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教育長訓辞:平成27年度県立学校管理職辞令交付式

 

 ただいま、県立学校の校長として、十三名の方に辞令を交付したところですが、九名の方は、今回初めて校長に就任されました。お祝い申し上げます。

 

 さて、島根県教育委員会では、昨年7月「第2期しまね教育ビジョン21」を発表いたしました。基本理念を「島根を愛し世界を志す心豊かな人づくり」としていますが、これは、教育の成果が地域社会の活力とつながることをねらいとしています。そして、島根県の教育目標を「向かっていく学力」「広がっていく社会力」「高まっていく人間力」の3点としています。これは、子どもたちが、これからの社会を生き抜くために必要な力だと考えたからです。これらの基本理念や教育目標を達成するために、すでにいくつかの施策が進行しているところです。

 

 このような中で、県立学校において今年度重点的に取り組むこととして、次の3点のことをお願いします。

 

 1点目は「“学ぶ力”の育成」です。これまでの取り組みにより、小・中学校の学力向上には一定の成果がありました。しかし、自主的・主体的に学習に取り組む意欲や態度といった“学ぶ力”は、まだ十分に身についているとは言えないと思っています。この“学ぶ力”は生涯にわたって主体的に学び続けようとする原動力となるものであり、”学ぶ力”を育むことで“学んだ力”を向上させ、それが新しい”学ぶ力”を生むという好循環を確立すると考えます。これが本県の教育目標である「向かっていく学力」となりますので、小・中学校同様、県立学校においても、この”学ぶ力”の育成をお願いします。

 校長として、主体的な学びを引き出すような授業の質の向上のため、校内外における研修など、教職員の授業力・指導力の向上に引き続き取り組んでいただきますようお願いします。

 

 2点目は「キャリア教育の推進」です。これまでの様々な取り組みにより、専門高校を中心に高校生の就職内定率は2月末現在で98%にまで上昇しました。そのうち県内企業への就職率は79.3%と、高くなっています。しかし、昨年ついに島根県の人口は70万人を割り込みました。少子高齢化とともに人口減少問題は県の重要課題となっています。このような状況にあって、島根の子どもたちには、島根のことを思い、ふるさとに貢献したいと思うような人材に育ってほしいと思っています。そのためには、家庭や地域との連携・協働による教育が必要です。そして、すべての教育活動を通じて、学ぶことと生きていくこと、働くことの関連性について理解を深め、社会的・職業的自立に向け必要となる能力や態度を身に付けさせる取り組みをお願いします。

 

 そして3点目は「特別支援教育の推進」です。特別支援教育については、「しまね特別支援教育推進プラン」に基づき、施策を進めております。

 特別支援学校においては、児童生徒数の増加や障がいの多様化もあり、各学校における専門性の向上に一層努める必要があります。また、センター的機能を発揮し、県内の全ての学校において、特別支援教育の推進が図られるよう努めていただきたいと思います。

 高等学校においても、発達障がいを含め、特別な支援の必要な生徒が在籍していることから、今後とも校内の特別支援教育の体制整備を進めていただきたいと思います。

 

 皆さんは、校長として学校マネジメント力を発揮され、学校管理・運営や人材育成、保護者・地域等との連携などにより、円滑に学校運営を行っていく必要があります。教頭や事務長をはじめ、教職員と意思疎通を図り、組織力・総合力が発揮される職場、また教職員が悩みを相談し合えるような雰囲気の職場になるよう努めていただきたいと願っております。

 また、管理職は、学び続ける教員でなければなりません。国や県、地域の動向を注視し、教育関連の情報を敏感に察知したり、自分から出掛けて情報を掴んだりと、自己研修に励む管理職となられることを期待しています。

 

 終わりに、遠隔地に赴任される方もおられますが、どうか健康には充分留意され、生徒・保護者・地域から信頼される学校づくりのために、大いに活躍されることを祈念しまして、訓辞といたします。

 

 平成27年4月1日

 島根県教育委員会教育藤原孝行

 


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