県議会答弁:令和8年6月定例会(坪内議員質問分)令和8年6月16日
(議員質問)
単位制の導入によりどのような教育上の課題を解決しようとしているのか、そのねらいを伺う。
また、生徒が自らの興味や関心、進路に応じて科目が選択できる仕組みにより、主体的な学びが促進されるものと考えるが、多様な進路に対応する上で、単位制はどのような意義と役割を持つのか、進学希望者と就職希望者にそれぞれどのようなメリットがあるのか、その期待する効果について伺う。
(教育長答弁)
議員からご指摘をいただきましたとおり、地域の将来を担う人材の育成は、教育行政の重要な使命でございます。江津市におきましては、市内唯一の公立高校となります江津地域の新設校にその役割が期待され、社会や産業界のニーズに即応しつつ、生徒の可能性を拡げ、能力を伸ばす高校教育をいかに実施するかが求められておりまして、単位制の導入は、こうした求めに対応することをねらったものでございます。
現在、県立の全日制高校では、8校が単位制を導入しておりますけれども、単位制の導入は、多様な選択科目を準備し、生徒が自分の興味・関心や進路に応じた科目を、学科や学年の枠を越えて選択できるようにすること、各種の技能審査の結果やボランティア活動の実績などを、幅広く単位として認めることなどを可能とするものでございます。学科の枠を超えた多様な学びを提供することで、地域産業や社会の課題を柔軟にとらえ、未来を切り拓く力を育むことが期待されます。また、生徒が自ら選択した科目の学びや、自ら取り組んだボランティア活動などを卒業単位として認定することで、主体的に学びに向かう態度の醸成も期待できます。
江津地域の新設校は、県内で初めての普通科系と工業科を併設した学校でありますけれども、ここでの単位制の導入は、多様な進路希望に対応する上で、普通科の生徒が工業に関する専門科目を選択したり、逆に、工業科の生徒が数学や英語の発展的な科目を選択することができる環境を整える意義がありまして、学科を越えた学習の機会を作り出す役割が期待されております。
進学を希望する生徒にとってのメリットとしましては、普通科・工業科ともによりきめ細かな進学指導を受けることが可能になり、進学先の選択肢の幅が拡がることにつながります。また、就職を希望する生徒にとっては、学科の枠を越えた多様な科目選択によりまして、専門的な技能の習得や、高度な資格取得が可能になります。
江津地域の新設校におきます単位制の導入は、生徒の多様な進路希望に沿った対応を可能とするとともに、地域の産業界が求める人材の育成につながるものと考えております。
(議員質問)
単位制導入により、多様な科目選択を可能とするためには教員配置や時間割編成の工夫が必要と考えるが、実施体制に懸念はないか伺う。
(教育長答弁)
単位制導入により多様な科目選択を可能にするためには、高い専門性を有した教員の配置や生徒の学習ニーズを充たすことができる時間割の編成が必要となります。
教員の配置につきましては、本県では、民間企業等を経験された方も含め、高い専門性を有した教員の採用を計画的に進めており、また、特定の分野では、教員免許をお持ちでない専門家の方には、特別非常勤講師の制度によって授業を担当していただいております。
江津地域の新設校におきましても、県内で、既に単位制を導入しております高校の教員配置数等も参考にしながら、生徒の充実した学びが可能となるよう、高い専門性を持つ多様な教員の配置などの検討を進めてまいります。
時間割の編成につきましては、現在、新設校開校準備委員会におきまして、近隣の中学生や保護者を対象に行ったアンケート結果の分析、地域の教育関係者や産業関係者からのヒアリングなどを通しまして、どのような選択科目をどのような時間割編成のもとに開講するかなどの具体的な検討を行っております。
これらの検討を進めまして、単位制の効果を十分に発揮できる実施体制を整えてまいります。
(議員質問)
高等学校等教育改革促進事業のアドバンスト・エッセンシャルワーカー等育成支援に約19億円申請されたが、国は本事業にどのような教育的効果や政策的な意図を見込んでいるのか伺う。
また、新設校を選定した理由と具体的にどのような取組を展開し、事業目的の達成に努めるのか伺う。
(教育長答弁)
国が定めております3類型のうち、アドバンスト・エッセンシャルワーカー等育成支援では、地域産業や社会の課題を解決できる人材や、地域発のイノベーションを興すことのできる人材などの育成を目指すとされております。
この類型では、実践力の習得・向上に資するカリキュラムの実施等に加えまして、地域の産業界や大学等と連携、協働した職業教育における人材育成機能の強化に向けた取組や、先端分野の専門的な指導等を通じた地域産業を支える人材育成の取組を行うことが求められております。
江津地域の新設校は、スクール・ミッションを「普通科系学科と工業系専門学科が融合した特色ある学びや、地域と連携した探究的な学び等を通して、地域産業等を担うことのできる専門性豊かな人材の育成」と定めまして、普通科高校と工業高校の統合メリットを生かした教育課程の編成を検討しております。また、新設校開校準備委員会には、地元企業、県立大学やポリテクカレッジ島根といった地元教育機関、GOGOTSUコンソーシアムなど地域の関係者の方々の参画をいただき、地域の教育ニーズを生かした学校づくりの検討を進めておるところでございます。
江津地域の新設校を改革先導拠点に選定し、国へ申請した理由でございますけれども、新設校の目指す学校像や育成したい人物像、新たな学科設置や新たな教育課程の構想が、国事業におきますアドバンスト・エッセンシャルワーカー等育成支援に合っているということ、また、国が求めます、地域産業を支える人材育成の取組を実現できる地域や産業界との連携体制が整っていることが挙げられます。
本事業での具体的な取組でございますが、まずは、ハード面において、教室の配置転換など実習棟の改修、レーザー加工機、重機シミュレータなど実習設備の導入を行います。ソフト面におきましては、地元企業に勤務される方を講師とした講義の開設、放課後を利用してものづくり現場を舞台とする探究活動プログラムの展開、高校生自らが小中学生向けにものづくりの楽しさの紹介などを行うキャリア教育動画の制作、地域と連携した活動を円滑に実施するためのコーディネーター等の配置などを実施いたします。
国事業に採択されましたら、これらの取組によりまして、地域産業を支える人材の育成という本事業の目的の達成に向けて努めてまいります。
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