県議会答弁:令和7年2月定例会(岡本議員質問分)令和7年2月20日

(議員質問)

 新たに策定される予定の「しまね教育振興ビジョン」において、どのような教育を進めていくのか、どのような子どもを育てていくのか、考え方について伺う。

 

(教育長答弁)

 現在の「しまね教育魅力化ビジョン」においては、島根の教育が目指すべき方向性として、「ふるさと島根を学びの原点に未来にはばたく心豊かな人づくり」を「基本理念」としていましたが、新たなビジョンでは、「基本理念」は示さず、より具体的で、実情に即した3つの「基本目標」と3つの「育てたい資質・能力」を掲げました。
基本目標の1つ目は、「すべての子どもが学びの主人公」であります。
「こども基本法」の理念を踏まえ、学びの主体としての子どもの人権が尊重される教育を行うことが何より重要です。
このため、教職員、保護者、地域住民などの大人がお互いの人権を尊重する姿を子どもに示しながら、一人ひとりを尊重する学校を目指します。
2つ目は、「実体験に根ざした本物の教育」であります。
島根が全国に先駆けて取り組んできた地域との連携・協働による「地域とともにある学校」の良さを活かす教育を推進し、豊かな自然や歴史・文化、風土などふるさとの特色を活かした実体験を通して子どもたち自らの身体と感性で、物事の本質を読み解く力を育成します。
3つ目は、「挑戦心、探究心が育つ学びの環境」であります。
受動的に知識を身に付けるだけでなく、学んだことを活かして現実の問題を考えたり、課題を発見したり、問いを立てて探究したりする主体性が育まれるよう、学びの環境を工夫することが必要です。
そのためには、自分は何のために学ぶのかを子ども自身が自覚できる教育を目指すとともに、大人にとっても学び成長できる学校になることが必要です。
「育てたい資質・能力」については、これからの時代を見据えた際に、一定程度、必要と考えられる力や姿勢を示しました。
1つ目の「学びの土台をなす人間力」では、(1)自分の心身の状態を把握し、健康でバランスのとれた生活をおくる力、(2)自分を含むすべての人の権利を尊重して行動する力、(3)自分の良さや可能性を認識し、夢や希望をもって未来に挑戦する力、(4)困難に挫けず、障壁を乗り越えようと粘り強く取り組む力など、
2つ目の「学びの中核をなす学力」では、(1)学ぶことの意味を理解し、主体的に学びに向かう力、(2)基礎的な知識及び技能を身に付け、学んだことを活かして探究する力、(3)自分の考えを自分の言葉で説明し、自分らしく表現・発信する力、(4)既存の枠組みを破り、新たなアイデアや方法を生み出す力など、
3つ目の「学びを展開する社会力」では、(1)地域・社会の維持・発展に貢献しようとする姿勢、(2)他者と協働して課題を創造的に解決していく力、(3)環境問題や持続可能な社会の構築に関する意識や行動力などとしています。
新たなビジョンの実現に向け、多くの方々のご理解とご協力を得て、学校・家庭・地域が一体となって取り組んでいくよう努めてまいります。

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