田和山遺跡
国指定史跡(2001年指定、2022追加指定)
指定名称「田和山・神後田遺跡」
所在地:島根県松江市乃白町32-3
宍道湖を見下ろす標高45mの独立丘陵上に位置する弥生時代前期~中期にかけての遺跡で、三重の環壕がぐるりと山頂を囲み、その外側に住居跡が広がっています。
環壕の時期は弥生時代前期末~中期後葉で、出現期には山頂部に最も近い斜面を巡る壕が築かれ、3箇所で壕が途切れる単独環壕を形成しています。その後、弥生時代中期中葉に単独環壕から三重環壕へと規模を拡大させ、中期後葉に廃絶します。環壕外の北側および西側斜面には住居跡が展開し、掘立柱建物16棟・竪穴建物9棟が検出されています。
日本列島における弥生時代の環壕集落は、環壕内部に住居跡もしくは貯蔵穴を配置する構造が一般的ですが、田和山遺跡では、山頂部に弥生時代前期~中期初頭の5本柱建物と中期中葉~後葉の9本柱建物が配置されるのみで、環壕内部に居住域や貯蔵穴を有する環壕集落とは特異な性質を有しています。
田和山史跡公園では、田和山サポートクラブの皆さんによるガイドをおこなっていますので、団体ガイドをご希望の方は事前にお問い合わせください。
田和山遺跡(空撮写真)
松江市提供
整備後の田和山遺跡
松江市提供
整備後の三重環濠
松江市提供
田和山遺跡出土遺物
田和山遺跡では、環壕およびその内外から弥生土器のほかにも石製品や鉄製品などの多種多様な遺物が出土しています。
石鏃・石剣・環状石斧・つぶて石などの武器類は三重環壕の防御的性格を示していますし、煮炊きや貯蔵用の土器類は集落遺跡としての性格や遺跡の継続時期を示しています。なかでも石板状石製品は楽浪郡で作られた板石硯の可能性があり、入手経路は不明ですが、弥生時代の東アジア圏域での交流を裏付ける資料となっています。これらの出土品のうち特に重要なものは、2019年に島根県有形文化財(考古資料)に指定されています。
武器形石器
松江市提供
石剣
松江市提供
板石硯
松江市提供
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