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教育長メッセージ:就任式あいさつ

 おはようございます。

 本日から、教育長を務めます新田英夫です。皆さん、よろしくお願いします。

 就任に当たり、私の考えの一端を述べたいと思います。

 

 まず、私たちが担っている教育の各分野は、島根においてますます重要性が高まっている、ということを、この機会に改めて認識し、教育委員会一丸となって教育の充実をはじめとする所管の業務に取り組んでいきたいと考えています。

 

 教育の重要性について、一例を挙げます。
今、県政にとって、地方創生、島根県総合戦略の推進は大変重要な課題となっています。この取組みは、国の政策展開と呼応させたため、人口減少対策を前面に出した構成となっています。

 しかし、島根県の取組みは、単に人数を増やせばよい、といったことを目指したものでは、決してありません。県民の皆さん一人ひとりの希望の実現、心の豊かさの実現などにつながるものでなければなりません。

 

 教育委員会で推進している「教育の魅力化」の位置づけや目的も同じであろうと思います。実際、「教育の魅力化」は、単なる県外生徒募集の取組みではなく、学校・県・地域が総力を結集して、島根の子どもたちに本物の「生きる力」を育もうとする取組みである、との位置づけが明確になされています。

 

 いずれにも共通するのは、島根が有している、豊かな自然や、文化・歴史、特色ある地域資源、温かい地域社会と県民性などの強みを活かしながら、それぞれの地域で、住みよい環境を確保して、将来にわたって活力ある地域社会をつくり、維持していこうとするもの、次の世代にしっかりと引き継いでいくべきものであることです。

 

 こうした考えは、「地域を担うひとづくり」として島根県総合戦略に掲げた施策にも、色濃く表れています。これらの中心は、教育委員会の様々な施策展開です。

 ふるさと教育や学校図書館活用教育、小中学校の少人数学級編制、県立高校と地元市町村などが連携した高校魅力化事業など、島根ならではの魅力ある教育を、小学校、中学校、高校、特別支援学校を貫いて一体的・系統的に進めることにより、教育の魅力化・魅力の高まりを「地域の魅力」へと発展させ、「しまねに定着、回帰・流入するひとの流れ」をつくり出す、という方向性を示しているところです。まさに、教育委員会が中心となってその役割を担い、一層推進していくべき方向だと思います。

 

 2点目です。

 前任の鴨木教育長は、「教育委員会は、教育の現場を支えるために存在している」という基本的な認識、我々の立ち位置を明確に示されました。

 また、これを実行する手段の一つとして「レイマンコントロールのもと、教育委員会会議を大切にする」という考えを、具体の姿勢として重視してこられました。

 私も、この鴨木教育長の考えを踏襲してまいりたいと思っています。

 

 鴨木前教育長がこれまで築き上げてこられた多大なご功績とご貢献に対し、深く敬意を表しますとともに、一日も早いご回復をお祈り申し上げたいと思います。

 

 3点目として、仕事の進め方について申し上げます。

 教育委員会が果たすべき役割が一層重要なものとなる中、「新学習指導要領への対応」はもとより、「教育の魅力化の更なる発展」「教職員の働き方改革と教育の質の向上の両立」「県立高校の将来像の具体化」「インクルーシブ教育システムの構築」など、今後強力に取り組んでいかなければならない事項、また、方向性を導き出したり、解決していかなければならない課題など、多くの事項があるものと承知しています。

 

 これらの事項に、一つひとつ取り組んでいく際には、一人で抱え込むのではなく、「報告・連絡・相談」をためらうことなく行っていただきたいと思います。

 「どのような方向で」「どういうやり方で」「どういう順番で」といった認識を早い段階で共有することが、私たちの働き方改革にもつながっていくものと思います。

 

 私は、これまでいた職場では、「実態の正確な把握」と「想像力の発揮」を、個人個人で努力するだけではなく、チームでやっていこう、ということを繰り返し呼びかけてきました。

 「実態把握」は、「実際の状況はどうなっているのか、周辺環境はどうか」といった現場感覚につながることです。

 「想像力」は、例えば、根拠を持って先を予測する力、適切な対応を見極める力、相手の立場を慮る力などであり、危機管理も想像力が重要だと思います。また、場合によっては「想像だけではダメだ」ということに気づいて、仕事の進め方の再検討につなげる、といったことも想像力であろうと思います。

 こういう力に磨きをかけてチームで成果につなげていくような仕事のやり方を意識してほしいと思います。

 

 こうした点を皆さんと共有しながら、成果のあがる仕事の進め方と同時に、「生き生きと働きやすい職場づくり」を進めていきたいと考えています。

 

 以上、大きく3点について、申し上げました。

 皆さんには、健康にも十分に留意しながら、力を発揮していただきたいと思います。

 今、学校現場も『チーム学校』で教育の質の向上や働き方改革に取り組んでいると聞きました。この教育庁も『チーム教育庁』で臨んでいきたいと思います。

 志を一つにして取り組みましょう。よろしくお願いします。


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