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再度教師としての自覚を促したい。

 

島根県教育委員会教育藤原義光

 

 9月に発覚した大田高校における卒業生会会計の使い込みは、またまた県民にお詫びする会見を開き、私自身と教育監、高校教育課長も文書訓告処分とする極めて遺憾で憤りに耐えない事件であった。

 本人はむろん、校長、事務長、前任・現任の教頭も厳しく処分することとなった。

 

 昨年2件、同様の刑法犯が発生し、一旦事件を起こせばどういう結果が待ち受けているか十分に推察すべき識見を有しており、しかも、校長からの「公金に手を出したらすべて失う。金策に困れば退職金でならやり直しがきく」との具体的な助言も功を奏さずの結果であった。

 校長、事務長は減給1ヶ月という、かつて管理監督者としての処分ではなかった重い処分を課した。「そこまでやるのか!」といった意見もあろうと承知の上であるが、昨年の事件を受けて全面改正し、それに従った処理を求めている「学校徴収金等取扱要綱」の正確な履行がなされていれば回避できたと思われることから厳しいものとなった。

 

 私はかねてから、つねづね厳しい管理統制型の組織管理は好むところではないと明言してきた。昨年の犯罪を受けての臨時の県立校長会でも同様に発言した。今もこの気持に変わりはない。しかし、ゆらいでいる。

 その上、今度は盗撮という破廉恥犯が発生した。いよいよもって、我が島根県の教員集団をどう把えるべきか、一体全体どうなっているんだと誰かに問いたい気持ちだ。

 

 私が教育長就任以来、横領、万引、セクハラ、飲酒運転など様々な不祥事が起きた。教職不適格事案もある。説得も職務命令もきかぬ管理職もいた。

 教員は聖職であるかどうかという神学・教学論争はどうでもいいが、教育を受ける生徒に対してモラルを語る教員である。鑑である。卑怯を恥じる心、公共心、他人の心を推し量る心を教える立場の者である。

 こうした精神性の欠如、劣化、低下は社会的風潮であるが、それを糾すべき教育者が自ら「率先して」こうした精神の健全性を劣化させていては、社会を糾すどころの話ではない。

 

 「私は島根県の教員です」と胸を張って言えますか?もしも不幸にして教育現場から退場する羽目になった時、生徒にとってはそうした教員から受けた教育の時間ほど、鬱陶しくて、いまわしい過去はあるまい。

 それくらい大きな重い立場にあることの自覚が果たしてあるのか?自信がなければ早々に退場して欲しいと願う。身を誤る前の退場ならやり直しがきく。

 

 「それみろ、やっぱり統制強化だ」という声がありそうだ。違う。私は萎縮して欲しくない。むしろ“チョイ悪”は生徒にも教師にも勧めたいくらいだ。しかし、刑法犯や破廉恥行為は容認できないし、教師として生徒に向ける顔がない筈だ。

 

 再度自覚を促すとともに、結果責任は厳しく問われることを肝に銘じて欲しい。そうでなければ、生徒に申し訳が立たぬはずである。

 

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