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貝毒とその監視体制について

 アサリやホタテガイ等の二枚貝類は、まれに有害なプランクトンを食べて毒を持つことがあり、島根県ではそれらの毒化状況を監視する体制をとっています。また、定期的に貝毒検査及び貝毒プランクトン検査を行うことで、皆様が安心して二枚貝を食べられるよう安全性の確保に努めています。

 万一、貝毒が発生した場合には、直ちに県から広報しますので、貝毒が発生した地域の二枚貝を自分で獲ったり、食べたりしないようにお願いします。

 

 

貝毒の特徴

  • 二枚貝類が有害プランクトンを食べて毒化することを「貝毒」といいます。
  • 貝毒は熱に強いため、加熱処理しても毒性は弱まりません。
  • 症状により麻痺性貝毒や下痢性貝毒に分類されます。
  • 貝毒は海水中に有毒なプランクトンがいなくなれば、貝の体内から消えていきます。
  • 毒化するのはプランクトン食性の二枚貝類(アサリ、ホタテガイ等)と一部の甲殻類に限られ、サザエ・アワビなどの巻貝類は毒化しません。

貝毒の規制とその症状

  • 食品衛生法により次の規制値を超えてはならないと定められています。

 麻痺性貝毒:可食部(貝殻を除いた軟体部)1グラムあたり4MU(マウスユニット)

 ※1MUは体重20gのマウスを15分で死亡させる毒量

 下痢性貝毒:可食部(貝殻を除いた軟体部)1キログラムあたり0.16mgOA(オカダ酸)当量

 ※OA(オカダ酸)当量は、下痢性貝毒の毒成分であるオカダ酸群の相当量

  • 麻痺性貝毒の症状は、食後30分で舌、唇がしびれ、重症の場合、体が思うように動かなくなります。最悪の場合、呼吸困難等で12時間以内に死亡することがありますが、多くは12時間で快方に向かい、48時間以内で回復するとされています。
  • 下痢性貝毒の症状は、下痢や腹痛等が現れます。摂取後30分から4時間で発症し、3日ほどで完全に回復し、予後は良好で死亡例はありません。

島根県の貝毒監視体制

  • 島根県では『島根県貝毒対策指針』を定めて、監視体制と貝毒発生時の対応を整えています。
  • 県内の海域を3つに分けて、貝毒の監視を行っています。現在のところ、貝毒検査(マウスアッセイ法、機器分析法)とプランクトン調査の2つの方法で、定期的な監視を行っています。
  • 貝毒検査の結果、可食部の毒量が一定の値(麻痺性貝毒は2MU/g、下痢性貝毒は0.05mgOA当量/kg)を超えた場合は、調査点の増加や検査間隔の短縮等を行い、監視を強化します。
  • 万一、規制値を超えた毒量が検出された場合、直ちに関係各所に対し、その二枚貝の出荷を停止する措置を講じます。
  • その後、1週間に1回の貝毒検査を継続して実施し、3週連続で毒量が規制値以下となれば、出荷停止を解除します。
  • このような措置を講ずることで、毒化した二枚貝が市場に出回らないように努めています。

 

 貝毒検査の概要

島根県内でのこれまでの発生事例

 県内ではこれまで下の表のような貝毒の発生例がありますが、いずれも定期検査により検出されて出荷自主規制などが講じられ、これまでに中毒者は出ていません。

過去の貝毒発生事例

年度

規制した貝の種類

貝毒の種類

最高毒力(MU/g)

 昭和62年

 イタヤガイ

下痢性

1.84

 昭和62年

 ムラサキイガイ

下痢性

0.20

 平成2年

 イタヤガイ

下痢性

0.78

 平成4年

 ムラサキイガイ

麻痺性

29.40

 平成10年

 ムラサキイガイ

麻痺性

12.50

 

※下痢性貝毒における1MUは、体重20gのマウスを24時間で死亡させる毒量


お問い合わせ先

沿岸漁業振興課

〒690-8501 島根県松江市殿町1番地
島根県農林水産部沿岸漁業振興課
電話:0852-22-5314
E-mail:engan_gyogyo@pref.shimane.lg.jp