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矢谷川(谷地区)における流域治水の取り組み

浸水写真

流域治水とは

 流域治水とは、気候変動の影響による水災害の激甚化・頻発化等を踏まえ、堤防の整備、ダムの建設・再生などの対策をより一層加速するとともに、集水域(雨水が河川に流入する地域)から氾濫域(河川等の氾濫により浸水が想定される地域)にわたる流域に関わるあらゆる関係者が協働して水災害対策を行う考え方です。

 流域治水に関する地域での取組を推進するため、河川整備に加え、流域のあらゆる関係者が協働して行う対策も含めた治水対策の全体像を「流域治水プロジェクト」として各水系でとりまとめ、令和3年3月30日に公表されています。

 江の川水系流域治水プロジェクトの内容については、国土交通省水管理・国土保全局ホームページ(外部サイト)を参照してください。

流域の概要

 矢谷川は、島根県邑智郡川本町の太平山付近に水源を発し、細かい谷間平野を緩やかに蛇行しながら流下し、川本町谷地区において江の川左岸に合流する、流域面積18km2、流路延長7.6kmの河川です。

○江の川流域図

江の川流域図

 

○矢谷川流域図

矢谷川流域図

○事業箇所

事業箇所

災害の状況

 谷地区は、宅地の地盤高が低く、江の川本川からのバックウォーター現象により度々浸水被害が発生しています。

 江の川の水位が過去最高水位となった昭和47年7月の洪水では、半壊16戸、床上浸水161戸、床下浸水7戸、合計で184戸(全戸の約60%)もの被害を受けました。

 その後も幾度となく大きな被害を受けており、近年では平成30年7月、令和2年7月と立て続けに浸水被害が発生しました。

令和2年7月洪水

1.左岸上流部の浸水状況

左岸上流部の浸水状況

2.右岸下流部(宅地)の浸水状況

右岸下流部宅地の浸水状況

3.右岸下流部(県道)の浸水状況

右岸下流部県道の浸水状況

江の川水系下流支川域河川整備計画

矢谷川の治水対策を実施するために必要となる「江の川水系下流支川域河川整備計画」を変更するため、有識者に意見を伺う「江の川水系下流支川域川づくり検討会」を開催し、令和4年3月に河川整備計画の変更を行いました。

※内容の詳細につきましては、島根県河川課ホームページをご覧ください。

第1回江の川水系下流支川域川づくり検討委員会

【開催日】

 令和3年12月21日(火)

【議事内容】

1.概要説明
・流域の概要
・江の川水系下流支川域の近年の出水状況
・江の川流域の治水事業の進め方
・矢谷川の治水対策
・波積ダム(都治川)の建設

2.河川整備計画、付属資料(素案)の審議
・素案の説明

3.質疑等

第2回江の川水系下流支川域川づくり検討委員会

【開催日】

令和4年2月1日(火)

【議事内容】

1.河川整備計画、付属資料(原案)の審議

取り組み状況

 住民の皆さまをはじめ、あらゆる関係者により河川整備とまちづくりが一体となった流域治水の取り組みを進めるため、実施手順や事業手法等について検討を進めています。

 取り組み状況については、進捗にあわせて随時お知らせいたします。

測量作業

○護岸の詳細設計等を行うために必要な現地の測量作業を行っています。

測量写真

実施期間:令和3年7月~

河川状況調査

○現在の河川の流量等を把握するため、河川への水位計の設置や流量観測を行っています。

流量観測写真

実施期間:令和3年6月~令和3年8月

埋蔵文化財調査

 事業箇所において埋蔵文化財の有無を確認するため、トレンチ調査により遺跡の分布状態や深さ等について確認しています。

 トレンチ調査とは、本格的な発掘調査や遺跡の性質を判断するために行う試掘調査方法の一つで、表面の耕作土などを溝状に除去し、地層状況や遺跡状態を確認する調査です。

○左岸上流部で行ったトレンチ調査の状況です。古い地層が確認されました。

トレンチ調査1

トレンチ調査2

実施期間:令和3年7月

地質調査

造成盛土の安定検討や架け替えを行う町道橋の設計等に必要な地質調査を行っています。

○左岸上流部でのボーリング調査の状況です。

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実施時期:令和4年10月~

建物等の調査

事業地内にある建物等の調査については、基本的に所有者の方に移転していただくことになります。

この移転に要する費用、移転に伴い通常生じる損失についての補償額を算定するため、建物等の調査を行っています。

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実施時期:令和4年10月~

建物等の解体が始まりました

建物等の所有者と補償契約を締結し、令和5年12月から建物等の解体が始まりました。

まずは左岸上流部の先行整備エリアについて、建物等の解体が終わりましたら盛土の造成工事に着手する予定です。

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令和3年度第1回地元説明会(令和3年7月29日開催)

