八戸川の災害復旧に向けた取り組み
八戸川通信を更新しました!【令和4年3月(最終号)】
取り組み目標
平成30年7月豪雨と同規模の洪水から浸水被害を防ぎます。
平成30年7月5日~7月8日の梅雨前線豪雨により、江の川上流の広島県では、大雨特別警報が発表されるなど豪雨に見舞われました。
下流に位置する島根県江津市桜江町川戸~小田地内では江の川の水位上昇に伴い、一級河川八戸川の水位が上昇し、堤防決壊や堤防越水が発生しました。
これにより約100haの範囲の浸水、床上浸水39戸、床下浸水14戸の家屋被害や主要地方道桜江金城線の30時間以上におよぶ通行止めなど地域に多大な被害が生じたため、「越水させない原形復旧」を適用した河川災害関連事業により堤防を嵩上げし、再度災害の防止を図るものです。
《「八戸川河川等災害関連事業」パンフレット【PDF5.4MB】》
八戸川の位置
八戸川は江津市桜江町(ごうつしさくらえちょう)において江の川に合流する流域面積300km2の江の川の一次支川です。
八戸川の災害の状況
江の川の水位上昇に伴い、八戸川では越水による被害が発生しました。
気象状況
7/5から7/7にかけて停滞した梅雨前線に向かって、西日本を中心に暖かく湿った空気が流れ込み、江の川上流の広島県では、大雨特別警報が発表されるなど、総雨量350~400mmの豪雨に見舞われました。
越水状況
広島県側の豪雨により江の川の水位が上昇し、八戸川の水位は江の川からのバックウォーター現象によって、T.P.=20.39mまで上昇しました。(7月7日6時30分)
写真は、7月7日15時50分のT.P.=19.60mの時(最高水位より80cm下がり)の状況です。
堤防越水により、全体で約100haが浸水しました。また、堤防の最も低い箇所では、堤防決壊が発生しました。
本川(江の川)水位の影響により 支川(八戸川)が流れにくくなり 急激な水位上昇が起こること |
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越水状況写真
被災状況
《施設被害》
堤防越水により発生した堤防決壊箇所では、大型土嚢及び盛土による応急工事を早期に実施しました。
《一般被害》
堤防越水により、浸水面積93.5ha、床上浸水39戸、床下浸水14戸の家屋被害が発生したほか、主要地方道桜江金城(さくらえかなぎ)線の通行止が30時間以上にも及ぶなど大きな影響が出ました。
八戸川の復旧方針
平成30年7月豪雨と同規模の洪水から浸水被害を防ぐことを目標に、一級河川江の川水系八戸川河川等災害関連事業(以下、「八戸川災害関連事業」)を実施します。
八戸川災害関連事業は、県内3例目となる「越水させない原形復旧」という特殊な災害復旧の要件を適用した上で、一連の効用を発揮するため、未災箇所を含めて改良復旧することにより再度災害を防止する「河川等災害関連事業」を行うこととしています。
越水させない原形復旧
《越水させない原形復旧とは?》
越水により堤防等の施設に被害が生じた場合、被災箇所の原形復旧に当たり上下流の河川改修計画と整合性の図れる範囲で、堤防の嵩上げ等を実施し、再度災害を防止するものです。
河川等災害関連事業
《災害関連事業とは?》
再度災害の防止のため、被災箇所あるいは未被災箇所を含む一連の区間について、一定計画等に基づき災害復旧事業費に改良費を加えて実施する改良事業です。
県単災害関連事業
河川等災害関連事業の区間外のうち、浸水被害があった上流区間については、「県単災害関連事業」として河川等災害関連事業と同様の事業を実施します。
八戸川の復旧方法
被災水位まで堤防の嵩上げを行うとともに、宅地や農地等への浸水を防ぐための樋門を設置します。
河川等災害関連事業
・現況の堤防位置に、被災水位(D.H.W.L)と同じ高さまで築堤盛土を行います。
・築堤盛土によって最大5m程度堤防が高くなります。
・浸透水による噴き出し(パイピング現象)のおそれがある箇所については、小段を設けます。
県単河川災害関連事業
・堤防のない区間について、被災水位まで堤防(パラペット堤)の設置などを行います。
八戸川の事業進捗状況
《令和3年5月末現在》
現在工事中の区間は次のとおりです。
○第1期工事…左岸築堤工事のために圃場水路の仮移設工事、施工ヤード整備工事を行います。【R2.3完了】
○第2期工事…左岸下流部の樋門の新設工事を行います。【R3.2完了】
○第3期工事…左岸築堤工事(完成高さ-1.0mまで)を行います。【R3.2完了】
○第4期工事…右岸築堤工事のために護岸工事、施工ヤード整備工事を行います。【R2.3完了】
○第5期工事…右岸下流部の築堤工事(堤防の嵩上げ)及び樋門の新設工事を行います。【R3.3完了】
○第6期工事…右岸築堤工事のための護岸工事、右岸上流部の築堤工事(堤防の嵩上げ)及び樋門の新設工事を行います。
〇第7期工事…左岸築堤工事(第3期工事の続き)を行います。
〇第8期工事…左右岸の堤防舗装工事を行います。
〇第9期工事…仮設工事用道路の撤去、圃場の復旧等を行います。
八戸川通信
地元にお住まいの方々へ工事の進捗状況をお知らせしています。
八戸川通信Vol.12(令和3年6月)【PDF1504KB】
八戸川通信Vol.13(令和3年7月)【PDF1648KB】
八戸川通信Vol.14(令和3年8月)【PDF1951KB】
八戸川通信Vol.15(令和3年9月)【PDF1817KB】
八戸川通信Vol.16(令和3年10月)【PDF1907KB】
現場定点写真
その他関係する事業
危機管理型ハード対策
大規模氾濫等により、万が一、堤防を越水した場合に備え、堤防決壊までの時間を少しでも長くし、
被害を軽減させるための堤防補強対策を行っています。
※令和2年8月をもちまして、上記工区の工事はすべて完了いたしました。
ご協力ありがとうございました。
地区 | 着手前 | 完了後(R2.8撮影) |
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小田 地区 |
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今田 地区 |
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川戸 地区 |
お問い合わせ先
浜田県土整備事務所
浜田県土整備事務所 〒697-0041 島根県浜田市片庭町254 電 話 0855-29-5654 FAX0855-29-5691(業務部、維持管理部、土木工務部) 0855-29-5623(農林工務部)