汚水処理施設は、汚水を集めて一括して処理する「集合処理施設」と、各家庭に個別に浄化槽を設置して処理する「個別処理施設」とに分類されます。

　家庭や事業所などから排出される汚水を下水管で集め、終末処理場でまとめて処理します。

　家屋が密集した市街地、集落などに適しています。

　家庭や事業所ごとに浄化槽を設置して、汚水を個別に処理します。

　家と家との間が離れている地域に適しています。

　下水道は、下水道法により、「公共下水道」と「流域下水道」と「都市下水路」の三つに分けられ、下水道を所管するのは、国土交通省水管理・国土保全局下水道部です。

　「公共下水道」と「都市下水路」は市町村が建設や維持管理を行い、また、「流域下水道」は都道府県が建設や維持管理を行います。

　下水道以外の汚水処理施設としては、農林水産省所管の「農業集落排水施設」や「漁業集落排水施設」、環境省所管の「合併処理浄化槽」などがあります。

　公共下水道とは、家庭や工場などの事業所からの下水を直接に受け入れる下水道で、原則として市町村が行う事業です。この公共下水道のうち下水処理場があるものを「単独公共下水道」といいます。また、下水処理場がなく、下水道管の下流（流末）を、都道府県が行う「流域下水道」につなぐものを「流域関連公共下水道」といいます。

　流域下水道は、2以上の市町村の区域における下水を排除し処理するために、都道府県が設置する下水道で、下水道管（幹線管渠）、ポンプ場及び終末処理場からなり、それぞれの市町村が管理する公共下水道から排出される下水を集めて一括処理するものです。

　公共下水道のうち市街化区域（市街化区域が設定されていない都市計画区域内にあっては、既成市街地及びその周辺区域）以外の区域において設置されるもので、自然公園区域内の水質保全や公共下水道の整備により生活環境改善が必要である区域において施行されるもの、及び処理対象人口が概ね1,000人未満で水質保全上特に必要な地区において施行されるものを特定環境保全公共下水道といいます。

　都市下水路は、主として市街地における浸水を防除するために、市町村が設置・管理する下水道（公共下水道及び流域下水道を除く）で、この構造は大部分が開渠であり、下水処理場を有しないものをいいます。