2019/2020インフルエンザ流行状況

　2019/20シーズンは、2019年第48週時点で定点当たりの患者報告件数が1.7となり、目安である1.0人を超え流行期入りしました。 また第50週(12月9日〜)に注意報レベル(10)を超えました。2020年第1週に定点当り23.5となったあとは減少傾向にあり、第5週(1月27日から)には定点当り報告数は9.5となり、注意報レベルを下回りました。第10週(3月2日〜)では定点当り1.6人となり、患者報告数は減少しています。
　年齢階級別では第10週の報告数のうち、15歳未満の小児が75％以上を占めています。
　入院サーベイランス(インフルエンザの重症者の把握)では第10週までの報告数171人中、15歳未満が73人(約43 ％)、65歳以上が77人(約45％)となっていて、小児の入院例が例年よりやや多い状況です。
　インフルエンザウイルスによる急性脳炎の報告は15歳未満の小児で2件あります。
　全国では、沖縄県において定点当り50人を超える規模の大きな流行があり、第37週(9月9日から)に流行期入りの目安となる1を超え、いったん減少していましたが、第45週(11月4日から)に再び1を超えて全国的に流行期入りしています。第週では警報レベル(30)以上の、第10週で注意報レベル(10)以上の都道府県がなくなり、全国でも定点当り3.1人と減少が続いています。
　島根県の学校欠席システムでは、第36週以降、インフルエンザによる欠席の報告があります。第50週(12月9日〜)には、県内すべての圏域で学級閉鎖等の措置がとられています。2020年に入ってからも各圏域で学級閉鎖等の措置が行われており、流行が継続しています。第11週にも閉鎖措置がありました。
　今シーズンは、A型が流行の中心となっており、流行開始と流行のピークは例年よりも早く現れました。後半では病原体定点でB型(ビクトリア系統)が検出され、迅速検査でもB型の報告はありますが、B型による大きな流行にはなっていません。

　インフルエンザの流行状況把握のために、島根県では県内38の医療機関(小児科あるいは内科)を指定して、毎週インフルエンザの患者数を報告していただいています。
　定点から報告のあった患者数の総計を、定点数(38)で割ったものが、「定点当り患者報告数」となります。
　この数値がインフルエンザのシーズン(第35週から新シーズン)中、はじめて1を超えたときに「流行期入り」としています。
　つまり、「県内38カ所のインフルエンザ定点すべてで、1週間に一人以上のインフルエンザ患者を診察する」程度の患者が発生した時が流行期入りです。流行が進んで、定点当り患者報告数が10を超えると「注意報」、30を超えると「警報」レベルの流行となります。