教育長訓辞〜平成26年度新規採用教職員辞令交付式
ただいま辞令を交付した百八十五名の皆さんは、島根県教職員としての第一歩を歩み始められました。心からお喜び申しあげます。
今日からは、島根の将来を担う子どもたちを育てるという大切な目標に向かって、着実に歩みを進めてほしいと思います。
島根県の現状を見ますと、人口が減少する中で、若者の定住をはかり、産業を振興し、少子高齢化への対応を進めるなど、多くの課題があります。
これらの課題を解決するためには、何よりもその課題解決に携わる人材の育成が不可欠であり、この点から「人を育てる」という教育の果たすべき役割は大きいものがあると感じています。
さて、私も本日、教育長に就任いたしました。皆さんと同じ一年生であります。これまでの島根県教育の基本的な精神を引き継ぎ、よりよい島根の教育をめざし、皆さんとともに考え、行動していきたいと思います。
それでは、現在、島根の教育において実施している主な取組みを紹介いたします。皆さんには、これから学校現場において、これらの取組みを日々実践していただきたいと思います。
まず、「ふるさと教育」についてです。
ふるさとへの愛着と誇りを持ち、豊かな心を育むために、それぞれの地域の自然・歴史文化などの優れた人材や資源、伝統行事などに触れる「ふるさと教育」を進めています。皆さん自身が、それぞれの地域の歴史文化について学び、その素晴らしさを子どもたちに伝え、地域や家庭と連携しながら、島根で暮らすことに誇りを持つ子どもたちを育ててほしいと思います。
次に、学力育成の取り組みについてです。
将来、社会の一員として自立するためには、分野を問わずその土台となるものは、学力であり、学力の育成は学校教育に課せられた重要なミッションの一つです。
小中学校では、しっかりとした基礎・基本の上に応用力も習得させ、また、自ら学ぶ意欲や力を育て、高校では、そうした義務教育課程で身につけた力をさらに高めてほしいと思います。
そのため、学ぶ意味を知り、将来の具体的な自分像を描き、その実現に向かう意欲を高めるキャリア教育も一体的に進めていく必要があります。
次に読書活動の推進です。
島根県は、学校図書館への司書配置が最も多く、「読書県しまね」として注目されています。読書活動の充実は、学力の基礎を育み、想像力や感性を磨き、豊かな心の育成にもつながります。今後、さらに、学校の図書館等を活用した調べ学習に力を入れ、子どもたちの思考力、判断力、表現力を高めていきたいと考えています。
次に、あいさつや礼儀、規範意識や思いやりの心など「ふるまいを大切にする心」は、社会生活を送る上で、当然に身に付けておくべきものです。
島根は、地域社会での人と人との繋がりがまだまだ強く、このような心を育みやすい土壌があります。このふるまいの推進が、学校や地域社会を含めて、広く県民全体に浸透するよう、皆さんには創意工夫した取組みを期待いたします。
また、健やかな体の育成は、学力や豊かな心を培う上でも大切です。最近、子どもたちの体力や運動能力の低下傾向が見られます。現在、島根の豊かな自然など恵まれた環境を生かして、運動に親しむ習慣を身につける取組みを進めています。皆さんには、率先して子どもたちと一緒に身体を動かしてほしいと思います。
教育現場では、日々、いろいろな出来事が起こります。その中では、皆さん自身が心を痛めるような挫折や試練を経験するかもしれません。その時には、独りで抱え込まず、校長先生を始め、諸先輩、仲間に相談してください。そして、何よりも、明るく楽しく子どもたちに向き合う姿勢で、教育を進めてほしいと思います。
皆さんは、これから最初の赴任校に着任されますが、どうか健康にはくれぐれも留意され、自己研さんに努めながら、これからの長い教職員生活でご活躍いただくことを期待いたしまして訓辞といたします。
平成26年4月1日
島根県教育委員会教育長藤原孝行
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