県議会答弁:令和7年11月定例会(尾村議員質問分)令和7年12月3日

(議員質問)

 「定額働かせ放題」を放置する改正給特法は、現場の教職員にどのように受け止められ、教員を目指そうとする若者からどのような声が上がっているのか伺う。また、現場の教員の信頼感を取り戻すために、今後、どのような取組を進めていくのか伺う。

(教育長答弁)

 教職調整額の基準となる額が給料月額の4%から10%まで段階的に引き上げられることについて、学校の教職員からは、昨年度の県立学校の1カ月あたりの時間外在校等時間が20時間以下であった教育職員が全体の41%であったことなどから、業務量に見合った処遇改善がなされることについて歓迎する声が寄せられました。あわせて逆に、処遇にあった業務量とすべく働き方改革の一層の推進を求める声も聞いております。

 また、教職を目指す学生からは、改正給特法の受け止めについて直接声を聞く機会はこれまでのところございませんでしたが、県内の大学生を対象に行っている学校体験学習の参加者アンケートにおいて、「特に印象に残ったこと」について聞いたところ、「働き方改革が進んでおり、子どもたちの下校時刻や教員の帰宅時間が早くなっていること」を挙げる学生もおり、学校現場における働き方改革の取組の成果を評価する声もございました。

 今回の改正給特法のねらいは、働き方改革のさらなる加速化、学校の指導・運営体制の充実、教員の処遇改善、この3つを一体的・総合的に推進することで、教員の働きやすさと働き甲斐を両立し、学校教育の質の向上を図ることとされております。

 県教育委員会としましては、引き続き学校現場の声を聞きながら、服務監督権限を有する県立学校の「業務量管理・健康確保措置実施計画」を策定し、すべての教員の時間外在校等時間を、月平均30時間以内に抑えることを当面の目標として、教職員の業務改善や学校アシスタント、部活動指導員などの外部サポート人材の配置に向けた取組を進めてまいります。

(議員質問)

 給与を削減される教員の犠牲や管理教育の強化によって進められる給特法の改定は、学校現場に対立と分断を持ち込むものであり、「チーム学校」運営に逆行するものと考えるが、所見を伺う。

(教育長答弁)

 改正給特法における給与制度については、全体として処遇改善となるような制度設計となっております。

 ただ、個別に見ますとマイナスが生じる手当もあり、様々な意見があることも伺っております。

 これらを含め、地方の声を届けるため、全国都道府県教育長協議会及び、全国都道府県教育委員協議会の連名で、「より優秀な人材を確保することを目的として、教育職員の給与の優遇措置を定めた人材確保法を堅持しつつ、義務教育等教員特別手当の支給水準を含めて、一層の改善を図り、その職務の専門性に十分配慮した処遇を確保するとともに、職務や服務の状況に応じたメリハリある給与体系とするための財政措置を講じること」などについて、先週金曜日に、私も理事の一人として上京して、文部科学省、財務省、関係する国会議員の方々を訪問し、要望いたしました。

 引き続き、実現に向けて全国の都道府県教育委員会と共同し、要望してまいります。

 また、主務教諭につきましては、今回の改正において、若手のサポートや学校内外の様々な連絡・調整業務を行う職として各任命権者の判断で置くことができるとされましたが、配置基準や昇任基準が国から示されておらず、導入に伴う現場への影響を見通せないため、来年4月からの導入は見送ることとしております。

(議員質問)

 教員の長時間労働を是正するために、教職員の定数を抜本的に増やすことが必要であり、現場の切なる願いであると考えるが、所見を伺う。

(教育長答弁)

 国からできるだけ多くの加配を受けられるよう努力した結果、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の4校種合わせて、基礎定数6,307名の約11%に当たる677名の加配を受けています。

 さらに、国の加配で十分補えない場合は、県単独の加配として257名を配置しており、国、県合わせた加配教員数は934名で、配置した教員全体7,241名の約13%を占めています。

 このように、一人でも多くの教員を配置できるよう、国への働きかけや県の予算折衝を行っております。

 国においても、近年、通級指導や日本語指導等にかかる教員定数の基礎定数化や小学校の35人学級化、高学年における教科担任制の導入が進められてきましたが、今後も中学校の35人学級化や小学校4年生への教科担任制の拡大などが進められようとしています。

