姫原西遺跡
所在地:島根県出雲市姫原町
出雲平野の中央部にある遺跡で、国道9号バイパスの建設にともない1996~1997年に発掘調査、弥生時代後期の川跡から大量の出土品が見つかりました。
姫原西遺跡(空中写真)
姫原西遺跡の発掘調査
姫原西遺跡では、弥生時代後期の木橋と多数の土器や木製品、弥生時代後期から古墳時代初頭の掘立柱建物14棟以上、井戸3基が見つかりました。このうち川跡を渡るように掛けられた木橋はB区で3本、BW区で1本みつかりました。最も長い橋は1号橋で、長さ約17メートル、幅1.1メートルから1.4メートルありました。2列に並んだ杭列と細く割った横木で造られています。現存する杭の数は約95本、横木の数は1,000本を超えます。
姫原西遺跡B区
島根県教育庁埋蔵文化財調査センター提供
姫原西遺跡の出土品
川跡から見つかった出土品のうち、特に木製品は、食器・容器など日常雑器類から農耕具、また祭祀具など多種多様で、弥生時代の暮らしぶりが具体的にわかる資料となっています。珍しいものとして、当時中国で使用された弩(いしゆみ)を模倣した製品があります。長さ91.4センチメートルのクワ製で、先端に弓をとおす輪があります。弩は強力なボーガン形の武器で、日本では使用されなかったと考えられています。この製品は実用品とはみられず、模して作られた祭祀用具の可能性もあります。この他に注目される木製品に琴板と呼ばれる楽器の側板があります。琴板とは長方形の箱をバチでたたく打楽器で、出雲では出雲大社、熊野大社、神魂神社で現在も神事で使用されています。出土した側板は長さ38センチメートル、幅8.9センチメートル、厚さ1.1センチメートルのスギ製で、三日月形と円形の透かし穴があります。これは日月を現した響き穴と考えられますが、これは神魂神社の琴板と共通しています。
姫原西遺跡出土の木製品
姫原西遺跡から出土した弩形木製品(側面)
弩形木製品(上面)
姫原西遺跡から出土した琴板
出土品の画像は全て島根県教育庁埋蔵文化財調査センター提供
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遺跡から出土した遺物等が展示されています
島根県立古代出雲歴史博物館(外部リンク)
荒神谷遺跡、加茂岩倉遺跡をはじめ県内で出土した弥生時代の青銅器を一堂に集めて展示しています
お問い合わせ先
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島根県教育庁文化財課
〒690-8502 島根県松江市殿町1番地(県庁分庁舎)
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