島根県教育委員会は、２月２８日に島根大学との間で「高大連携に関する協定」を、そして３月４日には島根県立大学との間で「包括的連携に関する協定」を締結しました。このように、時期を同じくして島根大学並びに島根県立大学と連携協力協定を締結できましたことを大変うれしく思っております。服部学長様はじめ島根大学の皆様、清原学長様はじめ島根県立大学の皆様に、深く感謝申し上げます。

　島根県教育委員会では、このたびの協定とも密接に関連する「県立高校魅力化ビジョン」を、２月５日に決定し公表しました。これは、２０２０年代の県立高校における教育の基本的な方向性と具体的な取組を定めた計画であり、全ての県立高校において、島根らしい魅力ある学校づくりを推進することとしています。

　このビジョンに掲げた「教育の魅力化」という言葉に私どもがこめた思いは、島根の子どもたち一人一人に、自らの人生と地域や社会の未来を切り拓くために必要となる「生きる力」を育むため、学校と地域社会がその目標を共有し、協働を図りながら、島根の教育をよりよいものに高めていくことです。

　そして、このビジョンを実現するための具体の取組の検討を進めていく中で、島根に根ざして、地域が抱える課題を多角的に研究されるとともに、主体的に学び、実践する人材、地域や社会に貢献できる人材を養成しておられる島根大学と島根県立大学との連携・協働が極めて重要で意義深いということが明らかになってきました。

　魅力ある高校づくりの具体的な取組に、定まった方式や答はなく、各高校がそれぞれの地域で支えていただける多くの皆様との主体的な対話を通して、地域の特色を活かしながら取り組んでいくものと考えます。

　こうした「高校魅力化」に向けまして、多様な主体によります協働体制への参画や、特色あるカリキュラム開発、キャリア教育・課題解決型学習など、主体的な学びを推進するための支援、さらには、高校の教職員と魅力化コーディネーターの育成など、このたび締結した両大学との協定に掲げられた内容は、県教育委員会のみならず、教育の魅力化・教育の質の向上に向けて取り組んでいく各県立高校にとりましても、大変に心強いものになると考えています。

　島根大学におかれては、２月２３日に開催された「次世代たたら協創センター開設記念キックオフ・セミナー」において、県内の高校生が世界最高峰の研究の一端に触れる機会を与えていただくなど、島根の若い世代に大きな感動を呼び起こされました。島根大学の特色ある研究や教育に触れる機会もますます増やしていただけるものと期待いたします。

　島根県立大学におかれては、「第３期中期計画」を新年度からスタートされます。高校の課題解決型学習への参画など、県内の高校との連携・協働を強化される方向性は、私どもが「県立高校魅力化ビジョン」に掲げた取組と重なるところが多く、島根県立大学の特色ある研究や教育に触れる機会もますます増やしていただけるものと期待いたします。

　県教育委員会といたしましては、この度の連携協定を実践に活かし、島根で育つ子どもたちが、自らの人生と地域や社会の未来を切り拓くために必要となる力を身につけ、自分の夢と決意を実現できるよう、両大学の皆様とともに力を尽くしてまいりたいと考えています。

　島根大学並びに島根県立大学で展開される教育・研究をはじめとした諸活動が、一層、充実・発展されますことをご期待申し上げますとともに、関係の皆様には、本県教育の振興と地域を担うひとづくりに向けまして、さらなるお力添えをお願いいたします。