 そのうえで、国に対しては、県の重点要望や、先ほど言いました全国の2つの協議会の連名で教員定数の確保について要望しております。

 また、スクール・サポート・スタッフや部活動指導員など、教員以外のサポート人材を確保するための予算も、令和5年度と比べると、約1.5倍に増やしています。

 ただ、年度当初に配置を予定している教員が欠員となる、あるいは、年度中途での辞職や休暇・休職に対して補充ができない状況があることについては、大変心苦しく、申し訳なく思っています。

 引き続き、欠員解消に向けて、教職員数の確保に全力で取り組んでまいります。

(議員質問)

 改正給特法の最大の問題点は、公立学校の教員には原則として時間外を命じない、としながらも改正給特法は月30時間までの時間外を容認した。時間外労働はあるが、超勤手当は支払わないという法律の建付けになっている。労基法違反ではないか。これこそが長時間労働を放置してきた原因であると思う。その上で業務量管理・健康確保措置実施計画を作ることになっている。県教育委員会は全国に先駆けて、実態調査をしたことは評価している。その中でおどろくべき実態が出た。小学校で4割弱の教員が「休憩を全く取れない」と答えている。7時間45分の勤務時間であれば45分間の休憩を取らせることになっているが、学校現場で労働基準法に反する実態がある。教員が心身の健康を害する原因になっている。教員定数の抜本的な増員しかないと思っているが、計画を策定するにあたっては現場の実態を把握して、実効性のあるものにしていただきたい。改めて教育長の考えを伺う。

(教育長答弁)

 本県では、この給特法の改正の動きとは全く関係なく、以前より働き方改革をどう進めるか、ということを大きなテーマに市町村教育委員会といろいろ協議をしておりました。その一つには、時間外勤務が大きく下がった後、下がりつつありますが、下げ止まりになっているという実態、そして、調査して数字では出ましたが、それ以前に、議員ご指摘の休憩がとれないという、そういった声を受け、スクール・サポート・スタッフの全校配置という国の予算措置、これは文部科学省にはとても大きなことだったということですが、本県では初年度から全校配置の予算を計上することを議会にお認めいただいており、あるいは昨年は、実際に私が、小中学校67校を訪問して具体的に時間割を見せてもらいながら、校長と「こういったところがもっとできるのではないか。」と、あるいは「こういったところに予算が必要なら、きちんと市町村の校長会でまとまって市町村長さんに訴える機会を作ってもらったらどうか。」というような、あくまでも指導助言の範囲ではありますが、そういった提案をしてまいりました。

 私の回った時の肌感覚で言いますと、やはりスクール・サポート・スタッフといった外部人材の配置がかなり昨年度から業務縮減に効いている。そしてもう一つは実際に時間が減るのと、もう一つは教職員の精神的な負担、こういったものが軽減されているという話を聞きました。

 今年度は、昨年回ったいろいろな私の提案を受けていただき、授業の総時間数を標準に合わせる、あるいは、例えば水曜日の午後は授業を止めて、教職員の時間をとるといった、まとまった時間を教職員全体に与える、あるいは成績の付け方を3学期制のままで前期後期につける、ということで、かなりの成績をつけるという教員の大きな負担、文字化するということがとても大きな負担、事務的な負担、精神的な負担ですが、そういったことの回数を2回に減らす、あるいは、実際に2学期制への試行を始めたところもございます。

 こういったことで業務の根本的な改善といったところで減っていく、今年度もさらに減るのではないかという、これは肌感覚ではありますが、そういう風に今受け止めております。そういった具体的なことを進めながら、議員ご指摘のように、教員がきちんといるということ、そして、サポート人材がそこにいて、さらに補っていく、こういったところをしっかりやることは私の責任でございますので、全国の教育委員会と歩調を合わせてしっかり要求していきたい、と思っておりますし、欠員がないように教員採用の方もしっかり進めてまいりたいと思います。

 改めて、また学校訪問すると、それ自体が負担をかけてしまうところもあります。一度大きく聞き、市町村教育委員会としっかり連携を取っておりますので、現場に即した働き方改革を進めて、その目的である、子どもと向き合える時間を増やす、子ども達のためにという共通目標を持って、教職員と一緒になって働き方改革を進めていきたいと考えております。

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