県議会答弁:令和7年11月定例会(須山議員質問分)令和7年12月2日
(議員質問)
教育現場には大きな個人差や学校差があるにもかかわらず、勤務時間に連動しない“横並び支給”を続けることが果たして持続可能な制度なのか、疑問を抱かざるを得ない。この点について教育長の所見を伺う。
(教育長答弁)
本年6月に成立したいわゆる改正給特法では、一つには、教員の処遇改善について、高度専門職にふさわしい処遇実現のため、教職調整額の基準となる額を給料月額の4%から10%まで段階的に引き上げること、二つには、学校における働き方改革の一層の推進として、服務を監督する教育委員会は、文部科学大臣が定める指針に即して「業務量管理・健康確保措置実施計画」を定めることとされました。
この指針においては、ひと月あたりの時間外在校等時間、いわゆる時間外を、令和11年度までに平均30時間程度に削減することと、80時間を超える教育職員を早急になくすことを目標としております。
県教育委員会が服務監督権限を有する県立学校における昨年度の時間外実績は、ひと月当たり30時間を下回っている教員の人数が57%と、半数以上は、先程申し上げた目標を達成しております。
県教育委員会としましては、残り43%の教員のひと月当たりの時間外を、まずは30時間以下にするべく、実施計画を策定し、働き方改革を進めていくこととしております。
このように、教職調整額の引上げと時間外の縮減の両面から取り組むことで現状の改善を行ってまいります。
(議員質問)
教職という専門性の高い職においても、合理的で透明性のある勤務時間管理や時間外手当の支給は不可能ではなく、むしろ必要な改革と考える。この点について、教育長の所見を伺う。
(教育長答弁)
教員の時間外勤務を上司の命令に基づき行うこととした場合、機械的に行うのではなく、一人ひとりの業務内容や進捗具合、勤務状況などを把握し、命ずる教員と命ぜられる教員とが、お互いにコミュニケーションを図りながら、上司が適切に命令を行う必要がございます。
県内の大規模高校では、約70人の教員がおり、これに対して1人か2人しかいない教頭が、一人ひとりの業務の進捗状況のすべてを把握して命令を出すことは難しいのが実態です。
これを、知事部局のように、係のような小規模単位で行うこととすれば、例えば、学年主任や校務分掌の主任を、一般教諭の上司として位置づける必要がございます。
こうした学校には、こういった小規模の階層組織がなじまないとの意見もあり、議員ご提案のとおり、ICT機器を活用して事務手続きを簡素化するとしても、適正な時間外勤務を命ずることは難しいのではないかと思っております。
(議員質問)
義務教育等教員特別手当の縮減は、月額換算で平均1,000円~2,000円減になるケースも想定され、実際の処遇改善に逆行する可能性もある。教育長は、この“付け替え”ともいえる改定をどのように評価しているのか、所見を伺う。
(教育長答弁)
この度の給特法の改正においては、教職調整額の改善のほか、義務教育等教員特別手当や給料の調整額、多学年学級担任手当など、幅広い項目について見直しが行われ、全体として、個々の教員にとって処遇改善となるような制度設計がなされております。
議員ご指摘のとおり、個々の手当で見るとマイナスが生じることがあり、見直しについて、様々な意見があることも伺っております。
これらを含め、地方の声を届けるため、全国都道府県教育長協議会及び全国都道府県教育委員協議会の連名で、「より優秀な人材を確保することを目的として、教育職員の給与の優遇措置を定めた人材確保法を堅持しつつ、義務教育等教員特別手当の支給水準を含めて、一層の改善を図り、その職務の専門性に十分配慮した処遇を確保するとともに、職務や勤務の状況に応じたメリハリある給与体系とするための財政措置を講じること」などについて、先週金曜日に、私も理事の一人として上京して、文部科学省、財務省、関係する国会議員の方々を訪問し、要望いたしました。
引き続き、実現に向けて全国の都道府県教育委員会と共同し、要望してまいります。
(議員質問)
教育長として、特別支援教育の専門性を守るため、県独自の調整額維持・拡充を検討する考えがあるか所見を伺う。
(教育長答弁)
本県では、給料の調整額を特別支援学校の教員912人、小中学校の特別支援学級の担任及び通級指導担当教員772人に支給しております。
これは、その専門性にではなく、「職務の複雑、困難若しくは責任の度合又は勤労の強度、勤務時間、勤労環境、その他の勤労条件が同じ職務の級に属する他の職に比べて著しく特殊な職」であることに着目して支給しております。
本年4月の記者会見において、文部科学大臣が給料の調整額の改正に関し、「近年、通常の学級にも特別支援教育の対象となる児童生徒が増加するなど、全ての教師が特別支援教育に関わることが必要となっており、教師の給与全体を検討する中において、教職調整額の10%への引上げ等を踏まえつつ、引き続き、他の教師と比較し一定の特殊性を有していることから、廃止ではなく、半減とする」と述べられ、今回の法改正全体を通して処遇改善を行う旨説明されております。
教員には、時代に応じた様々な対応能力が求められることから、優れた人材を確保するため、一般の公務員よりも給与を優遇することを目的に、人材確保法が昭和49年に制定されました。
昭和55年当時は、約7%の優遇分を確保していたものが、現在では約0.35%にまで低下しており、全ての教員が特別支援教育に関わることが必要という状況になっているのであれば、この優遇分の回復も必要との考えから、先ほど申し上げた全国の要望において人材確保法の堅持の上での処遇改善を求めております。
県単独での対応は財政上困難ではありますが、議員ご指摘のとおり、この度の給特法の改正を踏まえ、高校で通級指導を本務とする教員について、特別支援教育に従事することを本務とする他の教員と同様に給料の調整額の支給対象とすることを検討しております。
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