 事業実施までの応急対策等について、令和3年7月29日に地元説明会を開催しました。

 浸水被害の応急対策として、矢谷川沿いに大型土のうを設置する計画について国と県から説明し、住民の了承を得ました。

 今後、現地の詳細な測量や設計を行い、冬頃から工事に着手して、来年6月の出水期までの工事完成を目指します。

地元説明会写真

令和3年度第2回地元説明会(令和3年12月9日開催)

 かねてから検討を進めている応急対策や、治水対策と合わせて取り組むまちづくり構想図案等について、令和3年12月9日に地元説明会を開催しました。

1.応急対策について

 応急対策として実施する大型土のうの設置等について、具体的な設置位置や高さ等について国と県から説明し、住民の了承を得ました。

 国が設置する下流側は来年春頃から、県が設置する上流側は来年2月頃から工事に着手して、来年6月の出水期までの工事完成を目指します。

2.まちづくり構想について

 水源地、朝霧館(公民館)、公園などの「公共施設ゾーン」、事業所を集積した「業務地ゾーン」、定住促進住宅、若者向け住宅、高齢者向け住宅などの定住促進を目的とした「町営住宅・新規住宅ゾーン」、親水テラスやグラウンドゴルフ場などが出来る広場を設ける「親水公園ゾーン」等を設置したまちづくり構想図、県道の位置や使い方について住民から意見をお聞きしました。

 住民と協議しながら、今年度中に取りまとめる予定としています。

3.個別面談・意向調査について

 宅地嵩上げ後の住居(営業)地の再配置計画を検討するため、地区内における移転先の意向調査を行うことについて説明しました。

 来年2月頃に個別面談を行い、移転先の意向等をお聞きする予定としています。

4.今後のスケジュールについて

 今年度にまちづくり構想を策定し、その後、詳細設計、用地調査・用地補償、工事を行い、全体として約10年後の完成を目指すスケジュールを説明しました。

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令和3年度第3回地元説明会(令和4年3月1日開催)

 令和4年3月1日に地元説明会を開催し、治水対策と合わせて取り組むまちづくり構想や、工事に着手した応急対策の状況説明などを行いました。

1.まちづくり構想について

 12月9日の地元説明会でいただいたご意見やご質問への回答を行いました。詳細は後日発行する谷地区だより第2号に掲載する予定です。

 皆さまにご了承いただけましたので、まちづくり構想が完成しました。

2.防災情報について

 土砂災害が発生するおそれのある区域(急傾斜地、土石流)について、宅地の嵩上げ後も基本的に現在の区域は変わらないことを説明しました。

 移転先を検討する際の参考としていただきます。

3.応急対策について

 大型土のうの設置を国(下流側)は4月から、県(上流側)は3月下旬から開始し、6月の出水期までに終えることを説明しました。

4.用地補償の考え方について

 用地補償の進め方などの基本的な考え方について説明しました。

5.個別面談・意向調査について

 地元説明会の終了後、住民の皆さまと個別面談を行い、住宅の移転先等について意向の確認を行いました。この結果を踏まえ、宅地の再配置計画の検討を行っていきます。

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令和4年度第1回地元説明会(令和4年8月23日開催)

 令和4年8月23日に地元説明会を開催し、県施行区間の施工順序や今後のスケジュールなどについて説明を行いました。

1.県施行区間の施工順序について

まちづくり構想において、町営住宅・新規住宅ゾーンと換地ゾーンとしている左岸上流部を先行整備エリアとして事業を進めることについて説明しました。

2.今後の予定について

今後設計、用地測量、物件調査を進め、先行整備エリアについて来年1月頃から建物移転補償目安額を説明する第二回個別面談を開始することについて説明しました。

3.イメージパースについて

川本町で作成したイメージパースを公表しました。

4.臨時個別面談について

地元説明会の終了後、住民の皆さまと臨時個別面談を行いました。

令和4年度第2回地元説明会(令和5年3月7日開催)

