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県議会答弁:令和6年9月定例会(吉田議員質問分)令和6年9月27日

(議員質問)

 いわゆる歴史的遺産や芸術としての文化財ではなく、人々が楽しみ、地域の誇りとして、次の世代や新たな移住者に受け継がれる地域文化は豊かさの証であり、地域のアイデンティティであるといっても過言ではない。
住民の幸福感にとっても大切な視点だと思うが、これへの支援について、社会教育の観点から、実態と共に所見を伺う。

 

(教育長答弁)

 文化とは何かといえば、私は、生活が凝集したものだと思っておりまして、そうしますと地域文化は、それぞれの地域に根付いた生活の集大成であり、長い年月をかけて形になったもので、それゆえ、その地域の人々の心の拠り所になっています。
地域の現状を見てみますと、過疎化、少子高齢化などにより、地域の世代構成が変化してきており、また、急速なデジタル化の進展に伴い、人と人との直接的なつながりの希薄化が進んでいます。生活様式も変わり、これまでどおりに地域文化を継承することが難しくなってきていると思われます。
このような現状の中で、地域文化を守り、継承していくことは、エネルギーのいることでありますが、まずは、地域住民が、自分たちの地域文化を守りたいという明確な意思を持ち、次に、地域文化を守るために行動することが大切であります。
社会教育のアプローチの特徴は、体験や活動による学びから気づきを促すこと、住民同士をつなぎ、地域住民の主体的な活動を生み出すことであります。
これまでも、県内の多くの公民館で地域文化の継承を切り口にした学びを通して、地域づくりを担う人づくりに向けた取組が行われてきました。
いくつか例をあげますと、島ならではの生活の中で受け継がれてきた牧畑の歴史や自然を学び、多世代の交流活動や次の学びへとつなげていった西ノ島町の事例、木負子(きおいこ)や、かんじきなど、生活に根付いた道具づくりの技能や、地域への思いを高齢者から学び、受け継ぎ、実際の生活に活用するまで取り組まれた飯南町の事例、また、放置された竹林を伐採し、地域資源として竹灯籠に活用し、地域の祭りにあわせ、住民手作りで伝統芸能と光のショーを開催され、多くの観客を呼び込んだ美郷町の事例などがあります。
令和2年度から、社会教育主事講習の修了者に対して、社会教育士の称号が付与されています。本県においても、公民館や学校などにおいて活躍しておられます。
また、全国的に見ても、人口に対する社会教育士の割合が高く、こうした社会教育人材の活躍を期待しているところであります。
今後も市町村と連携しながら、社会教育人材の養成を進め、住民の方々が主体的に行動し、「参加者」から「参画者」に発展していくよう働きかけてまいります。


 

 


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