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将来を見据えた教育を

 島根県教育委員会教育今井康雄

 

 

 子どもの虐待・ネグレクト、社会への理不尽な無差別暴力、すぐにキレる子ども・大人、他人・弱い者を徹底的に批判する風潮、移ろい一方向に流れやすい世評等々、何となく居心地の悪い世の中になったと感じるのは私だけではないと思います。

 翻って、島根では、少子化の進行に伴う児童・生徒数の減少や学力・体力の問題、不登校やいじめ、厳しい経済状況の中での就職難等教育を取り巻く環境は多くの課題に溢れています。

 こうした時代であるからこそ、確かな学力・豊かな心・健やかな体を兼ね備えた子どもたちを育むという、いつの時代にも求められる「教育の普遍性」がより重要になっていると思います。そのためには、

 

1,一人一人に応じて、知る喜び、学習意欲、運動に親しみを感じさせ、子どもたちの持っている力、可能性を最大限に引き出す教育

2,子どもたちに集団の中での決まりを理解させ、役割と責任を自覚し、協調性や思いやりのある行動ができるようにする、言い換えれば、将来、社会人として常識ある生き方のできる人間に育てる教育

3,体験活動等を通して、ふるさと島根の歴史、文化、自然を実感できる教育

 

などをさらに充実する必要があると考えています。

また、今日は、めまぐるしく変化する時代。その動向や県民・地域から期待されるところ等を見極め、スピード感を持って諸課題に対応する必要があることは論を待ちませんが、一方で、少し中長期的な視点に立って考えてみることも必要です。例えば、医師や看護師の不足は、島根の大きな課題であり、義務教育段階から将来を見通し、工夫をこらした教育が求められています。

 教育は百年の大計。島根の将来を形づくる基です。当面の対策はもとより、その成果に一喜一憂することなく、将来をしっかりと見据え、試行錯誤の連続を覚悟しながら取り組むことが大切です。

 さらに、島根には、豊かな自然、伝統ある歴史・文化、人情味あふれる人々や地域等、子どもたちにとって、とても多くのすばらしい教材があります。時あたかも、再来年は、出雲の神話がその三分の一を占める「古事記」が編纂されて千三百年を迎えます。県では、この絶好の機会を捉え、神秘に溢れた島根の魅力を全国に向けて強力に売り出していくことにしています。

 学校では、これまで以上に「ふるさと教育」や「ふるさと読本」等を活用して、島根の子どもたちが、自分の郷土や島根の来し方を確認しながら地域に愛着や誇りを深める中で、これからの島根づくりに主体的に参加できる子どもたちに成長するような教育を進めてほしいと思います。

 私は、児童・生徒と直接向かい合っている学校の先生方、そして何よりも現場を統括している校長先生方と思いを一つにして取り組んでいきたいと考えています。島根の教育の発展のために皆様方の益々のご活躍を心から期待します。

 


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