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建設工事の請負契約を巡る紛争の解決について

1.建設工事紛争審査会について

 工事に雨漏りなどの欠陥(瑕疵(かし))があるのに補修してくれない、工事代金を支払ってくれないといった建設工事の請負契約をめぐる紛争の解決を図るためには、建設工事に関する技術、商慣行などの専門的な知識が必要となることが少なくありません。
建設工事紛争審査会(以下「審査会」といいます。)は、こうした建設工事の請負契約に関する紛争について、専門家により、公正・中立な立場に立って、迅速かつ簡便な解決を図ることを目的として、建設業法に基づいて設置された公的機関です。

 

フロー

 

 

(注意)

  • 審査会は、建設業者を指導監督したり技術的な鑑定を行う機関ではありません。
  • 不動産の売買に関する紛争、専ら設計に関する紛争、工事に伴う近隣者との紛争、直接契約関係にない元請・孫請間の紛争などは取り扱うことができません。
  • 審査会の事務局はトラブル相談窓口ではなく、審査会に申請するかどうかは最終的には申請者本人の意志によります。

 

(1)紛争処理の方法

 審査会は、事件の内容に応じて、弁護士や建築の専門家などの中から担当委員を指名し、「あっせん」、「調停」、「仲裁」のいずれかの手続きに従って紛争の解決を図ります。いずれの手続きも原則非公開とされています。

紛争の解決手続き一覧

区分

あっせん

調停

仲裁

趣旨

当事者の歩み寄りにより解決を目指す(注1)

裁判所に代わって判断を下す

特色

調停の手続きを簡略化したもの

技術的・法律的争点が少ない場合に適する

技術的・法律的争点が多い場合に適する

場合によっては調停案を勧告し解決を図る

裁判に変わる手続きで一審制

仲裁判断の内容は裁判でも争えない

委員の数

原則1名 3名 3名

時効中断

あり(建設業法第25条の16) あり(建設業法第25条の16) あり(仲裁法第29条第2項)

解決した場合

の効力

和解書を作成

和解書は、民法上の和解としての効力を有する

調停書を作成

調停書は、民法上の和解としての効力を有する

仲裁判断は、裁判所の確定判決と同一の効力を有する

(執行判決を得れば強制執行が可能)

強制執行には、別途公正証書の作成、確定判決等が必要 ※仲裁申請には仲裁合意が必要(注2)

(注1)解決の見込みのある限り審理を継続することになりますが、一方又は双方が互いに譲歩することなく、容易に妥協点が見出せないような場合には、手続きは打ち切られることになります。

(注2)「仲裁合意」とは、紛争の解決を第三者(この場合は審査会)へ委ね裁判所へは提訴しない事を約した当事者の合意をいい、仲裁手続きを進めるためには、当事者間にこの合意があることが必要です。

(2)申請場所

 審査会への申請は、管轄に従って島根県又は中央(国土交通省本省)の審査会事務局へ行います。

 どの審査会が事件を管轄するかは原則として建設業者の許可行政庁がどこかによって決まりますが、当事者双方の合意があればいずれの審査会へも申請することができます

申請の管轄区分一覧

当事者

大臣許可業者

A県知事許可業者

B県知事許可業者

許可を必要としない業者

発注者(非建設業者)

中央審査会

A県地方審査会

B県地方審査会

現場所在県地方審査会

大臣許可業者

中央審査会

中央審査会

中央審査会

中央審査会

A県知事許可業者

中央審査会

A県地方審査会

中央審査会

A県地方審査会

B県知事許可業者

中央審査会

中央審査会

B県地方審査会

B県地方審査会

許可を必要としない業者

中央審査会

A県地方審査会

B県地方審査会

現場所在県地方審査会

 申請にあたっては、申請書に必要な事項を記載するとともに、証拠となる書類を提出して下さい。証拠書類のうち工事請負契約書・工事請負契約約款はもっとも基礎的な証拠になりますので、必ず提出するようにして下さい。

 

(3)紛争処理に要する費用

 申請手数料の金額は、「あっせん」、「調停」、「仲裁」ごとに異なり、いずれも解決を求める事項の金額に応じて定められています。

 