 令和5年3月7日に今年度2回目の地元説明会を開催し、現在の設計、物件調査の状況および今後のスケジュールなどについて説明を行いました。

1.県施工区間の設計について

(1)落石対策工、(2)町道橋架け替え、(3)土取り場、(4)仮橋・迂回路について、現在の設計状況を説明しました。

2.県施工区間の物件調査について

左岸側の物件調査は3月でほぼ完了し、順次第二回個別面談を行っていること、右岸側の物件調査は4月から着手して、8月頃からの個別面談を予定していることについて説明しました。

3.国施工区間の調査設計について

国施工区間において、(1)護岸・道路・造成地の詳細設計、(2)水源地の調査・施設検討、(3)県道橋の概略設計に着手することについて説明しました。

その他、護岸の基本形状など設計に関する説明を行いました。

4.新しい橋の名前募集について
1月下旬頃に自治会員にお配りした新しい橋の名前募集について応募をお願いしました。

(補足)谷自治会員を対象として新しい橋の名前募集を行っています。


5.臨時個別面談について
地元説明会の終了後、希望された住民の皆さまと臨時個別面談を行いました。

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令和5年度第1回地元説明会(令和5年9月1日開催)

 令和5年9月1日に地元説明会を開催し、先行整備エリアの町営住宅配置計画(案)や事業スケジュールについて説明を行いました。

1.令和5年度のスケジュールについて
1)測量調査設計、2)個別面談・用地買収・補償、3)工事について、令和5年度のスケジュールを説明しました。

2.先行整備エリアの町営住宅配置計画(案)について
先行整備エリアに建設する町営住宅の配置計画(案)について説明しました。

3.先行整備エリアの事業スケジュール(案)について
先行整備エリアの工事着手から居住開始までの年次計画について説明しました。

4.追加提案のあった土取り場候補地について
昨年度末の地元説明会時に追加提案のあった土取り場候補地について、検討結果を説明しました。

5.国施工区間のスケジュールについて
左岸下流部の用地調査のスケジュール等について説明しました。

6.臨時個別面談について
地元説明会の終了後、希望された住民の皆様と臨時個別面談を行いました。

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・先行整備エリアにおける町営住宅配置計画(案)

令和5年度第2回地元説明会(令和6年3月14日開催)

 令和6年3月14日に地元説明会を開催し、以下の内容について説明を行いました。

1.国施工区間について

(1)今年度の状況報告と来年度の予定について

・下流の国施工区間で実施中の調査設計の実施状況と、来年度の予定について説明しました。

(2)県道橋について

・架け替えとなる県道橋の構造形式について説明しました。

(3)施工順序について

・下流の国施工区間の施工順序について説明しました。

2.県施工区間について

(1)町道橋の施工順序について

・架け替えとなる町道橋の施工順序について説明しました。

(2)区画割りについて

・上流の県施工区間の区画割りについて説明しました。

・先行整備エリアへの移転申し込みを来年度から開始することを説明しました。

3.臨時個別面談について

地元説明会の終了後、希望された住民の皆様と臨時個別面談を行いました。

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令和6年度第1回地元説明会(令和6年9月4日開催)

 令和6年9月4日に地元説明会を開催し、以下の内容について説明を行いました。
1.まちづくり構想図の変更について
・現時点の設計内容を反映した変更構想図について説明しました。

2.先行整備エリアへの移転希望の受付開始について
・先行整備エリアへの移転希望の受付開始、届出方法等について説明しました。

3.令和6年度のスケジュールについて
・令和6年度の測量調査設計、用地買収・補償、工事、イベント(着工式等)について説明しました。

4.国施工区間の進捗状況について
・矢谷川下流側の橋梁等の調査設計の状況を説明しました。

5.造成工事の予定について
・先行整備エリアの造成工事について、内容を説明しました。

6.新しい橋の名称について
・事業で新しく設置する2つの橋について、名称を報告しました。

7.個別面談について
・説明会終了後、希望された住民の皆様と臨時個別面談を行いました。


 

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仮橋の下部工が完成しました

・工事中の迂回路となる仮橋の下部工が令和6年7月に完成しました。

・続けて、仮橋の上部工架設、盛土工事を行います。

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(令和6年7月撮影)

仮橋を設置しました

・工事中の迂回路となる仮橋の上部工を令和6年9月に設置しました。
・引き続き盛土工事を進めていきます。
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