイルスがまん延し、ヒトへの感染リスクが高くなっていることがわかりました。予防接種の確実な実施と、蚊の防除が大切です。

病原体と感染経路
コガタアカイエカ  日本脳炎ウイルスは、日本のほか、韓国、中国南部、インド、東南アジアなど広く分布しています。
 ウイルスに感染しているブタ、馬、鳥を吸血した蚊(コガタアカイエカ、アカイエカ)に刺されることで感染します。感染したウイルスは血液中で増殖し、中枢神経に感染することによって脳炎を発症します。
 ヒトからヒトへのウイルス感染はありません。
潜伏期
 発症は、ウイルスを保有する蚊に刺されてから6〜16日後です。
臨床症状
 突然の高熱、頭痛、嘔吐などで発病し、小児では、腹痛、下痢も多くみられます。その後、意識障害や麻痺等の神経系の障害を引き起こし、後遺症を残すことや死に至ることもあります。
 感染しても日本脳炎を発病するのは 100〜1,000人に1人程度で、大多数は無症状(不顕性感染)のまま経過しますが、発症すると死亡率は20〜40%、生存者の45〜75%に後遺症が残り、特に、小児や高齢者では、危険度が高いとされています。
検査室診断
 血液・髄液からの病原体遺伝子の検出(PCR法)、血清抗体の検出(ペア血清による抗体陽転又は抗体価の有意上昇の確認)などを行います。
治療と予防
 特異的な治療法はありません。対照療法として解熱剤、強心剤、ステロイド投与、酸素吸入等を適切に行います。
 予防にはワクチンの接種が有効です。予防接種法に基づく定期予防接種が行われています。 詳しくは、お住まいの市町村へお尋ねください。
 また、他の蚊媒介性感染症の予防と同様、蚊の駆除と蚊に刺されないよう注意することが重要です。
感染症法に基づく取扱い
 4類感染症に指定されており、症状や所見から日本脳炎が疑われ、病原体・血清学的に診断した医師は、直ちに最寄りの保健所に届出をすることが義務づけられています。
更新:2023年7月28日(流行予測調査を更新)
媒介疾患


島根県感染症情報センター