砂防事業は土砂災害から人命・財産を守ります
土石流災害による被害の防止
土石流の現象
「土石流」とは、山や谷の土砂が大雨などでくずれ、水と混じってどろどろになり、ものすごい勢いでふもとに向かって流れ出る現象です。
・谷や斜面にたまった土や石・砂などが、大雨や長雨による水といっしょに一気に流れ出します。
・土石流は、自動車と同じくらいのスピード(時速40~50キロメートル)で流れ出ます。破壊力もあるため、大きな被害をもたらします。
・逃げる時は、流れる方向(下向き)ににげても追いつかれます。流れの方向に対して直角に逃げてください。
・谷の出口付近に住んでいる人は特に注意しましょう!!
○土石流による被災状況(布勢川・旧平田市)
対策工法
土石流を防ぐ方法として、砂防ダムを設置します。
大量の土砂や立木が流れ出すと、この砂防ダムで大きな岩や流木・石を止め小さなものを少しずつ下流に流す働きをします。
○タカシビ山1号川(松江市島根町)の砂防えん堤
実施中の主要事業
○野波D事業間連携砂防事業(松江市島根町野波地内)
○柿谷D防災安全交付金事業(松江市島根町野波地内)
○中馬川防災安全交付金事業(松江市美保関町美保関地内)
急傾斜地崩壊対策
がけ崩れの現象
がけ崩れは、急な斜面が、突然くずれ落ちる現象です。
・雨水や雪どけ水ががけにたくさんしみこんだことが原因で起きたり、地震のゆれによって起きたりします。
・がけ崩れは、一気に大量の土がくずれ落ちてくるため、がけの下にいた人は、ほとんどにげることができません。
・高さ5メートル以上、傾きが30度以上の急ながけは要注意です。
・オーバーハング(がけの下よりも上の方が張り出しているがけ)は、雨が降らなくても地震や強い風などで崩れる恐れがあります。
対策工法
がけ崩れ対策工法で松江県土整備事務所管内でよく用いられている工法は以下のとおりです。
・法枠工
コンクリートの枠などで斜面をたくさんの区画に分け、その中を植物やコンクリートで保護し、斜面が崩れないようにします。
・擁壁工
コンクリートなど壁をつくって斜面を押さえたり、崩れてきた土砂を受け止めたりします。
○福浦地区(松江市美保関町)の対策工法:上段右側の格子状の構造物がのり枠工、下段はコンクリート擁壁工
実施中の主要事業
○高山地区事業間連携砂防等事業(松江市美保関町千酌地内)
○玉造西1地区防災安全交付金事業(松江市玉湯町玉造地内)
○才浦1~3地区防災安全交付金事業(松江市美保関町美保関地内)
○平ノ上地区防災安全交付金事業(松江市東生馬町地内)
○秋鹿東地区防災安全交付金事業(松江市秋鹿町地内)
○石野E地区防災安全交付金事業(松江市東持田町地内)
○東奥谷地区県単急傾斜地崩壊対策事業(松江市東奥谷町地内)
地すべり対策
地すべりの現象
地すべりは、比較的傾斜がゆるい斜面が、広範囲にわたって、すべり落ちる現象です。
・地面がひび割れ、家や道がズルズル動き出します。
・被害が大きく、川をせき止めて洪水などを引き起こすこともあります。
対策工法
地すべりの対策工法は、抑制工と抑止工に区分されます。
・抑制工:地すべり地の地形を変化させたり、地下水を排除するなどして、地すべり運動を停止、緩和させる工法
例)地下水排除工(排水ボーリング、集水井工など)、押え盛土、排土工
・抑止工:地すべり地に構造物の持つ抵抗力を利用して地すべり運動の一部または全部を停止させる工法
例)杭工、アンカー工
○片江地区の集水井工(すべり面付近の地下水を排除する工法)
事業担当
島根県松江県土整備事務所
土木工務第四課
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