猪目川のカジカガエル(出雲市)
カジカガエルは、岩石に似た灰褐色の目立たないカエルですが、その美しい鳴き声から、「河鹿」として古くから和歌に詠まれています。鳴き声は、4月の後半から7月末頃まで聞かれますが、梅雨の繁殖期、夕方から夜中にかけて盛んになります。
オスは、水面から出た岩石の上で、盛んに鳴いてメスを呼びます。そして、6、7月頃に水中の岩石の下に、50から80個ほどの卵を含む卵塊が数カ所に分けて産み付けられます。体長は、オスが約4cm、メスが約7cmと、メスの方がかなり大きくなります。
カジカガエルは、自然度の高い清澄な河川に生息しているため、河川の汚染度を測る指標動物にもなっています。全国的にも生息環境の悪化で減少傾向にあり、生息環境を保全していく必要があります。
平成25年3月に閉校した鰐淵小学校猪目分校は「カジカの学校」として知られており、昭和62年からカジカガエルの観察、研究、保護活動をしてきました。現在は鰐淵小学校の児童が保護活動を一部引き継ぎ、カジカガエルの卵を採取し、オタマジャクシの飼育・放流を行っています。他にツガニ、オイカワ、ドンコ等が生息しています。
カジカガエルの鳴き声は、猪目川の河口付近の駐車場で聞くことができます。エンジンを切って、耳をすましてください。川のせせらぎとカジカガエルの美声のハーモニーが楽しめます。カジカガエルの鳴く季節に鳴き声を聞きに訪れてみましょう。
◆「猪目川カジカガエル生息地」(「みんなで守る郷土の自然」のページ)
https://www.pref.shimane.lg.jp/environment/nature/shizen/shimane/minnademamoru/inome.html
赤名のモリアオガエル(飯南町)
モリアオガエルは、体長がメス9cm、オス7cmで、体の色は、背側が緑色、腹側は薄黄色をしています。手足には吸盤が付いており、コナラ、ミズナラ、ブナなどの広葉樹の樹上で生活するのに都合良くできています。
6〜7月が産卵期ですが、他のカエルたちと異なり、卵は水中ではなく、池や沼の水面に張り出した木の枝に産み付けられます。白っぽいソフトボール大の泡状の卵塊には、300〜500個の卵が含まれており、ふ化した幼生はそこから水面へポトンと落ちていきます。
近年では、産卵池等の水質悪化や森林伐採などが進み、生息域が減少したため、しまねレッドデータブックでも準絶滅危惧種になっており、各地域で保護活動が行われています。
飯南(いいなん)町下赤名(しもあかな)にある赤名湿地では、遊歩道の途中にある池でモリアオガエルの産卵が観察できます。カエルを驚かさないよう、遊歩道から静かに観察しましょう。
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