県議会答弁:令和8年6月定例会(河内議員質問分)令和8年6月22日

(議員質問)

 県立学校の枠組みにとどまらず、市町村や福祉部局とも緊密に連携し、乳幼児期から高校生までを一貫した視点で捉えた、島根らしいトータルな教育のあり方について、どのようなビジョンを持っているか、考えを伺う。

(教育長答弁)

 少子高齢化や情報技術の普及、雇用をめぐる状況の変化など、社会経済が変化していく中で、すべての子どもたちには、社会を生き抜く力を身につけ、豊かな生活を送ってほしいと思っています。

 また、生きていく上で、経済性の追求あるいはAIデジタル社会に対応していくといったことは必要となりますが、同時に、豊かな心を基にした周囲・他者への思いやりの心を持てる人、包容力のある人に成長してほしいと思っております。

 こうした中で、学校教育におきまして「子どもの将来の選択肢の幅を拡げる」ことは、とても重要であると考えております。そのためには、子どもの多様な選択を可能とする確かな学力の育成や、目指したい方向へしっかりと興味・関心を広げていくことが必要となります。

 議員からのご指摘にもありますように、幼児教育、小学校、中学校、高等学校を一貫して捉え、そして、学力の育成等を連続性、継続性を持たせて実施し、子どもが望む、大学進学や就職、そして社会的自立につなげていく必要があります。

 その際、ふるさと教育や探究的な学びなどを通じまして、子どもたちによる進路選択の内に「ふるさと島根に関わること」を含めてもらえるようにしたいと考えております。

 しまね教育振興ビジョンでは、施策の柱の一つとして「発達の段階に応じた学力の育成」を掲げる中で、幼・小・中・高に連続する取組として、幼児教育施設と小学校1年を対象とした幼小連携・接続の推進、小学校と中学校を対象とした基礎学力の育成、小学校から高等学校までを対象とした理数教育の充実、すべての段階を対象としたICTを活用した教育や道徳教育の推進などについて、市町村教育委員会や健康福祉部と連携し、進めているところでございます。

 これらのうち、基礎学力の育成については、子ども一人ひとりに寄り添い、子どもたちが「できた・わかった・やってみたい」を実感できるようにするなど、学習意欲と課題解決能力を引き出す授業改善に取り組んでおります。

 また、ICTを活用した教育の推進として個別最適な学びと協働的な学びに向けまして、一人一台端末を活用し、子どもたち一人ひとりの理解度、興味・関心に応じた学習や、学びを深めるためのグループワークを行っておりまして、これらの取組を引き続き進めてまいります。

(議員質問)

 子どもたちの学習意欲と課題解決能力を自発的に引き出し、誰一人取り残さない教育を島根県内で実践していくために、今後どのような具体的な施策や、教員の意識改革・サポートを行っていくか、決意と方針を伺う。

(教育長答弁)

 しまね教育振興ビジョンでは、「教育上の配慮が必要な子どもたちの学びへの支援」を施策の柱の一つとしており、障がいのある子どもたち、不登校の子どもたち、日本語指導が必要な子どもたち、経済的困窮等の困難な状況にある子どもたちにつきまして、その主体性や多様性を尊重しながら、誰ひとり取り残すことなく、すべての子どもたちが安心して学校生活を送ることができるよう、そして、将来の自立と社会参加を目指して、市町村や関係機関と連携して取り組んでおります。

 具体的には、LD(学習障がい)のある子どもたちに指導・支援を行う市町村に対する研修や指導助言、日本語指導が必要な児童生徒への支援として日本語指導員の配置といった指導体制の強化、不登校児童生徒の支援として市町村の校内外の教育支援センターの設置支援、スクールカウンセラー及びスクールソーシャルワーカーの配置などでありまして、引き続きこれらに取り組んでいきます。

 また、学習意欲や課題解決能力を引き出す取組や、主体的に学びに向かう力の育成は、子どもたちの学校生活の充実や、学校に行きたい気持ちにつながることが期待できますので重要であります。

 このための具体的な取組としましては、例えば一人一台端末を活用して、子どもたち一人ひとりが置かれている状況や理解度・習熟度、興味・関心に応じた学習、学びを深めるためのグループワークなど、工夫した授業を行っております。また、ふるさと教育など豊かな自然や歴史・文化・伝統、人との関わりの中で本物に触れる学びを通して、学びへの興味・関心を高め、主体的に学びに向かう意欲を醸成します。

 子どもたちの主体性や多様性を尊重しながら、一人ひとりの個性や能力、得意な分野を伸ばすことによって、子どもたちの将来の夢や希望の実現を支援したいと考えています。

 次に、教員の意識改革・サポートについて、教員の意識改革を図るひとつとしまして、ビジョンを学校現場に浸透させることが必要であります。教職員に対しましては、研修などを通じて周知を図るとともに、手元ですぐに見てもらえるよう、各学校に冊子やリーフレットの配布をしております。

 全ての子どもたちへのより良い教育を実現していくためには、学校教育の担い手である教職員が、子どもたちと向き合う時間を確保するとともに、自らも学ぶ時間を確保し、健康な状態でいきいきと子どもたちの教育に邁進できる働きやすさと働きがいを両立した勤務状況への改善が必要であります。

 このため「島根県教職員働き方改革プラン」に基づきまして、外部サポート人材の配置や学校内での業務を効率化するシステムの構築などに取り組んでいきます。

 最後に島根らしい教育につきまして、ビジョンにも記載をしておりますとおり、他の地域に誇れる島根の良さ・魅力である「人のつながり、人の良さ、あたたかさ」を表す「誰もが、誰かの、たからもの」は、教育との親和性が非常に高いと考えています。

 家庭や地域から愛されて育つこと、豊かな自然や歴史・文化など地域の資源に囲まれ、「人が人から学ぶ、人が人を育てる」ことを通じて、「自分も一人の人間として大切にされている」という自己存在感、自己肯定感が育まれ、生まれ育った地域・ふるさとへの愛着や、他者を思いやる心なども育まれると考えております。

 子どもたちが「自分は誰かのたからもの」である、また、誰かに必要とされていると感じ、お互いの個性や多様性を認め合うことによって、「誰もが自分のたからもの」であると思え、そして「自分は自分自身のたからもの」であると思えるような教育を展開していきたいと考えております。

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