「ふるまい向上プロジェクト」
新年度から「ふるまい向上プロジェクト」を強力に推進したいと考えています。
この事業における「ふるまい」とは、礼儀、作法、挨拶、しぐさ、モラル、ルール、躾、道徳、倫理観、生活行動、生活動作、思いやりの総称をいいます。
今、小学校では入学の時点から
・コミュニケーション力の不足、キレる、攻撃性、ふくれる
・常識的・基本的行動がとれない、△が閉じない、集中力・忍耐力がない
・立体視力の低下、指導される意味が分からない
などの子どもたちが増えています。
また社会では、
・社会病理とでもいえるが如く「ふるまい」が衰退
・「暴走老人」に代表されるすべての世代に共通
・幼児虐待、離婚、自己中(つきあいの稀薄さ、コミュニケーション力の低下)
・すべてが「サービス業」との認識、常識の欠如
・箸や鉛筆の持ち方の間違い、手先の器用さに難
など大人を含めたふるまいが劣化しています。
こうした情況を是正していくためには、乳幼児からの養育・教育が必要であり、また、そこから正していくしかないと考えます。
そのためには、
・乳幼児とその養育・教育をする若い親を指導
・その乳幼児と若い親のふるまい向上のためには老壮も正すこと
・次の親となる青少年も正すことが必要であるが、直接の対象を乳幼児とその若い親とすることで焦点化を図り、結果的には全世代のふるまい向上が必要だとの認識を深める。
ことが大切です。
具体的な取り組みは次のとおりです。
【子どもたちには】
1,子どもたちの自然、社会の中での実体験を重視(地域とのかかわり、家庭での社会行動など)
2,生活リズム、食など生活習慣を正す。
3,過度なメディア接触の回避
4,世代間の交流などにより、「自然にできるふるまい」を身に付ける。
5,できるだけ手伝いをさせる。学校でも清掃活動を重視する。
【親世代には】
1,多様な親子で参加する行事、催事への参加呼びかけ
2,知識だけが進み、体験のない子育てについての不安の除去
3,スキンシップ、厳しさと優しさの意義の啓発。
4,次のような親のふるまいの解消。
・「子どものことを考えるといやになる、鬱になる、死にたくなる」
・「授乳中、メールで育児相談」
・「さあ、みんなとお母さんのどちらが先に静かになるかな?」
5,親が手本、親が改善。しまね家庭の日(毎月第3日曜日)の行動推奨
また、推進方法は次のとおりです。
【県においては】
1,「ふるまい向上県民運動」としての取組を標榜
2,ふるまい向上推進県民運動協議会(仮称)の設置・開催
3,妊婦・乳幼児健康診断、相談の活用
4,保育所、幼稚園での取組の強化
5,子育て協力店(こっころ協賛店)などの協力
これらのことについて、市町村においても同様に推進を図っていくこととしたいと考えます。
こうした問題意識をもち、それに対応した取り組みは、既に行っているところです。ふるさと教育、総合的な学習の時間、食育やノーテレビデー、道徳など。また、公民館や青少年健全育成県民会議の活動などが挙げられます。
今回は、こうした活動をより明確に意識して、乳幼児から、事柄によっては出産前から、乳幼児とそれを育てる親を対象として行おうとするものです。
また、父となり母となる誰もが学齢期、青春期を通過します。そういう意味では、小・中・高校でのふるまい向上は、個々人のふるまい向上であるとともに、「やがては親となり乳幼児を子育てする親に対する親学」としての性格と意義をもつものといえます。
こうしたふるまい向上は、いうまでもなく教育を授ける立場の教育者自らが正すことから始まります。礼儀・作法や、細かいことをいえば正しい箸や鉛筆の持ち方を教員自らが正しくすることです。
皆様の理解と取り組みをお願いします。
お問い合わせ先
島根県教育委員会
〒690-8502 島根県松江市殿町1番地(県庁分庁舎) 島根県教育庁総務課 TEL 0852-22-5403 FAX 0852-22-5400 kyousou@pref.shimane.lg.jp