解決を求める事項の金額による申請手数料
区分 金額500万円の場合 金額2,000万円の場合 金額5,000万円の場合

あっせん

18,000円

40,500円

73,000円

調停

36,000円

73,500円

148,500円

仲裁

90,000円

180,000円

360,000円

 

このほか申請定数料とは別に通信運搬費を予納していただきます。【例】仲裁の場合、50,000円(一律)

 

 

2.島根県の建設工事紛争審査会・公共事業下請問題相談所

 島根県では、建設工事の下請負契約に関するトラブルの相談窓口を次のとおり設置しています。

窓口一覧

窓口設置場所

担当部署

連絡先

相談窓口

県庁土木総務課 建設産業対策室 0852-22-5185 島根県建設工事紛争審査会
松江県土整備事務所 契約業務課 0852-32-5721 公共事業下請問題相談所
雲南県土整備事務所 契約業務課 0854-42-9588
出雲県土整備事務所 契約業務課 0853-30-5619
県央県土整備事務所 契約業務課 0855-72-9606
浜田県土整備事務所 契約業務課 0855-29-5657
益田県土整備事務所 契約業務課 0856-31-9635
隠岐支庁県土整備局 総務課 08512-2-9726

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3.紛争等に関するその他の相談窓口(外部リンク)

■中央建設工事紛争審査会(国土交通省)(外部サイト)

 

■住まいるダイヤル((公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター(外部サイト)

 住宅の新築・リフォームに関する電話相談、リフォーム見積チェックサービスを実施しています。

 

■法テラス(日本司法支援センター(外部サイト))

 お問い合わせの内容に合わせて、解決に役立つ法制度や地方公共団体、弁護士会、司法書士会、消費者団体などの関係機関の相談窓口を法テラス・コールセンターや全国の法テラス地方事務所にて、無料でご案内しています。

 

駆け込みホットライン(国土交通省資料)(PDF910kb)

駆け込みホットラインとは建設業法違反通報窓口のことで、各国土交通省地方整備局等の「建設業法令遵守推進本部」につながります。

 【受け付ける主な法令違反】

 元請下請間の請負契約上の法令違反、工事の施工現場に関する法令違反、虚偽の許可申請及び経営事項審査申請による法令違反

 

■建設業取引適正化センター((公財)建設業適正取引推進機構(外部サイト))

 建設工事をめぐる元請下請間等の請負契約に関するトラブルの相談窓口です。(国からの受託事業です。)

 

 

4.元請負人と下請負人の関係に係る留意点

 建設工事の下請負契約を締結する際には、建設業法等の各種法令を遵守しなければなりません。

 元請負人と下請負人との関係に関して、どのような行為が建設業法に違反するかを具体的に示すことにより、法律の不知による法令違反行為を防ぎ、元請負人と下請負人との対等な関係の構築及び公正かつ透明な取引の実現を図ることを目的として、国土交通省において「建設業法令遵守ガイドライン(平成20年9月改訂)」及び、「発注者・受注者間における建設業法令遵守ガイドライン(平成23年8月)」が策定されました。

(1)建設業法令遵守ガイドラインの抜粋版(島根県作成)

建設業者の皆様へ(元請負人と下請負人の関係に係る留意点)(PDF132.3kb)

 島根県が作成した建設業法令遵守ガイドラインの抜粋版です。

 また、建設業務への労働者派遣を禁止した「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(労働者派遣法)」についても記載しています。

(2)建設業法令遵守ガイドライン等の概要及び全文

(3)下請取引等実態調査

下請取引等実態調査(国土交通省のHPへリンクしています。(外部サイト))

 国土交通省及び中小企業庁では、建設工事における下請取引の適正化を図ることを目的として、建設業法に基づき、毎年全国の建設業者を対象に下請取引等実態調査を実施しています。

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お問い合わせ先

土木総務課建設産業対策室

島根県土木部土木総務課建設産業対策室
住所:〒690-8501島根県松江市殿町8番地(島根県庁南庁舎5階)
電話:0852-22-5185