八尾川は、隠岐諸島(おきしょとう)最大の島である島後(どうご)を流れる川です。はんらんを繰り返したこの川の治水対策のひとつとして、河口(かこう)部分に放水路(ほうすいろ)を開きました。「隠岐、花の島づくり」の取り組みが全島をあげて行われている中で、山を切り取ったことによりできた斜面には、スイセンの球根を植え込みました。
このスイセンは、同じ島にある都万村(つまむら)の油井(ゆい)地区に群落を作っている自生しているもので、「油井スイセン」と呼ばれています。ひとつの茎にたくさんの花をつける房咲き(ふさざき)で、八重のものと、一重のものがあります。

　花の季節には、道端や岸壁、さらには海岸にいたるまで一面に咲く油井地区には及びませんが、八尾川放水路も、かれんな白い花と高い香りによって、美しい花空間となることでしょう。