教育長訓辞~平成26年度県立学校管理職辞令交付式
ただいま、県立学校の校長として、二十四名の方に辞令を交付したところですが、十八名の方は、今回初めて校長に就任されました。ご昇任を心からお祝い申し上げます。
さて、本県の教育を取り巻く環境は、皆さんご承知のとおり多くの課題に溢れています。
本県の教育の現状を踏まえ、ご審議いただいた島根県総合教育審議会の答申をもとに、今後の五年間を見据えた「第二期しまね教育ビジョン21」を策定することとしています。
そうした中で、県立学校において、今年度重点的に取り組むこととして、三点お願いしたいと思います。
まず一点目が「学力向上対策」です。これまでの取り組みにより一定の成果がありました。しかし、一方では「島根の将来を支える人材の育成」や「課題解決に向けて主体的に学ぶ態度の育成」、こうしたことについては、まだ十分ではないと思っています。
一年生、二年生の合宿形式のセミナー等による学習への動機づけの促進や教員に対する教科別のチームを組んでの合宿形式の研修等による指導力の向上等、引き続いての取り組みをお願いします。
二点目が「キャリア教育の推進」です。これまでの取り組みにより、専門高校では生徒の地元企業に対する理解の促進やコミュニケーション力の向上につながり、県内就職率も高くなってきています。
一方で、県の人口は毎年五千人ずつ減少しています。
そうした中、島根の子どもたちには、将来、どのような立場に置かれようとも、島根のことを思い、ふるさとに貢献したいと思うような人材に育ってほしいと思います。
専門高校での課題研究事業、普通科高校での三年間を見通したキャリア教育の充実をお願いしたいと思います。
この「キャリア教育の推進」と一点目の「学力向上対策」については、就学前から小、中、高へと一貫した取り組みの充実を図る必要があることから、組織を改正したところです。
最後の三点目は「特別支援教育の推進」であります。
特別支援教育については、「しまね特別支援教育推進プラン」に基づき、施策を進めてまいります。
特別支援学校においては、各学校における専門性の向上に一層努めるとともに、センター的機能を発揮し、県内の全ての学校において、特別支援教育の推進が図られるよう努めていただきたいと思います。
また、高等学校においても、今後とも校内の特別支援教育の体制整備を進めていただきたいと思います。
教育を取り巻く環境は、ますます厳しくなっています。
また、生徒を取り巻く環境も大きく変化し、生徒も様々な悩みを抱えていると思います。
校長先生方におかれては、教頭・事務長をはじめ、全職員と連携し、総合力が発揮できる学校運営が行われるように配慮するとともに、生徒や保護者の思いを受け止め、さらには、アンテナを高く張り、社会や地域の動向に敏感であって欲しいと思います。
そして、改めてお願いします。
危機管理意識を高めていただきたいと思います。
昨年度も様々の形で教職員の不祥事や生徒の安全を脅かす事案が発生しました。
今一度、原点・基本・基礎を大切にし、安易に従来の慣行を踏襲することなく事務や事業の点検、情報の共有、コンプライアンスの徹底など、校内体制や指導・研修の充実を図っていただくようお願いします。
あわせて、悩みや問題を抱えている教職員が気軽に相談できるような雰囲気作りに努めていただきたいと思います。
皆さんは本日、学校のトップとしてスタートを切られました。私も本日が教育長としてのスタートです。
本県の将来を担う若者を育てるため、私も、学校現場や地域の皆様の意見をよく聞き、一緒になって取り組んでまいりますのでよろしくお願いします。
終わりに、遠隔の地に赴任される方もおられますが、どうか健康には十分留意され、大いに活躍されるよう祈念いたしまして、訓辞といたします。
平成26年4月1日
島根県教育委員会教育長藤原孝行
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