オオシビレタケによる食中毒が発生しました
平成21年6月、当保健所管内で「オオシビレタケ」という毒きのこによる食中毒が発生しました。
このきのこによる食中毒は、島根県では初めてで、とても珍しいケースと言えます。
患者は、市内の家族3人で、自宅庭に生えていたこのきのこを採取し、3人で食べたところ、30分ほどして、めまいや悪寒、しびれなどの症状が出たそうです。
直ちに病院へ行き、治療を受けられた結果、大事には至りませんでしたが、一つ間違えば大事故にもつながった可能性もあります。
以前から、きのこの素人判断は大変危険だと言われています。
ちょうどこれから、きのこのシーズンです。
皆さんも、十分に注意してください。
画像1オオシビレタケです。発生後しばらく経っているため傘が反り返っています。画像2発生後、日照りが続いたため乾燥してしまっています。
以下の、オオシビレタケの特徴を記載します。
<特徴>
・大きさ
傘径:1〜6cm、柄長:2〜9cm、柄径:0.4〜1.3cm
・形
傘:初め円錐形〜まんじゅう形、のち中高平らに開く。表面は湿っている時はやや粘性がある。
ひだ:直生または上生し、やや密。
柄:膜状のつばをつけるが、古くなるとなくなる場合がある。基部に白色の菌糸束がある。中空。
・色
傘:暗灰緑色〜オリーブ褐色、乾くと淡灰緑〜淡にっけい色になる。
ひだ:初め淡灰黄色、のち暗紫褐色になる。縁は白色粉状。
柄:白色、下方に向かってやや褐色を帯びる。
傘、柄、肉は傷つけると青く変色する。
・発生時期
春〜初夏
・発生場所
腐葉土、堆肥、腐ったワラくず、捨てられたもみ殻などのある地上から発生する。
・似ている食用きのこ
エノキタケ
<症状>
食後しばらくして、めまい、悪寒、幻覚、しびれ、散瞳などの中枢神経系の症状が現れる。
<毒成分>
シロシビン
ツキヨタケによる食中毒が発生しました!
平成21年10月、当保健所管内で「ツキヨタケ」による食中毒が発生しました。三瓶山で、ムキタケだと思って採取したキノコを鍋で食べたとのことです。
6人で摂取し、内4名に嘔気、嘔吐の症状が現れ、医療機関を受診されました。同定の結果、「ツキヨタケ」とわかりました。
「ツキヨタケ」は、秋、標高の高いブナ林で、ブナの倒木や立ち枯れの樹幹に発生するきのこです。発生する場所が、ムキタケに似ていることから、よく間違われて採取されるようです。
ツキヨタケの特徴は、下の図に示すとおり、断面の根元に黒いシミがあることです。しかし、すべての個体にあるわけではないので、複数の個体で確認する必要があります。当然のことですが、きちんと同定できない方、自信のない方は、食べないでください。
図ツキヨタケの特徴
画像1立ち枯れのブナに発生したツキヨタケ)
以下に、「ツキヨタケ」の特徴を記載します。
<特徴>
・大きさ
傘径:10〜25cm、柄長:1.5〜2.5cm、柄径:1.5〜3cm
・形
傘:半円形〜じん臓形。やや濃色の小鱗片を有する。ややロウ状を呈する。
ひだ:垂生し、幅は広い。
柄:太く短い柄が傘のほとんど側方に付く。ひだの付け根との境につば様の隆起帯がある。
肉:厚い。
・色
傘:初め黄橙褐色で、成熟すると紫褐色〜暗紫褐色。
ひだ:淡黄色のち白色。
柄:傘より淡色。肉の内部は暗紫色〜黒褐色のしみがある。このしみは不明瞭なもの、ないものもある。
肉:白色。
・発生時期
夏〜秋(特に秋)
・発生場所
ブナ、イタヤカエデなどの枯れ木上に重なり合って発生する。
・その他
暗い場所ではひだが青白く光る。
地方名:ワタリ、ワシタケ
・似ている食用きのこ
ヒラタケ、ムキタケ、シイタケ
<症状>
食後30分〜1時間程で腹痛、おう吐、下痢などの胃腸系の症状が現れる。
ひどい場合はけいれん、脱水症状、アシドーシス、ショックなどを起こす。
<毒成分>
イルジンS、イルジンM
お問い合わせ先
県央保健所
〒694-0041 島根県大田市長久町長久ハ7-1 TEL:0854-84-9800 FAX:0854-84-9819 kenou-hc@pref.shimane.lg.jp