朝酌川遺跡群
所在地:島根県松江市西川津町
朝酌川に沿った低湿地遺跡群で、2キロメートルにわたって連なる西川津遺跡、原の前遺跡、タテチョウ遺跡などを総称したのが朝酌川遺跡群です。1977年以降、河川改修などにともなって発掘調査がおこなわれ、膨大かつ優れた出土品が見つかりました。ムラの縁辺に広がる湿地であったとみられ、護岸施設や溝跡などが確認されていますが、ムラの中心部などは良くわかっていません。土手にある公園には遺跡の解説板が設置されています。
西川津遺跡5区(空中写真)
島根県教育庁埋蔵文化財調査センター提供
西川津遺跡2A区(空中写真)
島根県教育庁埋蔵文化財調査センター提供
発掘調査の成果
1974年から断続的に発掘調査が行われ、縄文時代から江戸時代までの遺物が大量に出土しました。弥生時代の遺物は、銅鐸をはじめ、大量の弥生土器、隠岐産の黒曜石などで作られた石器、農具などの木製品、魚や獣の骨など多種多様で、これらは朝酌川遺跡群が出雲東部を代表する拠点集落跡であることを示しています。また、出土品には 石器、木器、玉類の未成品が含まれ、これらの品々の生産を朝酌川遺跡群で行っていたことがわかります。生産品は、朝酌川遺跡群の中では使い切れない量であることから、周辺のムラに供給していたと考えられます。朝鮮半島、九州、瀬戸内、近畿などとの広い交流を示す出土品もあり、朝酌川遺跡群が物流の拠点であったことがうかがえます。
流水文銅鐸
弥生土器
隠岐産の黒曜石
木製品
農具の未成品
骨角器製の釣針などの漁労具
管玉の未成品と石材
朝鮮半島の特徴を持つ土器(朝鮮半島系無文土器)
瀬戸内地域との交流を示す分銅形土製品
南西諸島付近で採れるゴホウラ貝でつくられた貝輪
出土品の画像は全て島根県教育庁埋蔵文化財調査センター提供
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