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県議会答弁:令和6年11月定例会(田中議員質問分)令和6年12月9日

(議員質問)

 「不登校」は、障がいや特別な支援が必要な場合はそれらについて支援すること、家庭環境が問題なら福祉関係者と一緒になって解決に向かっていく、学業の不振なら先生が直接指導をしていく等、問題解決への方向は見えるが、人間関係の要因が事由で不登校となった場合は、簡単に解決することは難しいと思っている。もちろん不登校の子どもたちにも学び続ける権利を保障していくためのリモート授業や、教室や学校以外での学びの場や居場所づくり対策は、当然これまで以上に必要と考えるが、まずは子どもたちに「学校に行くことの意味」を伝え続けることも大切だと私は思っている。

 教育長の「学校に行くことの意味」について所感を伺う。

 

(教育長答弁)

 支援を必要とする子ども達の十分なケアをした上で、というご質問の前提を踏まえて答えさせていただきます。

 私が、プライベートで指導しています3歳児から中学3年生までを対象としたレスリングクラブのチームマークであり、合言葉がございます。「気持ち」の漢字の「気」をマルで囲った「気」であります。これは、「やる気、元気、頑張る気持ち」を表しております。「やる気」は「始める力」、「元気」は「続ける力」、「頑張る気持ち」は「達成する力」を育みます。

 このうち、「頑張る気持ち」は、その結果を求めがちであります。達成すれば、嬉しいし、満足するし、次への向上心も芽生えます。反面、達成できなければ、悔しいし、悲しいし、凹むし、投げやりになるし、逃げたくなります。とても大事な「気持ち」であります。

 令和4年5月には、高校に入学して以来、新型コロナウィルス感染症に左右されながら、部活動に取り組んできた高校生が、県総体を皮切りに部活動の成果を披露する場に臨む際に、新聞広告を出しましたが、その応援メッセージを「君たちの頑張りは、食いしばった奥歯が覚えている。」といたしました。

 これは、「頑張り」は、その成果が、今は、満足のいくものとはならなかったとしても、大人になってから必ず役に立つ「一生もの」なんだよ、という意味を込めたものであります。

 「頑張る気持ち」は、大人になってからは言い訳が先に立ち、子どものときほど、強くはならないと、経験上、感じております。子どものうちに培った「頑張る気持ち」を消費、あるいは浪費し続けているのが現状であります。子どものうちにたくさんの「頑張る気持ち」を持っておくことが大人になって、社会に出て、家庭を持って、子育てをしていくときに役に立つと思っております。子どものうちに「頑張る気持ち」が育ち、目標に向け努力することで、切磋琢磨の中で、自己実現が可能になっていくための環境は、同世代の中で整えることが効果的・効率的で、一定の集団に属すること、即ち、学校に行って友達・仲間といることが、まずはスタートラインでございます。

 一般的には、学校に行く意味は学習活動や部活動、委員会活動などを通じて、コミュニケーション力、問題解決力、協調性などの非認知能力を獲得し、体育の授業や休み時間等で体を動かしたり、友達と遊んだりすることで、心身の健康を育むことが出来ることや、多様な他者と集団生活をすることによって、色々な個性を知る、自分自身の個性も知ることとなり、互いを認め合う関係づくりについても学ぶことが出来ることがあります。

 それに加えて、私が思う学校に行くことの意味ですが、頑張ったら達成感ややりがいを得られる、もちろん負けたら、できなかったら悔しい、そして大事なことは、負けても、できなくてもやり直しができる、そんな成長の場に身を置くことであります。私は、周囲の大人の方がそれぞれの思い、考えを、子どもたちに自分の言葉で伝えていただけたらというふうに思っております。


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