河川・海岸の現況
河川の概況と整備方針
河川の概況と整備方針
概況
島根県の河川は、一級河川3水系456河川、二級水系71水系145河川、合計74水系601河川で総延長は2,959.2kmに及びます。
これらの河川のほとんどは中国山脈に源を発し、その北斜面を流れ下って日本海に注ぐため、短くて流域面積の小さい急流です。加えて、風化侵食を受けやすい地質のため、わずかな雨でも災害が発生しやすい特定があります。
また、県内には、国管理の2ダム、県管理の13ダム、県企業局管理の2ダム、中国電力管理の5ダム、農地防災・かんがい用ダム等の8ダム合計30ダムが建設され、洪水調節、流水の正常な機能の維持、上水道、工業用水の供給及び発電を行っています。
(平成30年3月時点)
※水系:河川の本流、支流、湖沼を含めた水の流れの系統
参考《河川の種類とその管理》
河川は、その重要度に応じて、河川法の対象となる一級河川及び二級河川に指定されています。
一級河川は国民経済上特に重要な水系である河川です。国土交通大臣が全面的に管理する重要度の高い「国管理区間」と都道府県知事が管理する「指定区間」があります。
二級河川は一級河川以外の公共の利害に重要な水系である河川です。都道府県知事が管理します。
それ以外の小規模な河川は市町村長の管理となります。
整備方針
「島根県総合発展計画」では、「安心して暮らせるしまね」、「心豊かなしまね」を掲げており、河川整備を効果的、重点的に進めることとしています。特に「斐伊川神戸川治水対策の促進」、「河川総合開発の促進」等治水対策に取り組むとともに、自然景観や水辺環境を考慮した河川の環境整備、河川管理施設の老朽化対策を進め、「活力ある島根」の実現に寄与する川づくりを目指します。
平成25年に改正された河川法では「治水・利水・環境・維持管理」の総合的な河川整備を推進することとなり、本県においても「安全・活力・美しさ」をキーワードに、下に示す川づくりの基本理念に基づき、河川整備を推進していきます。
《河川法の変遷》
〔3つの基本理念〕
(1)「安全で安心して暮らせる県土」を創る川づくり
・県土の発展を支える基盤の確保
・情報発信と危機管理対策の充実
(2)「健やかな地域」を育てる川づくり
・川と人とのふれあいの場の確保
・まちづくりと一体となった水辺の整備
(3)「豊かな自然」を守る川づくり
・豊かで清らかな水の確保
・豊かで優れた自然環境や景観の保全と整備
河川整備事業
1.国が行う事業
斐伊川水系
一級河川斐伊川は、下流の境水道から上流の大原郡木次町までの約127.7kmの区間と神戸川へ分はする斐伊川放水路4.1kmの区間、神戸川河口から12kmの区間、及び志津見ダム13.4km(神戸川11.8km、角井川1.6km)の区間において国土交通省により管理が行われています。
昭和47年7月の豪雨を契機として抜本的な治水対策が要望され、斐伊川上流部に志津見ダム・尾原ダム、斐伊川中流部に放水路(新川開削及び神戸川の拡幅)、斐伊川下流部の大橋川の改修の3点セットで取り組みを実施中です。また、中海・宍道湖に関しては中海浄化対策が行われるとともに環境護岸や湖岸堤の整備が図られ、中海湖心・宍道湖湖心観測所等において水質監視も行われています。(写真:斐伊川(国管理区間))
江の川・高津川水系
一級河川江の川は河口から広島県境まで全川約91.3kmの区間において国土交通省により管理が行われています。沿川において築堤事業や流域水防災対策事業の実施により、安心して暮らせる安全な川づくりが進められています。
一級河川高津川は河口から益田市神田までの約14.2kmと支川・派川の約5.8kmを合わせ約20.0kmの区間において国土交通省により管理が行われています。高津川派川においてふるさとの川整備事業として河川整備が進められています。(写真:高津川(国管理区間))
2.県の行う事業
□国庫補助事業
広域基幹河川改修事業
県管理河川において一定計画に基づき施行する改良工事で、その総事業費が概ね12億円以上のもの。
(例:五右衛門川、平田船川)
広域一般河川改修事業
県管理河川において一定計画に基づき施行する改良工事で、その総事業費が概ね6億円以上12億円以内のもの。
(例:斐伊川(横田))
総合流域防災事業
水害対策と土砂災害対策、ハード対策とソフト対策を一体的に実施し、地方の自主性・裁量性をより高めつつ、流域一体となった総合的な防災対策を推進することを目的とする事業
(例:三谷川)
鉄道橋・道路橋緊急対策事業
河川の洪水疎通能力が著しく不足しているため、治水上ネックとなっている鉄道橋及び道路橋について、緊急的に改築を実施する事業。
(例:田頼川)
床上浸水対策特別緊急事業
被災後、通常生活の復旧に多大な労力を要し、大きな経済的・身体的負担となる床上浸水が頻発している地域に関連する河川のうち、特に対策を促進する必要がある箇所の河川を対象として、治水手法の集約化・集中実施により、概ね5ヶ年間で再度被災防止対策を完成し、慢性的な床上浸水を早期に解消するための事業。
(例:新内藤川)
□県単独事業
安全な暮らしを守る県単独河川緊急整備事業
水防計画に位置付けられた危険な箇所や慢性的な浸水被害の発生している箇所の解消を目的とした、国庫補助事業に採択されない規模の河川の改良事業。
(例:苅藻谷川放水路(H17完成))
県単独河川環境整備事業
国庫補助事業による河川改修区間外で、背後地の公園整備事業に併せて、親水性、生態系に配慮した河川工事を行うもの。
(例:新田川)
県単河川維持修繕事業
(1)県単河川維持修繕事業
国庫補助事業に採択されない規模の河川の維持修繕事業で掘削、浄化、河川管理施設の修繕を行う事業
(2)県単河川リフレッシュ事業
災害採択されない河道断面3割以上の埋塞土砂の掘削及び河道内の草丈が護岸高の4割以上の箇所の抜根、除草を行う事業。
3.市町村の行う事業
総合流域防災事業(準用河川改修事業)
市町村管理河川において、一定の全体計画に基づき施行する改良工事で、その総事業費がおおむね3億円以上24億円以内のもの。
(例:今市川)
お問い合わせ先
河川課
〒690-8501 島根県松江市殿町8番地(県庁南庁舎) 0852-22-5196 0852-22-5681 kasen@pref.shimane.lg.jp